思い出の映画音楽 6 | アンクル館

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世の中の様々な出来事に対する所感・雑感を書いていきます

こんばんわ、往生際の悪いアンクルです。書き溜めていた記事があとひとつあったので載せときます。政治・経済の分野で〆るつもりもなかったし、丁度いいや。副題は「すべてのスケベな野郎ども」。70年代のロックパンド・モット・ザ・フープルの「すへての若き野郎ども」をモジってみました。明日からしばらくの間、ネットのない世界で過ごすこととなります。さようなら。

 

これは珍しやルクセンブルグ映画「
モア」です。タックスヘイブンの国として有名だっけ? 公開当時はかなり話題になった。週刊プレイボーイは、ヒロインのミムジー・ファーマーが登場するシーンの半分以上が裸だとか野郎共を煽るしね(真っ赤なウソ) さすがにドラッグ文化を推奨はしなかったけど。

地中海の景色がそれは素晴らしく、それに被さるピンク・フロイドの音楽は
幻想的なものもあれば、牧歌的なもの、ハードなものまでバラエティー豊かだよ。個人的には、ホテルの場面で流れる「シンバライン」が好きだったね。エンディングは唐突だったし、オープニングの曲がメインテーマなのかな。

ただ、美しい自然とそこにいる人間を叙情たっぷりに描いた感動作ではない。どちらかと言うとその反対。今でも覚えているのは、ある評論家が「この映画は月日と共に人々の記憶から忘れ去られ、ピンク・フロイドの音楽だけが、かつてのその存在を証明する手掛かりになるだろう」と書いていたこと。

すでに日本でも人気のロックバンドだったからね。1971年の初来日で、箱根の霧の中で「エコー」を演奏したと話題になったのは、この映画の公開後だったかな、覚えていない。でも「モア」はずっと記憶に残る映画だったよ。



 
続いてはイギリス・フランス合作映画「
あの胸にもういちど」です。素晴らしい邦題ですね。これをもじって「あの腕にもういちど」と腕時計のCMでやってました。学術書を取り扱っているフランスの本屋の娘が、訪れたドイツの大学教授に目をつけられる。以前からのつきあいの小学校教師と結婚してからも、教授から贈られたオートバイで国境を越えて逢いに行く物語よ。

その間、道中出会ったり見かけたりする人間を蔑みながら、いろいろな回想や空想が彼女の頭の中を駆け巡る。もちろん彼との逢瀬も。そして徐々に期待は高まっていく。彼の家までもう少し、またあの歓喜を味わえる、嬉しさと期待で周りはもう見えない、で事故。免停の講習用に最適かもしれない。

文章にすると味気ないけど、映画としてはかなり見応えがあったと思う。音楽も良かったよ。オープニングの勇ましい
テーマ曲、ラスト、ヒロインが期待に胸を弾ませながらオートバイを走らせるシーンで、哀愁を感じさせながらもドラマチックに盛り上げる曲とか。監督はイメージと違ってハゲだった。

ヒロインを演じたマリアンヌ・フェイスフルは歌手でもあり、ミック・ジャガーともつきあっていたんだね。ビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の収録の模様を収めたビデオで彼女を見たっけ。撮影当時、相手役のアラン・ドロンの魅力に彼女が虜になったとか言われてたけど、宣伝用だったのかもね。


 

最後はフランス映画「O嬢の物語」です。こういうポスターや看板が堂々と街中に掲げられていた時代ね。女性の鑑賞にも堪えうるHな映画というフレコミで、話題のエマニエル夫人に続いての登場。ヒロインはこっちの方がずっと可愛かった。端的に言うと、男の要求に対して何でもOKする嬢の話です。


原作では相手から捨てられるより自ら死ぬことを選び、相手もそれに同意したという救いようのない結末だけど、映画ではラスト相手の男に対してのちょっとしたしっぺ返しで終わるのがせめてもの救いかな。最近の映画のメイキング番組なんかで撮影中の苦労話を語っている女優を見ると、この役できんのかよ~と思ってしまう。映像は少し霞がかった感じで美しいけどね。

その映像に合わせて、音楽も幻想的で優雅な調べだ。オープニングでかかる
メインテーマは印象が強い。空を舞うような美しいスキャットと地を這うベースラインとの絶妙なコントラストといった感じかな。自分的にはベースの音が大好きよ。映像美は「うまくかわして」編集してあるここで確認できる。


数年後、主演のコリンヌ・クレリーが「007ムーンレイカー」の宣伝で来日してテレビに出た時は、気の強さと共に目の下のしわもやたら目立っていた。まもなく「セクシーな役はこれで最後」と宣言して一線から退いてしまった。

ミムジー・ファーマー、マリアンヌ・フェイスフル、コリンヌ・クレリー・・・彼女らがたぶん一番輝いていたであろう時代、それをリアルタイムで見ることができたのは、やっぱりラッキーだったんだろなぁ・・・と思います。感謝 !