来年はアポロ月面着陸から50年ですね。



 今月は月に関するお話です。 








                     「月がゆれる 」




                       
                『藤城実年会だより』
            平成30年11月号より転載









夏目漱石はI LOVE YOUを「我君を愛す」
と訳したお弟子さんに対し、
「月が綺麗ですね、とでも訳しとけ。
日本人にはそれで通じる」と言った…。




こんな話を聞いたことはありませんか?





この話の真偽は不明らしく、
どうも夏目漱石は
言ってはいないようですが、
「我君を愛す」といった
直接表現(見つめ合う)は西洋風で、
「月が綺麗ですね」という
間接表現(同じ方向を見る)は
なんとなく日本的な表現なので、
夏目漱石ならば言ったかもしれない…
そんな想像をする人がいても
おかしくはないですよね?






とにかく日本人にとって月は
身近な他者投影であった事は
間違いないと思います。





太陽と違い、満ち欠けのある月に、
ある人は自分の人生を…。


また、ある人は他人の人生を…。


また、ある人は人生の波を…。




月の満ち欠けに重ねて
考えた事ってありませんか?


   


太陽と違った変化流転する姿を
見せてくれる月の魅力って素敵ですよね?





室町幕府を引き継いだものの、
京の町を
11年に渡る応仁の乱で焼き尽くし、
幕府を衰退させ、
更に将軍を投げ出した、などとまで
いう人もいる  室町三代将軍足利義政は
「くやしくぞ 過ぎし浮世を 今日ぞ思ふ 
    心くまなき 月をながめて」

更に

「板間もる 月こそ夜の主なれ 
       荒れにしままの露のふるさと」と歌を
詠んでいます。







もしかしたら、足利義満は
浮世に棲み、
水に映る月を見ながら
現世(うつしよ)に生まれ出た意味を
考えていたのかもしれません…。




月は欠けても、
また満月になるように、
荒れた京の都の
復興を願ったのかもしれません…。





義政だけではありません。





豊臣秀吉も伏見城(指月城)を建てて、
そこから眺める月を
「さらしなや をしまの月もよそならん 
ただふしみ江の秋の夕暮れ」
と歌っています。







「をしま」とは
宮城県松島湾の雄島の事だと思います。





秀吉が晩年の5年を
伏見で過ごしていますが、
昭和の大干拓で、
今はもう無い巨椋池に映る月を
「松島の雄島と同じくらい伏見江  
巨椋池に映る月を見ながらの
秋の夕暮れは素晴らしい」と言いたかった
のでしょう。

拡大していただくと琵琶湖とも
繋がっていた巨椋池の大きさが
わかるかと思います。






   
伏見区にある観月橋の由来も
秀吉が現在の桃山丘陵(指月山)で
催したとされる月見の宴が
名の由来だそうです。






その当時の巨椋池の水面に映った
揺れる月って
見てみたいものですよね?





現在の伏見区周辺です。


           🌖指月とは四月の意味もあり🌒
         天の月、宇治川の月、巨椋池の月、
    そして盃の月の4つの月を愛でることが
              できるという意味もあるとか…



              秀吉がいた当時の巨椋池は
            水域面積8平方キロメートル!
                    現在日本最大の池、
         🌓湖山池は6.99平方キロメートル🌝

             昭和初期の中書島 三栖神社付近
              




ところでこの文章を読んで下さっている
貴方は、
月が二重にダブって見える事は
ありませんか?






これを複視と言います。






「月が二重にダブって見える」と言っても
程度も原因も色々です。





月が二重にダブって見える場合は、
片目をつぶって月を見てみて下さい。






片目ずつ見ても、
2つや3つに見えているなら、
屈折異常をメガネやコンタクトレンズで
矯正すると改善するかもしれません。





それでも改善しない場合は、
放置してはいけない病気の
可能性もありますから、
眼科受診をおすすめします。






本来の月の姿が見えるか見えないかで、
目の状態を知ることのできる
簡単なテストです。






他にも
モノがかすんで見える・
一時的に近くが良く見えるようになる・
暗いところでモノが見づらいなどの
自覚があれば
白内障の症状かもしれません。






また、両方の目で見ると普通に見えるが、
片目で見たら
視野が部分的にぼやけて見える・
目を開けにくい・
目が疲れるなどの自覚があれば、
それは
緑内障の症状かもしれません。






そして、
視野の中心がゆがむ、ぼやけて見える、
視野の中心が暗く見える、
遠近感が取りにくいため
「お茶をこぼしてしまう」
「調理中に手元が見えない」
「買い物の時値札の数字が見えない」と
いった自覚があれば
加齢性黄斑変性の症状と一致しています。







この病気は中途失明の原因の第4位です。






目の不調を感じていても、
生活に支障がないからと
受診しないままですと、
その間に病気が進行するかもしれません。





定期的に眼科を受診し、
検査を受けたほうが良いってこと、
伝わったなら嬉しいです。





僕のような仕事をしていると、
「夜眠れなくて…夜に目が覚めると、
えぇ事は考えんと、
悪い事ばかり考えてしまって…
だんだん不安になって…」






こういう言葉はよく聞きます。





そんな時はそんな思いを否定せず、
思い浮かんだ事柄を自分の息に乗せて、
月に向かって吹きかけてみるイメージで
細く長く息を吐いてみて下さい。




あくまでもイメージです!





思いっきり息を吐いたところで、
息は月には届きません!







血圧が上がるだけです(笑)





別に寝床から月が見えなくても
構いません。





禅の言葉に「月落ちて天離れず」って
言葉があるのですが、
月は見えない時でも
常に空高く有ります。




その月に向かって、
自分の本心を吐く息に乗せて、
吹きかけるようなイメージで
何度か意図して呼吸してみて下さい。




月と貴方は常に繋がっています。




月は、貴方がどんな状態でも
見守ってくれています。




月は貴方を包んでくれています。



見えても見えなくても、
貴方と月は繋がっています…。






えっ?この方法で、夜中にが覚めても、
どうにかやり過ごせるようになったが、
なんとなく体がダルい?





そりゃあそうですよね…。




本当の意味で熟眠できているわけでは
ないでしょうから。




なんなら腕のいいマッサージ師さん、
ご紹介しましょうか?(笑) 











ご精読ありがとうございます。
感謝致します。






 長渕剛 『月がゆれる』太陽の船・coupling曲