mikiteaです。

 

昨日、月組・東京大劇場新人公演を劇場で観劇しました。

 

「流石、芝居の月組‼」

とても完成度の高い新人公演でした。

 

本役さんのコピー、誰かの真似・・・ではなく、

それぞれが役として生き、個性豊かに舞台を作り上げていました。

ベテラン勢が演じている老け役、悪役に至るまで、

「やっぱり若さは隠すことできないね・・」ではなく、

自然な老け方で貫禄もみせる役の作りこみ方に驚きました。

 

新人公演はそれぞれの役を通して生徒さん達の個性をみたい!

という思いもありかなり集中して観ますが、

出演者皆さんお芝居が上手く、

登場人物の関係性や時代背景、

作品の持つメッセージ性も分かりやすく引き込まれました。

 

 メインキャスト別感想

 

七城 雅(105期)/菅原道真(月城かなと)

 

知的で賢い容姿端麗な少年・菅原道真という感じで、

よく通る声で滑舌も良く台詞が聞き取りやすく歌もお上手!

最初緊張されていたのか、

真面目で自分の殻に閉じこもりがちな役としての表現からか、

淡々とお芝居が進む印象を受けましたが、

次第に気持ちが乗りお芝居と歌に力強さを感じました。

 

昭姫と幼い頃の兄吉祥丸との辛い思い出を語る場面では、

自分に対する苛立ちや苦悩などがしっかりと表現され、

新人公演で自身に課せられた課題に向き合っている姿が重なり、

観ていて自然と涙がでてきました。

最後のご挨拶も独り歩きすることなく、

仲間と作品に向き合う真っ直ぐな思いが伝わりました。

 

『グレート・ギャツビー』の新人公演配信を見た時の印象とは

また違った印象を受けたので、

幅広い役を演じ分けられる男役さんだと思います。

顔立ちが可愛い系なので女役もいけそうですね!

 

●羽音 みか(103期)/昭姫(海乃美月)

 

姉後肌で妖艶な女主人という役が、

ご自身の持つ雰囲気にピッタリハマっていました。

台詞回しにも癖がなく安定感のあるお芝居で良かったです。

「くえない坊ちゃんだよ!」という台詞が何度かありますが、

場面よって声のトーンや強さを変えているため、

道真の心情やお互いの気持ちの変化も分かりやすかったです。

 

娘役さんとしては背が高く美しい方なので、

本公演でも目がいきます。

お芝居、歌、ダンスともに安定した実力を持たれているので、

これからますます活躍が期待できそうです。

 

一輝 翔琉(107期)/在原業平(鳳月杏)

 

スタイルが良く小顔でイケメン!

和物のメイクも良く似合いとても存在感がありました。

高子への恋心をまだ持ち続ける一途さが垣間見れる業平で、

これはこれでキュンとさせられる良さがありました。

 

歌は今後の課題でしょうが、

「がんばれ~!」と同じ思いで聞いている

客席からの温かく力強い拍手に、

彼女への期待の大きさを感じました。

 

瑠皇 りあ(103期)/藤原基経(風間柚乃)

 

登場した時から冷酷そうな怖さと

やり手で切れ者という感じが滲み出ていて、

黙って座っているだけでも目が奪われます。

銀橋で吉祥丸との幼い頃の思い出を語る時の切ない表情や、

藤原家のため自分を押し殺し生きている思いを歌う場面では、

歌に感情がのり力強さと表現力に圧倒され、

この場面でも自然と涙が出ました。

そして歌い終わったと同時に客席から大きな拍手が起きました。

 

お芝居、歌、ダンスと安定した実力があり、

正統派の美しい青年の役も悪そうな役も、

存在感たっぷりに演じられるるおりあクン・・

ラストチャンスとなる次回の新人公演で主演ができますよう願っています!

 

 

 個性豊かなキャストたち

その他、印象に残ったキャスト

 

遥稀 れお(105期)/藤原常行(礼華はる)

長身の舞台姿が本役のぱるクンにとても似ている!

心なしか声も似てる・・

目を引く存在感で妹思いの兄常行をしっかりと演じていました。

「おとめ」を見直したら素顔はとても美人さん!

でも、顎髭の男らしい常行はとても素敵でした!

これから注目して観たいと思います。

 

花妃 舞音(106期)/白梅(彩みちる)

●和真 あさ乃(106期)/紀長谷雄(彩海せら

二人の息の合った軽快なお芝居に笑いが起き、

むっつりと拗ねた表情の道真の周りをピョンピョンと飛び跳ねながら、

お芝居にテンポ感を与えていました。

 

彩路 ゆりか(103期)/藤原良房(光月るう)

本役さん?と思うほどの見事な老け方で、

落ち着いた貫禄の演技に、

お見事!と膝を叩きたくなるくらい感心しながら観ました。

 

白河 りり(103期)/桂木(梨花ますみ)

変に老けすぎず自然体の落ち着いた演技で良かったです。

幕開きすぐのナレーションも綺麗なしっかりと届く声でとても良かったです。

最後の長の期を代表してのご挨拶も、

丁寧な言葉で気持ちを述べられていました。

 

きよら 羽龍(104期)/藤原高子(天紫珠李)

澄んだ声で歌も流石!

気品のある凛とした立姿で、

心の中でずっと業平を思い続ける気持ちが伝わるお芝居でした。

「若き日の業平と高子」月乃だい亜(104期)・一乃凛(106期)

の美しく切ないお芝居と相まって、

ギュッと胸が締め付けられる思いを感じました。

 

天つ風 朱李(107期)/清和帝(千海華蘭)

台詞の量も多く物語の中でも存在感のある役をしっかりと演じていました。

声も高めにし初々しさと利発さを出されていました。

 

真弘 蓮(104期)/吉祥丸(瑠皇りあ)

お芝居と歌の上手さにビックリ!

幼い道真(阿呼)彩姫みみ(108期)

との二人の澄んだ歌声に心が和み、

その後の吉祥丸が藤原家の唐犬に襲われる場面がとても辛く感じました。

なんと、検非違使・國道のニ役を演じてらっしゃったのですね!

大人と子供の二役!芸達者‼

 

●涼宮 蘭奈(106期)/大師(結愛かれん)

妖艶な雰囲気でしなやかに踊る姿に目を奪われました。

登場した瞬間に客席のオペラグラスが一斉に上がっていました。

スタイルが良く存在感のある男役さんですね!

 

その他、出演者皆さんがしっかりと役作りをされていて、

隅々までもう一度観たくなる新人公演でした。

 

後1回、本公演を観劇する機会がありますので、

更に作品を楽しみたいと思います。