6月ですが去年の11月のお出かけ!…そにょ④ | ヘタレ車掌の戯言

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毎日惰性だけで生きているヘタレ車掌の日常です。

前回記事の続きです。

 

黒部ダム駅には、先代のトロリーバス2形式の写真があったのでパチリ♪

 

関電100形写真 黒部ダム駅 20181121

100形は1964年の開業時から1968年にかけて10両導入されました。車体は当時の一般的なバスに準じたモノコック構造で、現在のバスよりも丸みを帯びていて、外板の貼り合わせ箇所にはリベットが多用されていました。300形よりバスっぽい形状ですが、シャーシは三菱重工業(当時)製、電装品は東京芝浦電気製の抵抗制御、車体は大阪車輛工業製と300形と同様の組合せでした。1974年に誘導無線を設置、1976年から1979年にかけて実施された車体改修工事で車号が元番号+10に改番されています。また開業当初に導入された6両は車体改修工事に際して車体中央部に外吊り式の両開き扉が設置されています。

 

関電200形写真 黒部ダム駅 20181121

200形は100形の増備車として1969年から1973年にかけて5両が導入されました。乗降扉は100形の先頭寄りから車体中央部に移り、外吊り式の両開き扉となりました。先頭寄りの扉は乗務員専用となりました。車内の座席は100形の前向きから三方シート(最後部のみ前向きでその他はロングシート)となり、収容力増加が図られています。1974年に誘導無線を設置、1979年から1981年にかけて実施された車体改修工事で車号が元番号+10に改番されています。その後、1988年から1991年にかけて乗務員専用の扉が乗降用に改造されています。

両形式とも経年による老朽化が目立ってきたことから1993年以降、300形に代替されて1996年までに全車引退しています。引退後はメキシコシティへ無償譲渡されて再起しています(現存しているかは不明)。

 

関西電力300形302の扇沢行きに乗車します。復路も1両編成で、のん気に写真撮っていたら座席が埋まってしまい立って乗ることに・・・

 

関電トンネル 県境付近 20181121

ブレブレですが富山県と長野県の県境通過

 

関電トンネル 破砕帯付近 20181121

またまたブレブレですが破砕帯通過。青い照明が幻想的です。

 

扇沢駅到着後は車庫の観察へ(見学ではなく降車ホームから)・・・

 

関電302 扇沢駅 20181121②

乗車してきた関西電力300形302の最後部

架線は地下鉄で見られるような剛体架線です。

 

関電310&312&1008 扇沢駅 20181121①

左側から関西電力300形310、312、電気バス1008

310は既に運用離脱済みなのか部品取りになっていたようです。1008は2019年4月から運行開始した電気バスです。

 

手前から関西電力電気バス1008、300形312、310、307

電気バス300形の後部を比較。310はトロリーポールや緑色と黄色のランプもありません・・・

 

関電1010&1012 扇沢駅 20181121

関西電力電気バス1010㊧と1012㊨

関西電力電気バス300形と同数の15台が導入されています。トロリーバスの300形が法規的に鉄道車両であるのに対し、電気バスは自動車となります。どちらも架線で電気を取り入れるのは同様なのですが、トロリーバスが車庫構内などを除いて常に架線からの集電で走行するのに対し、電気バスは蓄電池に充電して、その電気で走るいわゆるE V車のシステムになります。充電設備は扇沢駅に設けられていて、充電専用のパンタグラフによって10分間で急速充電されます。ベースとなっているのは日野自動車(ジェイ・バス)製のバスで、エンジンに代えて電動機(モーター)、燃料タンクに代えて大容量の蓄電池を装備しています。従来のトロリーバスでは整備工場への回送時に大型トレーラーに積まれて移動していたのですが、電気バスでは公道上を自走して回送するため、ナンバープレートを取得しています(トロリーバスは鉄道車両なのでナンバープレートがありません)。ただし、公道上では営業運転に用いられないことから(関電トンネルは関西電力の私道です)自家用の白ナンバーです。

 

関電303 扇沢駅 20181121①

関西電力300形303

 

関電1008&310&307&303 扇沢駅 20181121①

左側から関西電力電気バス1008、300形310、312、303

 

 

関電301 扇沢駅 20181121②

関西電力300形301

300形のトップナンバーです。次の列車も1両編成でした。

 

関電313 扇沢駅 20181121②

関西電力300形313

構内移動中の姿です。トロリーバスは架線から電気を取り入れて走る車両ですが、実は架線がないところでも蓄電池を電源として短距離の走行が可能です。

 

関電1013&315&314&313 扇沢駅 20181121

関西電力電気バス1013、300形313、314、313の後面

 

車庫構内は庫内を除いて架線がないのでバス営業所の整備工場そのものなイメージですね。ちなみにこの場所は乗車ホームの裏側になります。乗車ホームから見て、ホームと反対側の壁の向こうが実は整備工場とはよく考えた構造ですね。

 

関電 扇沢駅降車ホーム 20181121

“線路”です。

 

関電 扇沢駅前 20181121

扇沢駅前は観光客向けの駐車場しかありません(笑)

立山黒部アルペンルートはマイカー乗り入れができないので、ここに駐車していくか回送業者に立山方面に回送してもらうしかないのです。

 

これにて関西電力のトロリーバスとはお別れです。2018年1月30日の最終運行を以て関西電力は関電トンネルでのトロリーバス運行を終了し、併せて鉄道事業を廃止したのですが、開業以来54年間無事故を貫いてきたそうです。

お役御免となったトロリーバス300形ですが、運行終了を待たずに搬出が始まり残念ながら保存予定もなく全車廃車解体となっているようです(部品の一部は立山黒部貫光のトロリーバス用として譲渡されているようです)。

 

(次回以降に続きます)。