おはようございます。今日で四月も最後。5月6日までの全体練習禁止も、ニュースの報道をみるとどうやら延期になりそう・・・。それぞれの学年で野球への目的意識をしっかり持って取り組む必要があります。また、子どもの励みになればと思いコミュニケーションツールの一環として、自己採点した自主練習の点数をレポートしてもらっていますが、

 

・3年生:93点

・2年生:95点

・1年生:98点

・全体:96点

 

と高得点。学校の勉強と同じで、90点以上取ってきたら親は大喜び、子どももかなり自信になるはず。

 

 

・継続は力なり

 

という言葉がありますが、5回頑張れたのですからあと5回頑張って、

 

・自分の中で何が変わったか?

 

を感じてもらえればと思います。

 

ところで、新1年生は全体練習も数回しかできていない中、自主練習に入ってしまったので、「分からないことがあればお気軽にご相談下さい」と連絡したところ、前回は下半身の筋トレの仕方、ストレッチの仕方、今回は

 

・ロングティーの目的を知りたい

・体が小さいが、成長期前に鍛えて良いのか?

 

という質問を頂きました。

 

まず、一つ目のロングティーの目的ですが、

 

・遠くへ打つための体の使い方を覚える

 

は一般的ですが、私のお勧めは

 

・安定したバットスイングを身につける

・常にインサイドバックスピンを掛けられるようにする

 

の二つ。

 

 

写真は巨人の岡本選手ですが、安定したスイングをするためのコツは赤丸の両膝と両足の母指球。

 

・打ち終わった後、両膝を軽く曲げ、ランジの姿勢をとる(体重は50:50)

 

そして

 

・打ち終わった後、両足親指の付け根(母指球)で体重を支えているか確認する

 

理想は平均台の上でロングティーをやっている様なイメージ。バランスが崩れたら元も子もないからです。

 

また、もう一つのインサイドバックスピンですが、

 

右打者の場合(左打者は逆)

 

私が高崎中央ボーイズの選手にソフトボールを使って意識づけているのが

 

・ボールの内側、やや下を打つ

 

です。これが出来ると、低いライナーでフェード(若干のスライス)気味の打球が飛び、右打者の場合、センターが万歳した打球がどんどん右中間フェンスに転がっていきます。ゴルフと一緒でこの打球が一番飛距離がでるのですね。

 

この理論を私はアメリカでスイッチヒッターとして314本のホームランを打ち野球殿堂入りしたレジースミスさん(現在75歳)にロサンゼルスで開いているレジーさんのアカデミーに参加した際学びました。それ以来、私はレジーさんの通訳を4回経験。この打撃理論は体に染みついています。

 

 

高崎中央ボーイズの中学生には、この技術を習得してもらうため、皮革のソフトボールを30m先のコーンめがけて、

 

・1分間で10回連続、柔らかい弾道の打球を打てたら合格

 

にしています。まるでゴルフのアプローチの練習の様ですが、この練習が高崎中央ボーイズで選手が伸びる秘訣だと感じています。

 

また、「体が小さいが成長期前に鍛えて良いのか?」という質問ですが、私の回答は、下記のグラフの青の太い線。ちょうど13歳(中学1年生)にピークが来ている曲線も青。「粘り強さ」と書いてあります。

 

 

 

余談ですが、体が強くなる(太くなる)オレンジの曲線のピークは15歳。中学1年生にとっては中学3年生は別世界の大人の様な体つきに感じるのも当然なのです。

 

では、成長期前に鍛えなくてよいか?と言うと、答えはNO。私はしばしば、30㎏台の体重の子も50㎏台の体重の子も、

 

・自分の体重をコントロールできる筋力を付けておくことが大切

 

と紹介しています。ただ、子どもには成長差があり、小学6年生で中学3年生の様な体つきの子がいる一方、中学3年生になってもまだ小学6年生か中学1年生の様な体つきの子もいます。


その意味では、体の小さい子はどんなにご飯を食べても、ある年齢にこないと体重は増えないし、体の大きい子も別に意識して体が大きくなった訳ではないだと思います。

 

この成長差がいわゆる「早熟」と「晩熟」タイプなのですが、私の仕事仲間にも、

 

・小学5年生で遠投80m、中学1年生で遠投110m

・中学1年生で身長170㎝

・甲子園にも何度も出場

・プロでも1軍でクリーンアップを打った

・現在の身長は173㎝、遠投力は中学1年の記録が人生のピークだった

 

という典型的な「早熟」タイプの方がいます。私はこの方に、「20代後半で体重が80㎏台になっていたら、もっとプロで活躍できたのでは?」と質問すると、「そうだと思います」と返答。

 

こんな例からも、中学1年生で身に付けておくことは

 

・技術、持久力、柔軟性

 

の3つ。「体重はその子の成長のリズムに応じて増えてくる」、「体重30㎏台の子は体が細い、小さいながらも足は速くしておく」で良いのだと思います。