去年から一緒に暮らすようになった父が記憶の所々を引き出して昔の話しをしてくれます。


 父の人生にも楽しいこと、辛いこと、苦しいこと、悲しいこと、色々あったんだなと改めて知ることができました。

 子供の頃、戦中、戦後の時代を経験し、大工仕事をしながら私たちを育て、20年前に母を亡くし、以来一人暮らしをしてきました。これだけだと立派な人のようですが、若い頃はお酒を浴びるほど飲み歩き、悪いこともしたようだし、大怪我をしたり、私達家族はかなり大変だった時もあります。

 20年間の気ままな一人暮らしのせいで色々病気もしましたが、今は穏やかに過ごしてもらっています。


 人間一人が経験することは多種多様でその経験がその人を作っているのだなと感じます。


 私の人生における色々な経験も私だけのものであり、忘れてしまいたいような苦い体験もまた今の私を作っている必要悪だったのだと思うようになりました。

 辛い思い、苦しい体験、それらが私を霊的真理に導いてくれたのだとしたらそれはとてもありがたいことだったのだと思います。

 残された地上人生、霊的真理を手に生きることでこれからどんなことを経験できるのかとても楽しみです。



📘 シルバーバーチの教え 上 6章


 悲哀の極みをなめ尽くして初めて、魂の奥底からの喜びが味わえるのです。生命の階段を低く下りるほど、それだけ高く上がれるのです。地上人生の陰と思える体験を重ねるほど、日向の喜びがひとしお身に沁みるようになるのです。


 すべてのことが霊性進化の肥やしになります。そのうち皆さんも、肉体の束縛から解放されて曇りのない目で地上人生を振り返るときがまいります。その時、紆余曲折した出来事の中で、それらの一つひとつがちゃんとした意味を持ち、すべての体験が皆さんの魂を目覚めさせ、その可能性を引き出すことになっていたことを理解するようになるはずです。 (本の内容の掲載についてはスピリチュアリズム普及会の許可を得ております。)