世俗を生きる出家者たち | テーラワーダ仏教とヴィパッサナー瞑想実践

テーラワーダ仏教とヴィパッサナー瞑想実践

テーラワーダ仏教の教えを学び、ヴィパッサナー瞑想実践やアビダンマについてのブログです。

新刊紹介です。
ミャンマー滞在中にお会いしたことがある蔵本龍介先生から本を頂きました。

面白くて一気に読んでしまいました。

「仏教先進国ミャンマーのマインドフルネス」を読んでもっとミャンマー仏教について知りたい方にこの本はお勧めです。

論文を元に作られた本ですが読み物としても十分楽しめます。

引用やインタビューの意見にはときどき「?」もありますが興味深い内容です。



第五章に出てくるX僧院は私がITBMUに入学する前に勧められたお寺で一度見学に行きました。

その頃はまだ建築中の建物が多く、これほど大きな僧院になるとは想像できませんでした。

戒律厳守するために在家管理委員会に決定権を委譲して、

後でトラブルになった話をこの本で知って非常に残念です。

長期的にみたら上手く行くのを願っています。

私がそこに決めなかった理由は鉢を洗った後の米が食堂の前に散らかっていたのが嫌な感じがしただけですが、行ったら違った人生になっていたかもしれませんね(笑)

Amazonではまだ扱われていないようです。

honto.jpのリンクを貼っています。

世俗を生きる出家者たち
上座仏教徒社会ミャンマーにおける出家生活の民族誌
藏本龍介著
  A5判 323頁 2014.11 978-4-8318-7443-6 法蔵館 税込5400円
 
 
 上座仏教の出家者は、世俗からの離脱をめざす教義と現実の相克をいかに克服しようとしているのか。現代ミャンマーをフィールドに、出家者の経済生活を支える財に注目して検討。
 
目次:
序論

第一章 問題設定
はじめに
第一節 出家生活のジレンマ
 1 ウェーバーの遺産
 2 出家者の経済倫理
第二節 出家者研究の系譜
 1 共生モデル
 2 振り子モデル
 3 近代化の中の出家者
 4 出家生活の地域的多様性
第三節 本書の概要
 1 本書の目的・方法・構成
 2 調査および調査地の概要

第一部 経済的現実への対処

第二章 ミャンマー・サンガの歴史と構造
はじめに
第一節 ミャンマー・サンガの歴史
 1 ミャンマー史の概要
 2 王朝期:国家サンガ組織の成立
 3 植民地期:国家サンガ組織の瓦解
 4 独立後:国家サンガ組織の復活
第二節 ミャンマー・サンガの構造
 1 出家者の種類
 2 出家者のライフコース
 3 移動がもたらすつながりと同質性
まとめ

第三章 都市を生きる出家者たち
はじめに
第一節 ミャンマーにおけるサンガの「民営化」プロセス
第二節 ヤンゴンの僧院概要
 1 ヤンゴンの歴史
 2 僧院の集積
 3 僧院分布の偏り
第三節 「市場価値」の高い出家者たち
 1 世俗的サービスを提供する出家者たち
 2 「出家者らしい出家者」たち
第四節 都市僧院の経済基盤
 1 都市僧院の布施調達活動
 2 セーフティーネットとしての在家仏教徒組織
まとめ

第四章 僧院組織の実態と問題
はじめに
第一節 僧院組織の構造
 1 僧院内の出家者
 2 僧院内の在家者
 3 浄人システムの限界
第二節 出家者の所有権に関する律の規定
 1 仏教学の整理
 2 ミャンマーの律解説書の整理
 3 両者の比較
第三節 僧院不動産の相続
 1 僧院不動産の相続方法
 2 僧院不動産の相続問題
まとめ

第二部 教義的理想の追求

第五章 挑戦の始まり
はじめに
第一節 「森の僧院」との出会い
第二節 X僧院の系譜
 1 在家仏教徒組織の仏教改革運動
 2 シュエンジン派の仏教改革運動
第三節 X僧院の設立と波及
 1 X僧院の設立
 2 Y僧院への波及
まとめ

第六章 「出家」の挑戦
はじめに
第一節 「出家」というアポリア
 1 『贈与論』からみた「出家」
 2 「出家」を可能にする宗教的世界観
 3 「森の僧」の限界
第二節 「出家」の作法
 1 「出家」の目的
 2 「出家」の方法
第三節 「出家」の行方
 1 「森の僧院」の富裕化
 2 支持基盤としての都市社会
 3 土着化の可能性
まとめ

第七章 僧院組織改革の行方
はじめに
第一節 X僧院組織の特徴
 1 僧院管理委員会の存在
 2 X僧院の僧院規則
 3 X僧院の組織図
第二節 管理委員会の実態
 1 私有財産の管理
 2 不動産の管理
第三節 在家者による出家者管理の可能性
 1 マハースィー瞑想センターとの比較
 2 自立と依存の揺らぎ
まとめ

結論

第八章 結論・考察
第一節 世俗を生きる出家者たち
第二節 出家者の行方

図版一覧
参照文献
あとがき
索引