アンクル館

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世の中の様々な出来事に対する所感・雑感を書いていきます

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こんばんわ、往生際の悪いアンクルです。書き溜めていた記事があとひとつあったので載せときます。政治・経済の分野で〆るつもりもなかったし、丁度いいや。副題は「すべてのスケベな野郎ども」。70年代のロックパンド・モット・ザ・フープルの「すへての若き野郎ども」をモジってみました。明日からしばらくの間、ネットのない世界で過ごすこととなります。さようなら。

 

これは珍しやルクセンブルグ映画「
モア」です。タックスヘイブンの国として有名だっけ? 公開当時はかなり話題になった。週刊プレイボーイは、ヒロインのミムジー・ファーマーが登場するシーンの半分以上が裸だとか野郎共を煽るしね(真っ赤なウソ) さすがにドラッグ文化を推奨はしなかったけど。

地中海の景色がそれは素晴らしく、それに被さるピンク・フロイドの音楽は
幻想的なものもあれば、牧歌的なもの、ハードなものまでバラエティー豊かだよ。個人的には、ホテルの場面で流れる「シンバライン」が好きだったね。エンディングは唐突だったし、オープニングの曲がメインテーマなのかな。

ただ、美しい自然とそこにいる人間を叙情たっぷりに描いた感動作ではない。どちらかと言うとその反対。今でも覚えているのは、ある評論家が「この映画は月日と共に人々の記憶から忘れ去られ、ピンク・フロイドの音楽だけが、かつてのその存在を証明する手掛かりになるだろう」と書いていたこと。

すでに日本でも人気のロックバンドだったからね。1971年の初来日で、箱根の霧の中で「エコー」を演奏したと話題になったのは、この映画の公開後だったかな、覚えていない。でも「モア」はずっと記憶に残る映画だったよ。



 
続いてはイギリス・フランス合作映画「
あの胸にもういちど」です。素晴らしい邦題ですね。これをもじって「あの腕にもういちど」と腕時計のCMでやってました。学術書を取り扱っているフランスの本屋の娘が、訪れたドイツの大学教授に目をつけられる。以前からのつきあいの小学校教師と結婚してからも、教授から贈られたオートバイで国境を越えて逢いに行く物語よ。

その間、道中出会ったり見かけたりする人間を蔑みながら、いろいろな回想や空想が彼女の頭の中を駆け巡る。もちろん彼との逢瀬も。そして徐々に期待は高まっていく。彼の家までもう少し、またあの歓喜を味わえる、嬉しさと期待で周りはもう見えない、で事故。免停の講習用に最適かもしれない。

文章にすると味気ないけど、映画としてはかなり見応えがあったと思う。音楽も良かったよ。オープニングの勇ましい
テーマ曲、ラスト、ヒロインが期待に胸を弾ませながらオートバイを走らせるシーンで、哀愁を感じさせながらもドラマチックに盛り上げる曲とか。監督はイメージと違ってハゲだった。

ヒロインを演じたマリアンヌ・フェイスフルは歌手でもあり、ミック・ジャガーともつきあっていたんだね。ビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の収録の模様を収めたビデオで彼女を見たっけ。撮影当時、相手役のアラン・ドロンの魅力に彼女が虜になったとか言われてたけど、宣伝用だったのかもね。


 

最後はフランス映画「O嬢の物語」です。こういうポスターや看板が堂々と街中に掲げられていた時代ね。女性の鑑賞にも堪えうるHな映画というフレコミで、話題のエマニエル夫人に続いての登場。ヒロインはこっちの方がずっと可愛かった。端的に言うと、男の要求に対して何でもOKする嬢の話です。


原作では相手から捨てられるより自ら死ぬことを選び、相手もそれに同意したという救いようのない結末だけど、映画ではラスト相手の男に対してのちょっとしたしっぺ返しで終わるのがせめてもの救いかな。最近の映画のメイキング番組なんかで撮影中の苦労話を語っている女優を見ると、この役できんのかよ~と思ってしまう。映像は少し霞がかった感じで美しいけどね。

その映像に合わせて、音楽も幻想的で優雅な調べだ。オープニングでかかる
メインテーマは印象が強い。空を舞うような美しいスキャットと地を這うベースラインとの絶妙なコントラストといった感じかな。自分的にはベースの音が大好きよ。映像美は「うまくかわして」編集してあるここで確認できる。


数年後、主演のコリンヌ・クレリーが「007ムーンレイカー」の宣伝で来日してテレビに出た時は、気の強さと共に目の下のしわもやたら目立っていた。まもなく「セクシーな役はこれで最後」と宣言して一線から退いてしまった。

ミムジー・ファーマー、マリアンヌ・フェイスフル、コリンヌ・クレリー・・・彼女らがたぶん一番輝いていたであろう時代、それをリアルタイムで見ることができたのは、やっぱりラッキーだったんだろなぁ・・・と思います。感謝 !




突然ですが、諸事情により以後のブログ更新をしばらく休止させていただきます。ご覧いただいた皆様には心より御礼申し上げます、ありがとうございました。再開のあかつきには、また何卒宜しくお願い申し上げます。一応の締めくくりとして「映画音楽」と言うより「音楽映画」について書いてみました。


 

アバ・ザ・ムービー」です。お目当ては、何回目か分からないほど見ていた同時上映の「レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ」よ。どっちかと言うとアバはバカにしていた。さしてパッとしなかったスウェーデンの男性デュオ・ビョルン&ベニーが、女性歌手二人を加えてアバとなり、人気が出たな~程度。

でも予想に反して面白かった。単なるコンサートのドキュメントではなく、ストーリー仕立てにしたのが成功の元だと思う。ラジオ番組のDJが、上司からの命令で何とかオーストラリアツアー中のアバとの独占インタビューを成功させようと奮闘する筋立て。もちろんアバのステージ自体も最高だった。

宣伝のために来日して歌番組に出た時は例によって口パクだったけど、ライブ映像はやはり迫力が違うね。当時の新聞の映画評で「化粧がはげおちるのも構わず絶唱する女性二人の迫力」とか鬼女みたいに書いてたけど、これはちょっと大げさすぎる。あくまで華麗に見事な喉を披露してくれた。

 

こういっちゃ何だが、ツェッペリンの方は見てる最中、かなり忍耐を強いられるシーンが多い。ジミー・ペイジの延々と続く自己満足のギターソロ、その間手持ちぶさたの様子のボーカルのロバート・プラント、眠くなるドラムソロ・・

ジミー・ペイジが北京五輪の閉会式にサッカーのベッカムと共に登場していたので、ロンドン五輪の閉会式も? と期待してたんだけど、出なかったな。

ツェッペリンもそろそろかな~と思わせる新アルバムが出た時、その解説でこれはスウェーデンのアバのスタジオを借りて録音されたと書いてあった。自分の中では双方の接点など考えられなかったから、ある意味ショックだったね。でも冷静に見れば、いくら自家用ジェット機を持っていたツェッペリンでも、ビジネスとしてはアバの方がはるかに巨大だったと云う事なのかも。

ツェッペリンは、1971年の初来日の時の大阪フェスティバルホールで行なわれた前座なし4時間ぶっ続けコンサートがすごく評判だったみたいだね。広島公演の時には原爆資料館も訪れ、ジミー・ペイジは涙を流したそうだ。恥ずかしながら、バンドの名前は「赤い飛行船」だとずっと思っていました。

アバもツェッペリンも、キーボードはヤマハの製品を使ってた。ありがとう !


 

エルビス・オン・ステージ」です。当時学校の推薦映画というのがあって、全生徒に割引券を配っていた。ソ連の映画「チャイコフスキー」が推薦された時の同時上映がこの映画だった。結局チャイコフスキーの時はみんな眠りにつき、エルビスの時は起き上がって大興奮の繰り返しという状態だわ。

エルビスのレコードは、ロックのコーナーではなくポップスの所に置かれていたけど、この映画でロックに目覚めた同時代人は多いと思うよ。自分はお気に入りの映画はしつこく何回も見るタチだったけど、その最高記録は多分この映画だ。またアチコチで繰り返し再上映するのよ、客入りがいいから。

 

ある時は同時上映がビートルズの「レット・イット・ビー」だったな。これがきっかけで、エルビス→ビートルズ→70年代初頭の様々なロックバンドへ進むコースに乗るわけ。レコードの値段が高すぎて
買えなかった物は多い。

エルビスがロックンロールの元祖かどうかは意見が別れる所だろうけど、1950年代半ばの米国内では、(世間一般的には) 突然出現したこの種の
音楽、それを歌うトッポイ白人をひたすら渇望してたんじゃないかと思う。

 

この映画自体は、1968年の全米テレビ局NBCがクリスマスス特番として企画したスタジオ収録番組に続いてのカムバック第2弾だったわけだが、これがきっかけでで50年代の「声変わり」以前のエルビスも知り衝撃を受けた人は多いと思うし、そういう人たちにとっては、やはりエルビスが元祖だろう。

エルビスは生前「命と引き換えと言われても、自分には作曲はできない」と言っていたそうだ。でもロックに於いても、作者自身の歌や演奏のオリジナル盤よりいい出来のものって、エルビスに限らずとも結構あった気がする。

ビートルズの「ノッポのサリー」やディープ・パープルの「いとしのルシール」キャロルの「ジョニー・B・グッド」エルビスの「ブルー・スウェード・シューズ」雀百まで踊り忘れず、三つ子の魂百まで。自分にとっての最高の音楽は、やはりロックだな。もちろん1970年代に聴いたもの中心なのは仕方がない。



1971年に出版されたエルビスの伝記本の後書きにこんな文章があった。「君は何でもすることができる」エルビスはパット・ブーンの純白のエナメルシューズに向けて歌った。「でも君は決してぼくの青いスウェードの靴を踏んではならない !」・・ ジョン・レノンの言う通り、1958年の軍隊入隊前までが最高だったのかな? でも「エルビス・オン・ステージ」も最高だったよ !

註・キャロルの「ジョニー・B・グッド」のスタジオ盤の動画が削除されていたので、「グッド・オールド・ロックンロール」を代わりに入れました。「ジョニー~」のライブ盤は今一なもんで。すみません。ではこれにて失礼致します。



次期日銀総裁の候補が色々取り沙汰されている。いわゆる「民間人」が有力と読売で報道されたかと思ったら、その後はやっぱり財務官僚上がりでほぼ決定、と各紙が伝えたり。結局官邸と財務省の争いなんだろうな。

最初に有力と報じられたのは財務事務次官上がりだし、最近報道されたアジア開発銀行総裁も財務官上がりだ。前回民主党の反対で前者が成り損ねた時、次の候補として後者の名前が出たら、畑違いとか一蹴されてたのにな。その間には学者の名前が報じられたり、かなり熾烈な争いみたいね。

 

去年次期総裁が話題になり始めた頃、候補者の一人として退官したばかりの前財務事務次官がテレビで紹介されていたのには呆れたわい。しかも顔写真はなくてシルエットだった。ポテチ税顔を隠したい気持ちは分かるが。

誰がなっても「積極的量的緩和」は実行せねばならない状況だ。銀行が日銀に預ける当座預金、その法定準備分を超過したものに付いていた利息をゼロにして、市中に資金が流れるように誘導するとか、ETFだけでなく個別株も購入するとか、買い入れ対象の国債の償還期限を延長する等々言われている。日本国債だけでなく外債購入の検討も選択肢の一つとなってた。

しかし首相が日銀による外債購入の可能性に言及した翌日、財務相がそれを明確に否定した。別に民主党時代のように「閣内不一致」と責めるつもりはないが、首相が総裁人選のための一つの条件として語ったのなら一応話は分かる。だが財務相の発言は、明らかに日銀に対する越権行為になる。

その点を野党議員に突かれたら「中央銀行の独立性を侵すような発言はしていない。財務省が外債購入はしないという事だ」と翌日に修正していた。これには財務官僚も頭を抱えた事だろう。日銀による米国債購入は何としてでも阻止したいが、自分の所では今まで通り買って行きたいわけだから。
 

金融ビッグバンと騒がれた1997年に改正された日銀法では、政府が総裁をクビに出来なくなった他に、外為売買の裁量権を日銀から取り上げて、財務省の専権事項とした。それ以降日本の外貨準備高は風雲昇り竜の勢いとなり、2000億ドルだったのが、その後10年で何と1兆ドル近くまで膨らんだ。



国際通貨基金・IMF副専務理事は、前に紹介した通り財務官上がりの日本人。他は知らないが、この外債購入の独占権のお陰で、退官後に国際金融機関の結構おいしい名誉職に就けるのかもしれない。手放したくないだろ。

日銀が米国債を購入する時に、新たに刷った日本円を売って米ドルを買えば、円安誘導の為替介入と受け取られる。財務省が外貨準備として購入する時は、デフォルトや価格下落に備えて、同額の債券を発行して日本円で積み立てる決まりがあるので、為替介入ではないと云う理屈になるのかな。

 

財務省=日本国の米国債保有残高は1兆1200億ドル。日本の外貨準備高総額の9割のシェアだ。ここ数ヶ月の円安傾向によって当然円建ての評価額は上がっているが、先に書いた97年から現在の水準近くまで行った07年までのドル/円相場の平均は大体120円ぐらいだから、まだまだだね。

中途での売却はまずない(できない)ので、債券価格には左右されずに絶えず満期償還と買い換えがあるんだろうけど、為替で見れば投資額に比べてかなり損をしているのかもしれない。120円→95円なら約2割の損になる。

考えてみると、外貨準備とはそもそも自国通貨の下落に備えてのものよ。為替の固定相場制が廃されてから一貫して円高の道を歩んできた日本に、これ程の巨額の準備金が必要なのだろうか。変動相場制に移行した1973年から増え続け、2008年に中国に抜かれるまでは長らく世界一だった。

対米交渉の武器に使う事もなく只々忠実に買い続け、財務官僚にいい思いをさせただけかい。1997年とはいろんな意味でエポックメーキングだったかも。まず消費税増税。給与所得が下がり続ける起点の年、つまりデフレの始まり。不況の為の景気対策と称して国債増発のきっかけの年でもある。

中国の米国債保有残高は1兆2000億ドル。外貨準備の総額は3兆ドル超なので、米国一辺倒ではない。ゴールドの保有量を着実に増やしてると云う。逆に言えば、米国債購入の余力は充分あると云う事。FRBの総資産額が3兆ドルを超えて限界が見えてきた中、買い手として一番頼りになる相手ね。



その米国が中国と決定的に対立するわけがない。日本よりも中国の方が今後のお得意様になる可能性が大きいわけだから。尖閣で頼られても、いい迷惑だろう。暫定延長している債務上限引き上げや歳出削減問題もあるし。

 

日本の首相が意気込んでいた割には、米大統領は冷たかったね。財務相の発言を「これ以上米国債の保有を増やさない」との宣言と解釈したのか、TPPを差し置いての日中韓でのFTA交渉の始まりが気にくわないのか知らないけど。米韓FTAで訪米した韓国大統領への大歓迎ぶりと比べ、落差が大き過ぎた感じ。あとロシアへの特使派遣は、時期をずらすべきだった。

次期日銀総裁に出身畑に関係なく財務官僚上がりが就任したら、消費税増税延期は100%ない。財務省と日銀のタッグで追加財政出動でも無制限国債買取りでも何でもやって、目標をクリアしようとする。つまり1997年の失敗を再び繰り返す事になる。今の政治にそれをひっくり返す力はないだろう。



 


速報 ・ 熱烈国士、国家の品格を暑くるく語る
核武装、人民皆兵制、鉄血石原元帥で支那国制圧へ


 
 
 
ピカッ ドン 高濃縮ウランでなくとも核実験成功


 

決して事故ではない 計画通りに爆破弁を作動
画面右上は、実験の成功を解説する喜びの東工大教授




栄誉を賀し、福島第一原発は勝俣-清水記念原発と改称決定
報道陣の賞讃の嵐の中、記者会見を行なう東電役員一同


 

首都にて盛大に挙行されし祝賀パレードの模様


 
 
 
 
 

お国の方針に楯突く不貞分子へは一層の監視強化
でも自分が撮られるのはイヤな公安 OH MY DOG !


 

原発のお陰で、昨年一昨年と蚊取り線香が要りません




しかし放射能はメリットばかりではない 昭和26年長崎




再登場、原発は地下に原爆は上に !
日本男児よ、安保よりイ○ポが心配とは何事ぞ




低レベルの人種より寿命が長い六ヶ所村低レベル放射性廃棄物


 
 

地球上の人類よりも寿命が長い六ヶ所村高レベル放射性廃棄物


 

人類なき後は、よろしく頼んだぞ !  ホイホイ(任せとけ)



相変わらず懐古趣味に耽っているアンクルです。やはり多感な時期に見た映画というのは、ずっと心に残るもんですね。逆に言うと、今見ると却って
幻滅する恐れもあります。でもテーマ曲に関しては、そんな心配もご無用。



フランス映画「シシリアン」です。マフィアと言うよりはギャング物、これはともかくテーマ曲に引き込まれた。でも映画のオープニングで流れていたのと同じモノがない。作曲者のエンニオ・モリコーネの楽団でもやってないんだもんな、それでも素晴らしい事は間違いないんだけど。近いのがこれかな。

宝石を積んだ飛行機をハイジャックして、ニューヨーク郊外の建設中の高速道路に着陸させるシーンが見所だった。今じゃまず不可能な筋書きね。主演のアラン・ドロンは原作に比べて若すぎたのか、唯一の肉親を娘ではなく妹に置き換えていた。一家の嫁に手を出して墓穴を掘るのは原作通り。

まぁ今日のニュースによると、飛行機が離陸する前の宝石強奪は現在でも可能みたいです。すごい手際の良さ、続編を作るのならこの筋書きですね。

 

20世紀FOXの製作者、監督、共演者を従えて貫禄のジャン・ギャバン

ボス役ジャン・ギャバンはさすがに貫禄たっぷり。そういう彼しか知らなかったけど、先般テレビでドイツ出身の大女優・マレーネ・ディートリッヒの特集番組を見た時、彼女自身が生前に語っていた若きギャバンとの恋、葛藤、辛い別れのエピソードを紹介していた。ちょっと感慨深いものがあったね。




これもフランス映画の「雨の訪問者」です。パイロットの夫を持つ若妻が図らずも起こしてしまった殺人を元に展開するサスペンスなんだけど、映画全体としてはメランコリックと言おうかロマンチックと言おうか、そんな印象よ。

これはもう作曲者のフランシス・レイのお手柄だろう。この映画に「品格」を与えた一番の功労者だと思う。もちろんヒロインの童顔の愛くるしさ、彼女の清潔感が際立つようにと、白づくめの衣装を通して着るように指示した監督のお手柄もあるけどね。ブロンソンが一番上品に見えた映画でもあるかも。

サントラ盤では、野外パーティーの場面でちょっと流れた「ワルツ」が流行ったけど、ラストシーンで、ブロンソンの戸惑う様子に思わずクスッと笑ってしまった後からゆったりと流れ出す流麗なエンディングテーマが好きでした。



ヒロインの母親役アニー・コーディに演技をつけるルネ・クレマン監督

この映画、日本ではかなり評判になってヒットしたんじゃないかな。頻繁にリバイバル上映してたし、プロンソンのその後の主演作で、これにあやかって「夜の訪問者」などと云う邦題をつけてる。妻役はノーベル平和賞授賞式の代読で有名なリヴ・ウルマンだったけど、凡作でした。演歌の新人が同名の曲で「私の素敵な夜の訪問者~」と歌っていたのにはマイッタ、マイッタ。






最後はイギリス映画だとずっと思っていたのに、実は伊と仏の合作だった「キャンディ」です。キャスティングがすごいね、当時の大物が目白押しよ。リチャード・バートン、リンゴ・スター、ウォルター・マッソー、ジェイムス・コバーン、マーロン・ブランド(出演順) 皆大物ぶりをかなぐり捨て、可愛い
ヒロインをモノにする為なりふり構わず、バートンなんて信じられないザマ !



そして当時は気がつかなかったけど、1940~50年代に拳聖と称されたボクサーのシュガー・レイ・ロビンソン、米国映画界の巨匠ジョン・ヒューストン、シャンソン歌手として名高いシャルル・アズナブールも出演していました。
おまけにバーでカメラと共にヒロインに迫るイカれた男は、監督ご自身よ。

ヒロインを狂言回しに、次々と舞台設定と俳優が替わるメリーゴーランド的な楽しさがあったね。もちろんチョイHも重要な要素だけど。主役を演じたエバ・オーリンは、適役すぎる位適役、1966年の第一回10代ミス・インターナショナルで優勝したのが映画界入りのきっかけみたいだが、その時の準ミスが日本のアサノ・スズコさん。彼女主役で「ミルキー」でも作ってればね(笑)

劇中音楽としては、当時のビートルズの影響なのか、サイケデリック調なものやインド的なものが多い気がするけど、印象が強烈なのは、ラストの名シーン「カーテンコール」でかかっていた曲かな。レコードは買ってないので曲名も分からない。でもあのフレーズは、あの名場面と共に忘れた事はない。

そして、宇宙から舞い降りた聖少女は再び宇宙の彼方へと旅立って行く・・・

 

エバ・オーリンとマーロン・ブランド ラストシーン撮影中のスナップ

 

こんなことやるの~・・・と原作本を読んでびっくりのエバ・オーリン

 

プレミアショー 右端バートンと夫人のエリザベス・テーラー、リンゴ・スター



日本の昨年の貿易収支が6兆9273億円の赤字だって。輸出・63兆7446億円-輸入・70兆6270億円。計算合わないね、水増しかな。原発事故があった年も輸出・62兆7234億円-輸入・64兆3323億円=1兆6089億円の赤字だった。2年連続か、何か電力会社が原因みたいに言われるよなぁ・・・

 

2012年3月決算で、電力9社の燃料調達費は2兆4000億円増えたらしい。単純には言えないが、2011年12月までで1兆8000億円増えてたとしたら、たしかに2011年の赤字は、電力会社が原因だ。今年は東電・関電・中電・九電だけでも、原発停止前に比べて3兆円近く増える見込みみたいだよ。

でも今回の数字を見ると2011年とは異なり、電力会社が全てではないね。そもそも10兆円超あった日本の貿易黒字がガクンと落ち込んだのは、リーマンショックとそれに伴なう超円高が原因だからね。不可避だったにせよ、もしそれがなかったら電力会社の燃料費増加分も吸収して余裕で黒字よ。

リーマン後もどうにか持ち直して、2010年は6兆円超の黒字だったんじゃないかな。それでも吸収できる。その後は民主党政権の無策で震災後に一層の円高が進み、ほとんど1ドル80円以下の状況だった。とてもじゃないが、輸出で稼ぐ限界を超えてるんじゃ? 企業の想定レート78円はギリギリだよ。

 

現金なもので、78円ぐらいの時にさかんに言われてた「実効為替レートではまだまだ円高とは言えない」というセリフは、現在ほとんど聞こえてこない。記事の下に載っている広告も「1ドル60円と日本株暴落の予兆」から「1ドル100円と日本株復活へ」だ。ただ電力会社の一層の負担増は間違いない。

日本の火力発電は、天然ガス54%・石炭27%・石油19%の割合ね。原発はほとんど停止状態だから、火力が全体に占める割合は9割を超えるかな? ブラジルなんか水力発電が8割以上だけど、うらやましがっても仕方ない。

今後の発電所新設計画は、2020年までに天然ガス30基・1590万KW、石炭3基・220万KWで石油はゼロらしいよ。老朽設備の更新もあるだろうから、近い将来石油での発電はなくなり、天然ガスの割合がもっと増えるわけね。悪名高い資源エネルギー庁も、実は米国に倣って天然ガスにシフトかな ?
 

現状では一日の内で電力需要がピークとなる時間帯の供給上乗せ分は、石油に頼っている。環境の観点からも、これをガスに替えていく予定だな。環境負荷度は、石炭を10とすると二酸化炭素の場合で石油8でガス6、窒素酸化物で石油7のガス4、硫黄酸化物に至っては石油7でガス0だから。

その天然ガスの価格が、高止まりの原油に連動じゃたまったもんじゃない。個人的には、米国の金融緩和によるプレミア分が今の原油価格の半分近くを占めてるとは思うけど。原発再稼働を大前提にして、天然ガスの調達費抑制策をないがしろにしてきた電力会社、国の責任は非常に大きいだろう。



次いで石炭、これは製鉄用の原料炭と同じくオーストラリアからの輸入が全体の6割を占める。価格は低値安定。日本の石炭火力の熱効率は42%と世界一よ。米国で37%、中国に至っては32%と原発並みのひどさだ。これを日本の水準にすると二酸化炭素排出を年間13億トン削減できるらしい。

原発輸出なんてのより、こっちの海外展開の方がずっといい商売になると思うけどな。日本はクリーンコール技術も優秀らしいけど、まだ研究開発途上みたい。排出されるCO2を回収・圧縮して地下深くに貯留する技術のことだけど、これを低コストで実用化できれば、安い石炭をフルに利用できる。
 
石炭は原油の1/3の価格で、同じ熱量を生みだすんだからね。現在実証実験中の石炭ガス化発電で、将来的には熱効率50%を目指すらしい。東電が2020年稼働予定の火力発電所の燃料を石炭にしそうだと、ガレキばらまき環境省がクレームをつけてるが、余計な横やりはやめてもらいたいもんだ。

火力は原発と違って大都市圏から遠方に作る必要はないから、長距離送電網がいらない。電気を需要地へ送る間に失われる電力ってバカにならないらしい。よく総発電量の5%と言うが、このロスは原発がほとんどかも。 熱効率はガスで50%、原発で30%だけど、実際はもっと差があるんじゃない?



現在の天然ガス輸入は、東南アジア31%・中東27%・オーストラリア18%・ロシア9%が主だった所。ロシアが伸びてきたのは、樺太のサハリン2が2009年に供給開始したからだろう。プーチンが環境問題でクレームをつけ、ロイヤルダッチシェル・三菱商事・三井物産から権益を半分買い取ったけ。

上の表で見ると、少ないとは言え米国からも天然ガスを輸入している(2011年はゼロ) 去年米国からのシェールガスの輸入が議論になった時に真っ先に国から出た言葉「米国とFTA・自由貿易協定を結んでなければ無理」との主張と矛盾するよな。最近のシェールガス輸入に関するニュースではFTAの障壁なんて言わないし、ただ原発再稼働に絡めてただけかもしれない。



電力9社の天然ガス消費量は、2011年で5300万トン。震災前でも4400万トンだから約900万トンの増加だ。ガスをそのまま売る都市ガス会社全体で2300万トンだから、その量の多さには本当ビックリ。先日、米国で行き場のない天然ガスを無駄に燃やしてる映像があったが、何ともうらやましいなぁ。

燃料費の負担増は東電で9800億円、関電と中電で各5700億円を今期見込んでる。ほとんどが天然ガスかな。現在はこれより増えているかも。期末での赤字予想は東電1200億円(実質的には3800億円) 関電2650億円、中電600億円。単純に天然ガスの価格が半分になったら、楽に吸収できない ?

米国のシェールガスだけに頼らなくとも、その影響で天然ガス価格の原油連動型は世界的に崩れていく。欧州ではそれが出始めて、パイプラインで供給しているロシアが焦っている。日本の電力会社の長期契約も期限が来る。現在18ドル近い高値が、液化・輸送の手間を入れても9ドル位になるかもしれない。去年韓国が米国と結んだ契約からしても、不可能ではない。

 

極東の天然ガスパイプライン計画に於いて、以前は日本より中国への供給計画を優先と言っていたロシアが、最近は例の北方領土に絡めて日本に色目を使い始めている。サハリン3が遅れてる様だし、これもチャンスだろね。ロシアが薄利多売の方向に向けば、地理的に近い日本にはメリット大よ。

何度も書くけど政府と電力会社の大罪は、事故後即座に原発に見切りをつけ、そっちの方向に全力で舵を切らなかったことだ。アゴ仕分け枝野のように、事故前でも世界最高水準だった電気料金に対して「今までが安すぎた」などとほざく大臣、原発再稼働しか頭にない官庁と電力のトップ、目先の銭しか頭にない自治体首長、代替自然エネルギーで夢を語る反原発派・・・



各々対処法は違うだろうが、福島を見て即決したドイツ・イタリア・スイス、これらの国に比べて本当に日本は情けない。国防に絡めての話など問題外。米国が許すわけがない。せいぜい「共同管理」の名目で米国が実質支配、沖縄に配備を検討程度。そうなれば抑止力どころか紛争点火装置だわい。

電気料金の値上げ申請に対して最初から値上げ自体を認め、その幅を如何に圧縮するかでガス抜きを図ろうとするデキレースにはクサクサだ。「大規模停電」に続いての「際限なき値上げ」という脅しだ。しかし「それじゃ通用しない」という焦りは最近のニュースでよく分かる。騙されないのが肝要ね。

 




長いスパンで見れば到底円高が修正されたとは言えないけれど、この所のハイペースの円の下落を心配する声が出てきている。その一番の原因は、やはり電力会社の燃料費の負担増大だろう。電力会社は原発事故の前でも、天然ガスの輸入をめぐってガス会社と張り合っていたぐらいだからね。

 

最近韓国は自国通貨ウォン高の影響で輸出産業が苦戦してると報じられている。韓国は度々為替介入に入っているが、ウォン高の時ばかりではなく、意外にもウォン安の時にも入っている。輸出製品を製造するための輸入部品が多すぎて、ウォンが安すぎても困るらしい。一応、日本との違いかな。

 

ところが日本も先の件が原因で、「行きすぎた円安」が危惧され始めてる。内需産業と言われているコンビニやスーパーだって海外売上の割合が増え、そちらに関して言えば円安はむしろプラスの状況になってるのにね。

日本が輸出中心の経済に舵を切ってからは、海外から商品を輸入する企業にとっては不利な円安も、輸出企業の好景気が国内経済に波及し、内需企業もその恩恵に預かれるという理屈だった。特に電力・ガス会社は仕入れ価格の負担増よりも、国内企業の電力等の消費量増加で売上に貢献するメリットの方が大と言われた。燃料費調整と云う便利な仕組みもあるし。

 

電力会社の天然ガスの輸入は「安定供給の確保」のために、20年~30年の長期契約で価格は原油連動型らしい。原油の場合もそうなのは当り前。東電などアルジェリアより危険なナイジェリアまで出張って、国際標準価格にかなりのプレミアをつけて買わされたらしいよ。武装勢力に度々襲われてプラントやパイプラインを破壊され、いっとき原油高騰に貢献してた国ね。



その危険な分のプレミアなのかどうかは知らないけど、現地の石油メジャーの担当者は笑いが止まらなかったらしい。足元見ても、言い値で買ってくれるから。原発事故に対して心から感謝してたんじゃないかな。カモネだ。

 

しかし結局、火力発電のメインである天然ガスの調達価格をいかに抑えるかが一番の問題だ。自然エネルギー等はその次の問題だし、代替は無理だよ。あくまで補完的位置づけだ。その拡張を新たな雇用創出などの経済効果に絡めて論じると、実現の困難性から却って原発派から逆襲される。

最終的には電気も「プロパン化」した方が良いのでは? と思う。燃料電池の開発普及やマイクロガスタービンによって各家庭で自家発電する感じ。給水ポンプのように2台設置しての自動交互運転ならば、故障トラブルも減るし送電線も要らない。伊藤忠などファミリーマートに燃料電池設備を置くとか以前言ってたんだけどな。中央集権方式よりも災害に強いのは当然だろう。

何よりもあの頭に来る電力会社がいらなくなるのが一番のメリットじゃんね。
電力会社は、事故後しばらくは「原発を稼動させないと利益が出なくなり株主訴訟が頻発する」と主張した。まるでオリックスなみの外国人株主比率の会社みたいな言い分で、呆れたもんだ。起きた訴訟はそれとは逆だったろ !

 

その後は例の「電気予報」だ。原発を稼動させないと必要電力を確保できずに「突然停電」の危険があると主張した。事実ではなかった。リストラを迫られると「給与を削減すれば優秀な人材がいなくなる」と言った。まるで高額給与を批判されたリーマンショック後の欧米金融機関みたいな言い草だ。

たしかにあちらさんは、いまだに尾を引く金融危機を引き起こした張本人達だ。どこが優秀かと言いたいが、先般最後まで残ってたAIGも、公的資金の返済に一応の目処はつけている。ゴールドマンなど国から給与を制限されるのはイヤとばかりに、注入から1年も経たずに稼いだ分でとっとと返済よ。



それに比べて日本の電力会社はどうだい。東電は原発事故の賠償金も、役立たずの除染費用も筆頭株主の国頼み=税金だ。返済など出来るわけがない。福島の廃炉費用も国の援助だ。廃炉自体無理なのに。他の電力会社も含めて、燃料費が負担になったら当然のように電気料金に上乗せ。パナソニックやソニーが同じような大赤字を出してテレビを値上げしたかよ !




原発のない沖縄電力と同じ条件になったのに、なぜ沖縄電力は赤字ではない? 燃料費負担の条件は同じだろうに。要は稼動していなくても原発には莫大な維持管理費がかかるからだろ? 廃炉にするとしたらそれ以上の天文学的数字でニッチもサッチもいかないわけだ。だったら動かしたいな♪か。

東電はたしかに技術系の人材の流出がかなりあるらしいね。行き先は日立や東芝の発電プラント部門なんかが主なのかな? 先日、鍵を握る天然ガスの価格抑制につながるかもしれないと云う内容の記事があった。遅きに失した感は歪めないが、何もしないよりはいい。取りあえずカモン、ネギネギ。

 






前回の続きです。第2次世界大戦末期、イタリア共産党系パルチザンとしてムッソリーニが元首のイタリア社会共和国、その支配者・ナチス・ドイツと戦ってきたブーベ。恋人の名はマーラ。米軍を中心とした連合国軍の北進と国内パルチザンの活躍で、「ソドム」が倒れるのも時間の問題となってくる。

 

1945年4月25日、イタリア社会共和国はついに崩壊。ムッソリーニはパルチザンによって捕らえられ、情婦と共に射殺された。遺体は民衆によって引きずり回された後、逆さ吊りで広場に晒される。今じゃ考えられないが、その写真を教科書で見た覚えがある。そこまで憎まれてたのか・・と思ったなぁ。



ムッソリーニが処刑された2日後の4月30日にはソ連の進攻によって追い詰められたヒットラーが自殺し、ヨーロッパでの大戦は終わりを告げる。ブーベにとってもムッソリーニ政権の打倒を果たし、実質支配者だったナチス・ドイツも崩壊した事でこの世の春のはずだが、思いもかけない事が・・

 
細部をほとんど覚えていないので分からない点が多々あるけど、ファシスト傀儡政権が倒れた直後なのに、そのファシストの憲兵下士官(警察分署長)と息子の殺害事件で追われる身となる。ファシスト贔屓の牧師と民衆のイザコザに巻き込まれてしまったがために。連合国は治安維持のために残党もある程度職務に就かせていたのかな。終戦後なら「戦功」ではなく殺人だ。 

そして党の手引きでユーゴスラビアへ逃亡する。当時のユーゴスラビアは建国の父と称されたチトー元帥が率いており、戦時中はイタリア国境付近でユーゴパルチザンがドイツ軍と戦っていたので、伊共産党とは協力関係にあったわけだね。原作本でのフランスよりも、状況的にしっくり来たのかも。



ユーゴは他の東欧諸国と異なり、ソ連赤軍の手を借りずに独立を勝ち得たため、後年ソ連が余り口出しできない独自の共産国家を築いていった国。チトーはそのカリスマ性で、言語・宗教の区々な六つの邦をまとめていた。

1980年に亡くなった時には、統合の象徴を失った後のユーゴスラビアの内戦勃発を世界中が心配した。国葬でのソ連のブレジネフ書記長と大平首相の握手は、日本で話題になったよ。内戦が現実となったのは東西冷戦終結後だった。悲惨な戦争の結果、現在は六邦各々が独立国家となっている。

 

結局ブーベは、日本赤軍の誰かとは違って強制送還されて逮捕、裁判に。
伊共産党も日本共産党と同じく、戦後しばらくしてからは連合国と軋轢が生じてうまく行ってなかったのかな。新政府に参加してるんだけどね。米ソ対立表面化で、政治的に元パルチザンへの風当たりは強くなっていただろう。

そういう空気の元、党の方針をめぐりタカ派とハト派の路線対立が先鋭化、ブーベがタカ派封じ込めのためのスケープゴードにされた・・・とかね。判事が着席し、果たして判決は? という所で場面は切り替わり、マーラが汽車に乗って車窓の風景を眺めていたオープニング、そのシーンの続きとなる。

 

ホームでブーベの逃亡中につきあっていた男と偶然再会、ブーベは7年前に懲役14年の刑が確定して服役中で、面会からの帰途である事を告げる。その時だったかな、今でも覚えている台詞がある。吹替えだけど。「彼が出てくる時私は34才、まだ子供は産めるでしょ・・」 ちょっと寂しげに微笑む。この時の憂いを秘めた表情がもう最高だった。そしてエンディングへ・・・

 

フランスのBBブリジット・バルドーと比較されてCCと言われた本作のヒロイン・クラウディア・カルディナーレ、本当に魅力的でした。彼女の出演作品であと見たのは、BB・CC夢の競演の西部劇コメディー「華麗なる対決」だけ。ビスコンティの「山猫」が代表作らしいけど、文芸大作ってどうも苦手だな。 



「ブーベの恋人」のモデルとなったカップルは1951年に獄中結婚式を挙げ、1961年に夫は釈放。二人の息子をもうけ、1980年に57才で夫が死去・・・
同年の伊共産党創立60周年記念の地元集会に参加後間もない事らしい。
生前の本人の証言によると、殺人の件は完全に濡れ衣だったとの事です。

「ソドムの市」にもモデルがいたなら、当然ムッソリーニの末路と同じだな。パゾリーニ自身もその撮影後に無惨な死を遂げた。チマタ跋扈する様々な陰謀説は余り信じないタチだけど、この事件は多分「ヤラセ」だと思うよ。
尚、特権階級を演じた4人の男の内、プロの俳優は1人だけだったらしい。


 


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イタリア映画「ブーベの恋人」です。これはリアルタイムでは見てないです。リバイバルでもない。日曜昼下がりのテレビの映画劇場で偶然見ただけ。劇場公開から8年ぐらい後かな、当然音声は吹替え、所々カットしてあっただろうね。当時きらいだったモノクロだけど、何だかすごく印象に残ってる。

折りにふれて流れるトランペットの寂しげな音色、素朴なリズムに乗って奏でられるその地方の民謡のようなテーマ曲、そしてヒロインの勝気な表情と魅力的な大きな瞳、相方の男前ぶり・・・見ている内に引き込まれていった。ただ肝心のストーリーはウロ覚え以下なので、ネットで粗筋をおさらいした。



舞台は1944年の大戦末期の北イタリア。ナチスドイツの傀儡政権としてムッソリーニを元首としたイタリア社会共和国が北イタリアに建国され、治安担当の憲兵とそれに抵抗するブーベ属する反ファシズムのパルチザンが内戦を繰り広げていた時代。南伊の連合国軍との共闘や支援もあっただろう。 

映画の冒頭では、ヒロインの住む村の人々が北進してきた連合国軍の兵士を歓迎する場面が描かれているので、この村はファシストから「解放」された直後という設定かな。実際にこの共和国が敗戦によって消滅するのは1945年の4月だから、まだ各地で戦闘が繰り広げられている状況だろう。



解放から2ヶ月後、共産系パルチザンとして共に闘ってきたヒロイン・マーラの兄の戦死を告げに、ブーベが村を訪れる。ブーベ21才でマーラは18才、二人は互いに惹かれ合い、愛しあうようになる。うたた寝しているブーベの寝顔を椅子から覗き込むマーラ、興味津々の表情と笑顔
が微笑ましい。

ブーベ役のジョージ・チャキリスは、リバイバル上映された「ウエストサイド物語」で知っていた。本当いい男だな。マーラ役のクラウディア・カルディナーレは、映画雑誌で見た事がある位。もっとグラマーなイメージがあったので、この映画を見て意外に感じた。同時に演技がうまいな~とも思ったね。



 

敵たる共和国は、サロという都市に首都を置いていた。サロ・・・イタリアの鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニの「ソドムの市」の原題が「サロ・またはソドムの120日」。同じく1944年の北イタリア、敗色濃厚な中で共和国の特権階級4人の男がヤケになり、自らの歪んだ欲望を具現化する狂宴の物語だ。

ナチス傀儡とは言え大統領、最高判事、そして大司教と公爵。地位と名誉に浴してるこれらの人種の傲慢さ、滅びが近いと悟った時の狂気の行状・・



オープニングのテーマ曲は古き良きムードが漂って、いいんだけどねぇ・・・内容の紹介はやめた方がいい映画だな、いくら名匠の作品と言えどもね。
「ブーベの恋人」が民衆側からの当時の北イタリアの状況を描いているとすれば、「ソドムの市」は逆にファシスト権力者側からのそれを、とも言える。

 

反ファシズム、反体制思想に貫かれたパゾリーニは、この作品の中で権力者に次のような台詞を吐かせている。「分かったかね、人の不幸を見れば、その屈辱に苦しむ哀れな連中と自分とを比べ、自分が大衆でないことに快感を感じるのだよ」 哀れ捕われの身となった少年少女を見下ろしながら。

これこそ、パゾリーニがこの映画で一番言いたかった事かもしれない。権力あるいは人間と云うものの本質を突いている言葉であり、如何なる権力も腐敗・衰退する理由でもある。政治体制が右であろうが左だろうが関係ない。人間の業禍とも言えるだろう。ブーベはこの腐れきった奴らを打倒するために、イタリア共産党に入ってパルチザンとしてゲリラ戦を仕掛けてたのね。

 

まぁ何と言うか、この二つの映画を見比べれば、いやでもブーベを応援したくなるよ、絶対に。多少のスケベ心で「ソドムの市」を見ても、最後には腹が立つから。「同時上映」の可能性は限りなくゼロに近いけどさ。当時の北イタリアでも、民衆の支持は圧倒的なものがあったんじゃないかなぁと思うね。

有事に必要共産党・平時はお邪魔虫の共産党・・次回パート2に続きます。

 

 

1976年、ソ連赤軍のベレンコ中尉が当時の最新鋭戦闘機ミグ25で北海道の函館に強行着陸して亡命を求め、大騒ぎになったことがある。時は東西対立の冷戦時代、ソ連は大反発したが、当然機体を詳しく調査分析する。

日本だけでやるのかと思ってたら、当たり前のように米国が前面に出てきて主導して行なった。ソ連の日本政府に対する批判はすごかったが、日本国内でも世論の反発が強かった。今じゃ考えられないな・・・だからこそ怖い。

ミグから降りたベレンコさんは、ピストルを構えていたそうだ。米国へ亡命した後に日本の雑誌のインタビューに応じ、極度に緊張して・・と謝っていた。



2003年、イラクで外務省の職員2人が殺害された時の日本での葬儀は、まるで英霊葬だったな。同時死亡のイラク人運転手へは、哀悼の意もなかったっけ? その1年後に同じイラクで、日本人青年が処刑される様子がネットで公開された。あっけないほどのアッという間の首切り。まるで戦国時代。



世間では「警告を無視しての自己責任だ」との批判が、被害者に集中した。母親は「世間様」に対して、只々謝るしかなかった。その前に起きた日本人男女3人のイラク人質事件をきっかけに「自己責任」を流行させたのは、決して責任を取ることはない外務省と後年自ら責任放棄した現首相だった。





そのイラクで、オーストラリア軍に守られながら土木工事にいそしんだ自衛隊の「ヒゲの隊長さん」は今や議員先生。かつての最高指揮官たる首相を国会質問でやり込めたのは、さぞ気持ちよかっただろうな。ずっと税金で飯食えていいな~。そう言えば、昔のプロレスでも海外帰りは出世したっけ。

 

湾岸戦争の直前に「ゲスト=人間の盾」としてイラクに留め置かれていた在留邦人を、アントニオ猪木が救い出した。イスラム教に改宗してまでね。モハメッド・フセインだったかな。怖れを知らぬプロレス雑誌が現地で密着取材、一般紙がその勇気を讃えていたっけな、テメーらは何をしてたんだよ !

と書いていたら、猪木のイスラム入信の件は最近報道されてたんだね。当時のプロレスファンなら、皆とっくの昔に知っていたことよ。教会でのその儀式の他に、イラク五輪委員長だったフセイン次男との写真なんかもあった。



ブッシュの愛犬とヤユされた英国元首相、イラク戦争に関する独立調査委員会の公聴会で証人喚問された時、言い訳けに必死だったな。「湾岸戦争で勝ったダディが落選したのに、フセインがまだ大統領なのは気に食わない。やっつけるから協力して、お願い ! 」とブッシュから言われたからだろ。

 

 上のように愛しあう人間もいれば、その逆もいる。体罰問題がイモヅル式。柔道女子日本代表のパワハラまで表面化とはね。昔、女子バレー日本代表監督の選手へのセクハラが話題になった。女子にとっては辛いだろうな。

 

体罰と言えば、昔上級生からひどくやられたな。それが当たり前の世界。
下級生ができて言われたことは、平手でやると耳にかかる恐れがあるので拳にすること、メガネは外させること、気分でやらないこと等。言ってる当人は、かなり気分でやってた気がしたけどね。まぁ建前と本音は違うわな・・・

 

何度も書いてるけど、日本の真の危機は是正されつつはあるが超円高、原発問題、そして官僚支配だ。決して中国ではない。(風向きからして中国の原発は非常に脅威) 日本の一部が望んでいる相手からの先制攻撃はまずない。「偶発的事象」が起こった時のための首脳直通電話は必要だけど。

日中の摩擦は米国を喜ばすだけだ。手を組まれたら厄介だからね。内害を排しての日本の経済力向上こそが、国防でも最大の武器になると思うよ。