おはようございます。昨日は筋トレへの送迎、誠にありがとうございました。トレーニングが再開して1か月。「少し筋力が戻ってきた」が大半の選手の感想だと思います。

 

軽負荷・高回数で筋持久力をアップ

 

さて、「発育・発達パターンと年齢別運動強化方針」という図を見ると、

 

 

14歳~15歳でピークを迎えている曲線は

  • 力強さ(筋力)を示す赤色
ただし、中学生はヘビーな筋トレではなく、敢えて筋持久力を向上させるトレーニング(軽負荷で13種目、45秒間×2セット)をしているのがポイント。
 
と言うのも、中学生はオレンジ色の呼吸・循環能力(持久力)青色の身長の伸びもピークを迎える複雑な年齢だからです。 

 

さらに、別のグラフを見ると15歳前後は「ポストゴールデンエイジ」と呼ばれ、

  • 可塑性(自らを変化・成長させる能力)は急降下
  • 神経系の発達はほぼ完了

が特徴だと分かります。

 

つまり、

  • 技能の習得は幼児から小学生にかけて
  • 身長や体力(持久力や筋力)は中学生以降

となり、

  • 子どもは大人のミニチュア版ではない
となります。※特に小学生の筋力は「大人の半分」。過度な素振り、ピッチング、ランニングはケガに繋がります。
 

 

参考までに、神経系の発達は幼児(5歳)から小学2年生(8歳)がピーク。つまり、この年代に野球ごっこを経験、野球好きになることが「スーパーキッズを誕生させる秘訣」なのです。

 

ジャイアンツアカデミー

調布スクールの幼児コース

 

では、中学生では何を指導すれば良いのでしょうか? 私が重視しているのは

  • 「考える力」を伸ばす
「論理的思考」とも呼ばれますが、「筋道立てて考え、課題を克服する力」を伸ばします。
 
下図を見ると、中学生になると、
  • 実際に経験しなくてもイメージできる能力が成長
さらに、
  • 課題と結論を筋道立てて考えられる
様になります。
 

 

 

これを野球に当てはめると、「勝つ」という目標に対して、

  • 自チームの特徴(長所と弱点)
  • 相手チームの特徴(長所と弱点)

を分析。「仲間を納得させ、チームを勝利に導ける」になります。

 

ただし、こういう能力を持った小学生はスーパーキッズレベルでもほぼ皆無。中学生でも数人...。しかも、論理的な能力を身に付けるには「自分のことができる」が最低条件。大抵の場合、「キャプテン」、「副キャプテン」、「センターラインを守る選手」となります。

 

明日は関東ボーイズリーグ大会の準々決勝が行われますが、「技術」や「体力(走力)」に加え、「ゲーム運び」が大切。「考える力」を伸ばせる試合にしたいですね。

 

 

 

高崎中央ボーイズ監督

読売巨人軍野球振興部部長

日本ソフトボール協会理事(普及担当)  ※以上現職
元中学硬式野球日本代表監督・コーチ(ボーイズ3回、フル代表2回)
元群馬県公立高校教諭
元巨人軍通訳、トレーニングコーチ、ジャイアンツアカデミー校長
元NATA公認アスレチックトレーナー(米国)
元NASC公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(米国)
元大学非常勤講師(群馬大、東京学芸大、横浜国立大、国士舘大)


<資格>

U12&15 BFJ公認野球指導者資格

ジュニアランニング指導員(日本ランニング振興機構)
小中高1種免許取得(中高は保健体育、英語)

英検準1級、TOEIC905点
教育学学士・修士(東京学芸大学、東京学芸大学大学院)
スポーツ科学修士(米国スポーツアカデミー)