今回は3冊。
西加奈子「ふる」
28歳の花しす(カシス)は、皆に好かれる花しすであるよう、常に周囲の人間の“癒し”であるように過ごしている。
黒い感情は周りに任せて自分はその中の白い存在でいたいと思う。
AVへのモザイクがけの仕事の傍らICレコーダーで自分や職場仲間の日常の会話を隠し録り、
ひっそり聴き返す趣味がある。
自分が確かにいた過去の“今”を忘れたくない。少しでも“今”に残しておきたいと思っている。
花しすの祖母、母、同級生、同僚、同居人…忘れたくないけど忘れてしまうモノ。
黒い感情、白い存在。
いろいろなものが重なって生きているのですケロ。
西加奈子「ふる」
28歳の花しす(カシス)は、皆に好かれる花しすであるよう、常に周囲の人間の“癒し”であるように過ごしている。
黒い感情は周りに任せて自分はその中の白い存在でいたいと思う。
AVへのモザイクがけの仕事の傍らICレコーダーで自分や職場仲間の日常の会話を隠し録り、
ひっそり聴き返す趣味がある。
自分が確かにいた過去の“今”を忘れたくない。少しでも“今”に残しておきたいと思っている。
花しすの祖母、母、同級生、同僚、同居人…忘れたくないけど忘れてしまうモノ。
黒い感情、白い存在。
いろいろなものが重なって生きているのですケロ。
楊逸「流転の魔女」
居酒屋でバイトをしながら、法律の勉強をする中国人女子留学生林は
同級生の父である弁護士が担当する中国人容疑者の通訳をし報酬として1万5千円得る。
彼女は5千円札を“おせん”と名をつけるが、コンビニの支払いで“おせん”と別れる。
林と別れた“おせん”はレジからまた財布へ、国境も越えて外国との紙幣と混じりながら流転していく。
“おせん”と離れた後も林は通訳を何度か引き受け高額な報酬を得るが、
彼女の周辺で偽造通貨、臓器売買、使いこみなどお金がからむ事件が起きる。
話は流転する“おせん”と林の生活とが交互に進行して、
Quarantine、Quest、Quagmire、Quarrel…“おせん”の物語は“Q”のタイトルが付き、
Obtainment、Oafish、Object、Occlude…林の物語は“O”のタイトルが付いているところがおもしろい。
お金は巡って1ヶ所に定住しないけど、お金はお金であってそのことは変わらないことで、
お金に一喜一憂し“O(コロコロ)”と右往左往、翻弄されているのは人間ということなのかなぁ…ケロ。
居酒屋でバイトをしながら、法律の勉強をする中国人女子留学生林は
同級生の父である弁護士が担当する中国人容疑者の通訳をし報酬として1万5千円得る。
彼女は5千円札を“おせん”と名をつけるが、コンビニの支払いで“おせん”と別れる。
林と別れた“おせん”はレジからまた財布へ、国境も越えて外国との紙幣と混じりながら流転していく。
“おせん”と離れた後も林は通訳を何度か引き受け高額な報酬を得るが、
彼女の周辺で偽造通貨、臓器売買、使いこみなどお金がからむ事件が起きる。
話は流転する“おせん”と林の生活とが交互に進行して、
Quarantine、Quest、Quagmire、Quarrel…“おせん”の物語は“Q”のタイトルが付き、
Obtainment、Oafish、Object、Occlude…林の物語は“O”のタイトルが付いているところがおもしろい。
お金は巡って1ヶ所に定住しないけど、お金はお金であってそのことは変わらないことで、
お金に一喜一憂し“O(コロコロ)”と右往左往、翻弄されているのは人間ということなのかなぁ…ケロ。
中島京子「ツアー1989」
1989年の香港ツアーで一人の青年が消え、15年後自称フリーライターの青年が彼の足跡を追うことになる。
彼が参加したのは1989年から数年実施された“迷子つきツアー”と呼ばれるツアーで
通常のパッケージツアー客の一人を、“迷子”として現地に置き去りにすることにより、
他のツアー客に“不思議”や“奇妙な感覚”を体験させることを目的とするツアーだった。
彼が思いを寄せた女性、同じツアーに参加した会社員、添乗員などを主人公とする章でも彼は登場するが
彼のことはぼんやりとした記憶となっている。
1989年、昭和から平成に変わった年。バブル景気に踊っていた時期。
変化や狂乱のブラックホールに落ちた印象の話です。
この微妙な感じは“迷子つきツアー”のツアー客と同じ感覚なのかもしれないですケロ。
1989年の香港ツアーで一人の青年が消え、15年後自称フリーライターの青年が彼の足跡を追うことになる。
彼が参加したのは1989年から数年実施された“迷子つきツアー”と呼ばれるツアーで
通常のパッケージツアー客の一人を、“迷子”として現地に置き去りにすることにより、
他のツアー客に“不思議”や“奇妙な感覚”を体験させることを目的とするツアーだった。
彼が思いを寄せた女性、同じツアーに参加した会社員、添乗員などを主人公とする章でも彼は登場するが
彼のことはぼんやりとした記憶となっている。
1989年、昭和から平成に変わった年。バブル景気に踊っていた時期。
変化や狂乱のブラックホールに落ちた印象の話です。
この微妙な感じは“迷子つきツアー”のツアー客と同じ感覚なのかもしれないですケロ。