今回の3冊です。
植松三十里「里見八犬伝」
安房国の里見家で、妖女・玉梓に呪われ窮地に陥り、伏姫は自害する。
伏姫の胸元からは八つの水晶珠が飛び去った。
仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌の文字がそれぞれ浮かび上がる八つの珠は、
八人の勇者の手に渡っているという。呪いを解き、いくさを収める力となる
八人の犬士を求めて、里見家の金碗大輔は旅立つ…
原作「南総里見八犬伝」は滝沢馬琴が執筆に28年を費やした超大作ですが、
本作はその現代語訳ではなく、テレビドラマのノベライズ企画で書かれた
作品なので簡潔でわかりやすかったように思います。
2024年に滝沢馬琴を描いた映画『八犬伝』を観ていたので、その
イメージで映像が浮かび、読んでいて楽しかったですケロ。
原田ひ香「人生オークション」
退学を卒業しアルバイト生活中の瑞希が母に頼まれ、傷害罪で逮捕され離婚し、
一人暮らしとなった叔母りり子を訪ねる。
そこには大量の荷物が詰まれ、さらにお金も底を尽きているという。
ふたりは不要品をヤフオクで売り、人生を立て直しを図る…
バブルをおう歌していたりり子の持ち物はブランド品のカバンや食器も多く、
ネットで売ると持ち物の整理もできて収入にもなります。
しかし、初心者には何をどうしていいのか。
瑞希のようにいろいろ手続きをしてくれる人がいて良かったです。
自分が『信じてほしいと思う人』に信じてもらえない虚しい気持ちを抱えて
いたりり子ですが、信じあえる人を得られて良かったです。
整理整頓された部屋、ネットオークションで得たお金、信じあえる人。
得られたものは大きいと思いましたケロ。
平安寿子「あなたにもできる悪いこと」
自由に舌先三寸で世間を渡る訪問販売員の桧垣は同級生の時任に
ビジネスに誘われるが、始めてすぐに時任は姿を消す。
そして残されたもう一人の社員・里奈から呼び出され…
財産を巡りいがみ合う家族、不倫と公費着服の事実隠蔽したい教師、
NGOを踏み台に政界への進出という野心に燃える男などなど
世間体を取り繕うとする人物から内々に済ませるための『和解金』を
少々いただくというビジネスを繰り返すふたり。
ふたりのターゲットになった人物は、少々痛手を負ってもしようがないか
と思われる面もありますが、
はやり桧垣も里奈も『小』であっても悪党だなと思うとスッキリしない
お話でしたケロ。


