日本酒を造る人たちを「杜氏」といいますが、その方たちも神在祭の神様方と
同じように出雲地方に集まるのをご存知でしょうか?
松尾大社(京都)がお酒の神様と言うのはご存知の方も
いらっしゃるかもしれませんが、全国には松尾神社が数多くあり、
松尾大社より祭神の勧請を受けた神社です。
出雲地方にも、「松尾神社」があります。
京都の松尾大社が偉いので、京都に集まるのではと疑問をお持ちの方も
いらっしゃると思いますが、歴史をひも解くと意外なことが分かりました。
「出雲国風土記」によると、楯縫郡(現在の島根県出雲市)に180柱もの神々が
集まって御厨を建てて酒を造り、180日もの間宴会をしたあと解散したという
説話が記載されています。
この配神の百八十神の主祭神が久斯神(くすのかみ)とされています。
久斯神は酒の神のことであり、別名:彦名神と呼ばれています。
この神が、出雲にある松尾神社に祀られています。
別名「佐香神社」(さかじんじゃ)と呼ばれています。
毎年10/13に室町時代より続いているとされる「濁酒祭」(どぶろくまつり)が
上述の説話を基に開かれるようになり、日本中の酒造業者たちが集まって、
安全を祈願するのが慣例になっているそうです。
元々、酒造りは国(財務省)からの許可がないと行うことができませんが、
ここ松尾神社の宮司には1石(100升)のお酒を造る許可を得ているそうで、
10月1日の未明に宮司自ら杜氏となって神酒の醸造を行い、祭礼の前日に
国税庁の係員の検査を受けているそうです。
神様だけではなく、酒蔵の杜氏たちもこの出雲に集まるとは
出雲神話は奥の深い歴史ロマンですね!