朝晩冷え込むようになり、ようやく秋の気配が感じられるようになりました。

読書の秋です。

今回の3冊です。

 

湊かなえ「白ゆき姫殺人事件」

化粧品会社のOL三木典子が雑木林で死体で発見された。

当日から姿を消した同僚の城野美姫が疑われ、雑誌記者の赤星雄治は、

城野の同僚、同級生、地元住民、両親に話を聞く…

城野の知人たちの証言は“城野が容疑者”という前提で語っています。

本当にあった事実に偏った見方からの理由づけがされており、

人の証言の危うさをひしひしと感じました。

興味本位のSNSでのつぶやきや週刊誌の記事もリアルで空恐ろしい…

事件に関する真実は真実でこれもまた恐ろしい。

ありえないことではないギリギリの気持ち悪さがありましたケロ。

 

小野寺史宜「ひと」

高校時代に父親を亡くした柏木聖輔は東京の大学に進んだが、

故郷にいる母親の急逝。

二十歳でたった独りになった聖輔は大学を中退、今後の生活を考えて

いたある日、商店街の総菜屋と出会う…

“ご縁”で結びついた総菜屋の人たちがとても素敵でした。

家族や周りの人の中での自分を見つめ、自分の将来に向けて進んでいく姿が

清々しかったです。

自分のパーソナルスペースだけ暮らしていては得られないものがあって、

それは、人がもたらしてくれるものや人との関りで自分に起こる変化かと

思います。

ひとつひとつの出会いとどう向き合っていくかが大切だなぁと思いました。

悪縁はソロっと離れた方がいいとは思いますが…ケロ。

 

 

原宏一「天下り酒場」

居酒屋を営むやっさんが知人から頼まれ元役人を雇うが、店はいつのまにか

元役人だらけの居酒屋チェーンとなる『天下り酒場』や

毎日パートと義母の介護に追われる喜美江の前にある日ボランティアの女性が

現れ、無料で家事や介護をするようになるが、徐々に妻・嫁の立場を奪われて

いく『ボランティア降臨』など6つの短編集。

ほか、ある日自宅内で盗聴器を見つける話や、突然やって来た白衣の男とともに

歯磨きサービスを始める話などどれもとんでもないのにリアリティがあって

面白かったですが、リアルなだけにわが身に起こると怖いなぁと思いましたケロ。