森田療法の講演会 | テーラワーダ仏教とヴィパッサナー瞑想実践

テーラワーダ仏教とヴィパッサナー瞑想実践

テーラワーダ仏教の教えを学び、ヴィパッサナー瞑想実践やアビダンマについてのブログです。

8月23日に心の健康セミナー(公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団)を聞きに行きました。

森田療法の講演会です。本で読んだことはありましたが話は聞いたことがなく大阪で開催ということで参加しました。



森田療法とは 

森田療法は、1919年に我が国の精神科医、森田正馬によって創始された神経症に対する精神療法です。

森田療法は、対人恐怖や広場恐怖などの恐怖症、強迫神経症、不安神経症(パニック障害、全般性不安障害)、心気症などが主たる治療の対象であり、これまでに高い治療効果をあげてきています。

また最近では、慢性化するうつ病やガン患者のメンタルケアなど、幅広い分野に 有効と言われています。

森田療法の特徴は、神経症が、その人の神経質性格(内向的、自己内省的、心配性、小心、敏感、完全主義的性格等)を基盤に、特有の心理的メカニズムで発症すると考えたのです。

その心理的メカニズムとは、精神交互作用であり、思想の矛盾と呼ばれる不可能を可能にしようとする、心の葛藤であると説明したのです。そのような背景のある神経症の治療法とは、「あるがまま」と呼ばれる態度であり、不安や症状を排除するはからいをやめ、そのままにしておく態度を養う事です。

そのために、不安を抱えながらも生活の中で、必要な事(なすべきこと)から行動し、建設的に生きるという事を教え、実践させる治療方法です。つまり「あるがまま」という心を育てることによつて神経症をのりこえていくのが、森田療法の主眼です。

したがって、生き方の再教育とも呼ぶべきものでしょう。

治療方法には軽度の場合には、通院治療で、重度の場合には入院療法があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





定員90名でぎりぎりに会場に到着したので席が無く立ち見で参加しました。


樋之口潤一郎(東京慈恵大助教授/森田療法センター)先生による

「不安と強迫性障害に対する森田療法ー回復の上で大切なことー」

という講演で一人の患者さんの経過を紹介しながら森田療法についての紹介がありました。


印象に残ったことは


理想と現実の狭間で悩み囚われている


あるがままに受け止めコントロールしない


症状を排除しようと躍起にならない


腹をくくる体験のすすめ


スムーズを求めず試行錯誤することを奨励


いやいやでも行動すると変わる


現在の状況で最善を尽くす


理想でない「現実」を生きる


「すっきり」を求めない


地道が最大の近道





その後休憩を挟み体験談の映像が二つあり

その体験談で症状はまだ同じようにあるが気にならなくなったのが大きな違いだという話が印象的でした。


普通の人でもいろいろな悩みや不安を体験していますが、それほど気にしないでいれますが、

病気になるとそれに囚われて離れることができなくなるのでしょう。


30分ほど質疑応答で終了しました。


次回は京都で10月25日に開催される予定です。