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石田陽子のブログ

本を読んだり、映画を観たり。Loveをテーマにしたブログです。恋愛に役立つ楽しい情報もどんどんお伝えしていきます。

連続テレビ小説『おかえりモネ』が、いよいよ10月29日に最終回を迎える。最終週「あなたが思う未来へ」に向けて、菅波先生(坂口健太郎)が百音(清原果耶)の家族に挨拶するために初めて気仙沼を訪れるなど、わくわくする展開が待ち受けている。

 

10月19日には『あさイチ』にヒロイン・百音を演じた清原果耶と妹・未知役の蒔田彩珠が揃って出演。撮影中のエピソードなどを語っていた。その中でもとくに印象的だったのが、清原果耶が語った「大前提として(百音は)恋愛軸で生きていない」という言葉。そして、#俺たちの菅波 というハッシュダグができるほど、SNSでも盛り上がりを見せた菅波先生に恋愛感情を抱いたのは、東京で偶然再会できたときでも、相合い傘をしたときでも、“手当て”をしたときでもなく、菅波から抱きしめられたときだということ。登米の森林組合の人たちがどうにか2人を盛り上げようとしていたあの努力は何の意味もなかったし、菅波先生も不器用なりに頑張っていた気がするけれど、百音自身は全くときめいていなかったということになる。

百音は恋愛感情を抱かない新しいタイプのヒロインだと捉え、百音の菅波先生に対する想いも恋愛や結婚の相手としてではなく、人としての信頼だと見ると物語がまた違ってみえるから不思議だ。

 

 

■自分が恋愛感情を持たなければ、他人の恋愛感情には気づけない

 

第15週「百音と未知」では、未知が母の亜哉子(鈴木京香)からたまには休暇を取って百音の様子も見てきてほしいと言われ、東京へやってくる。すると、震災で妻の美波(坂井真紀)を亡くしてから立ち直れずにいる新次(浅野忠信)が、せっかく断っていた酒を飲み大暴れしたことで亮(永瀬廉)が悩み、東京の百音が住む汐見湯にふらりと現れた。幼い頃から亮に憧れ、彼の力になりたいと思ってきた未知は百音に嫉妬する。亮が本心を話せる相手は百音だけで、誰にもつらい気持ちを見せないのに百音にだけは頼る。

 

東京から気仙沼に戻ると言っていた亮が船にまだ戻っていないと亜哉子から連絡を受け、百音と未知は亮の心配をする。すると亮は「ごめん、俺やっぱモネしか言える相手いない」と未知が電話をしても出ないのに、百音のかけた電話には出て弱音を吐く。しかも、その通話を百音は未知に聞こえるようにスピーカー通話にしていたので「なんでお姉ちゃんなの」と、未知の嫉妬心が爆発してしまった。

 

そして翌朝、眠れないほど亮を心配し、姉への複雑な思いで心が乱れていたであろう未知。亜哉子から電話があり、亮が新宿から高速バスに乗って帰ると連絡してきたというのだ。このまま帰っても亮の悩みは何も解決しないし、つらいだけ。百音と未知の険悪なムードと亮を心配した明日美(恒松祐里)が百音に「行ってきてよ。私とか行くとさ、りょーちん逆に笑ってさっさとバス乗っちゃうかも。あいつはね、カッコつけるからね。私やみーちゃんには」と気遣い、百音が亮を新宿に迎えに行った。

 

そこへ百音と会う約束をした菅波先生がやってくる。菅波先生とて亮の存在は気になっていたはずだが、未知は何も知らない菅波先生に対して「分かりませんでした? なんか空気、感じませんでした? あの2人は昔から通じ合って……」と言い、明日美に止められた。

 

一方、百音は深夜営業の喫茶店で時間をつぶしていた亮を見つけ、「このまま帰っちゃダメだよ」と汐見湯に連れて帰った。菅波先生が帰った後、仙台からは三生(前田航基)と悠人(髙田彪我)が深夜バスで駆けつけていて幼なじみが集合。1人で帰ろうとする未知に百音はみんなで一緒に帰り、仙台から先は亮と一緒にいてあげてほしいと提案する。幼なじみ6人でごはんを食べ、それぞれにお土産を買って戻ると亮がコインランドリーで新次に電話をかけていた。百音が1人でいる亮に声をかけると、沈黙が流れ亮が「分かるでしょ」と百音の腕をつかんだ。

 

すると百音は亮をまっすぐに見据え、「これは違う」「これで救われる?」ときっぱり拒否。一人で平気なふりをして抱え込んできた亮が弱って百音だけに助けを求めたときに、意外なほど冷たいこの対応には違和感が残った。

 

未知があんなに亮のことを好きで、亮が百音に特別な感情を抱いているというのにスピーカーでその会話を聞かせたり、自分から「このまま帰っちゃダメだよ」と引き止めておいて、好意を示されると毅然と拒否。なぜ? 

 

その理由は、彼女自身恋愛感情を持たないから。他人の恋愛感情にも気づけないのだ。どうして未知がそんなに感情的に怒るのか、亮が突然友だちの顔から男の顔になって迫ってくるのか、百音には分からないのだ。

 

菅波先生が百音の24歳の誕生日に登米から東京にやってきた。同僚の莉子(今田美桜)から百音は「誕生日にわざわざ来るなんて、プロポーズされるんじゃない?」と言わて「まさか」という顔をする。さすが、#俺たちの菅波 はコインランドリーでいきなりプロポーズをするのだが、まぁそうなるだろうな……くらいで百音はこのときも淡々と受け止める。

 

ところが、百音の実家近くで竜巻が発生して被害が出たという情報があると、プロポーズどころではない。菅波先生に背中を押されるようにすぐに実家に帰る準備をする。菅波先生は「一緒に帰ろうか」と提案するが、「1人で帰ります」とこの申し入れを拒否。百音は菅波先生を東京に残し、1人で実家へと向かうのだった。

 

実家の被害が心配でプロポーズどころではないのは理解できるが、この場合は一緒に帰ってもよかったのでは? という気がしないでもない。母の亜哉子だけはまだ菅波先生に会っていないが、祖父・龍己(藤竜也)と父・耕治(内野聖陽)、そして未知はすでに菅波先生に挨拶済み。プロポーズを受けて結婚するのであれば、こういう機会に一緒に実家に行くのもありだろう。

 

嵐の日に生まれた百音は、島には橋が架かっていなかったから妊婦だった亜哉子は新次の船で運ばれて無事に出産できた。震災当日も橋が架かっていなかったから、すぐに島に戻ることができなかった。物語的に竜巻の被害に遭った家族を助けるために百音が1人で橋を渡って帰る場面がほしかったので、菅波先生がこの場合いないほうがよいというのは分かる。

 

ただ、百音1人で橋を渡るシーンが必要というだけでなく、百音は恋愛感情で菅波先生を見ていないだけでなく、結婚したいという願望もないのだ。だから、プロポーズされたからといって現実問題としてすぐに結婚が結びつくわけではない。

 

最終週の予告にも「私たち距離も時間も関係ないですから」という百音のセリフがある。最初から人としての信頼関係で結ばれた百音と菅波先生。朝ドラで描かれる恋愛や結婚は、思わず視聴者がヒロインを応援したくなるものだが、本作の場合はヒロインに恋する相手役、菅波先生を応援する熱い想いがSNSでも話題になった。

 

恋愛は正解がなく、自分の感情がすべて。感情に流されない正しさを求め続けるヒロインというのは新しいなぁと思うのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日のこと。バスに乗って前のほうに立っていたら、降りようとした年配の男性から「邪魔だ! どけ!」と、いきなり怒鳴られて、驚きのあまり避けようとくるりと一回転してしまいました。そのときは「いやいや、そんな言い方しなくても」と思ったけれど、何も言わずに激突されるほうがイヤだし、危険を回避できてむしろ良かったのだと、自分を納得させました。

 

そして、一昨日はそのバスとはまた違うバスに乗るために列に並んでいたら、年配の男性が私にだけ「そこは自転車が通るのに邪魔だから、こっちに並んで」と言ってきたのです。「え、また邪魔って言われた」と心外に思ったけど、喧嘩する気もなかったので言われた通りに離れて並ぶと、すぐにバスが来て、「あぁ、やっぱり大丈夫。こっちに並んで」と訂正して指示。これ、私が強面の喧嘩上等タイプなら絶対に言われないヤツだよねと2回続けて面と向かって邪魔と言われたことについて考えてしまいました。

 

男だから女だから……という意識はないと言われればそれまでだけど、いきなり知らない大人の男性に対して「邪魔」とは言わないでしょう。大人の女性に対しても普通は言う言葉ではないし、私も自分では誰かに言うことはないけど、1週間で2回も続けて言われるって、そこまで幅をきかせて行動していないよなぁとモヤモヤ。

 

 

 

 

 

話は変わって、8月13日公開の映画『モロッコ、彼女たちの朝』を観ました。モロッコ製作の長編劇映画として日本初の劇場公開となる作品で、未婚の妊婦サミアと小さなパン屋を営むシングルマザーのアブラとの出会いから始まる物語です。世界経済フォーラムが発表した2021年のジェンダーギャップ指数で156か国のうち日本は120位、モロッコは144位と、いずれも男性中心の社会で家父長制の根強さが目立つという共通点があります。

 

また、イスラム教徒が大半をしめるモロッコは女性が肌を露出させることが御法度。婚姻関係における女性の法的地位の低さだけでなく、婚外交渉と中絶が違法なため、『モロッコ、彼女たちの朝』の主人公・サミアは処罰の対象となります。臨月の大きなお腹を抱えて、仕事を求めて彷徨うなかでアブラが放っておけず彼女を家に招き入れたことから、自分らしさを封印して日々を送っていたアブラにも変化が訪れるのです。

 

2020年アカデミー賞国際長編映画部門モロッコ代表に、女性監督作として初選出され、“普通”からはみ出してしまった女性の問題を正面から取り上げたことでモロッコでは議論を巻き起こしたというこの作品。アブラの娘のワルダの明るさ、屈託のなさが救いにもなるし、希望にも感じられます。繊細であんなに美味しそうなパンを作れるサミアとアブラが選択していく人生が豊かありますように……と祈らずにはいられません。「女性はこうあるべき」という枠の中でしか生きる道がないなんて、裏を返せば男性にも男らしさの理想を強いること。普通の枠からはみ出しても、誰もが自由に生きていけるほうがいいに決まっています。はみ出して邪魔だと言われたときは、くるりと身を躱して自分の道を誰もが進んでいける余裕のある社会がいいなと思うのです。

 

■作品情報『モロッコ、彼女たちの朝』

監督・脚本:マリヤム・トゥザニ
出演:ルブナ・アザバル ニスリン・エラディ
配給:ロングライド
 
 

 

6月11日(金)公開の映画『ブラックバード 家族が家族であるうちに』を観ました。主人公リリーを演じるスーザン・サランドン、長女ジェニファーのケイト・ウィンスレットと次女のアンナを演じるミア・ワシコウスカのやりとり、演技が見どころになっていますが、母の死を看取るという覚悟や母の人生と向き合うことでそれぞれの抱えている問題や人生を振り返るという普遍的な物語。

 

リリーが住むのは海辺の立派な邸宅で、夫は医師。どうにか治療で延命を考えそうなシチュエーションであるにも関わらず、彼女は安楽死を決意しています。そして週末、家族と最後の時間を一緒に過ごそうと集まり、ギクシャクしたり、揉めたりしながら、自分や家族について思いを巡らし、普段は言えないような思いを打ち明けたり……。ジェニファーの息子のジョナサン(アンソン・ブーン)も最初は事情をよく知らされないまま久しぶりに祖父母に会いに来たら重大な秘密を共有することになり、15歳なりに人生の重さに触れることになります。

 

コロナ禍では家族が入院してもお見舞いに行けなかったり、かといって在宅医療に切り替えるのも難しかったりします。高齢者でもワクチン接種の予約がなかなか出来ないなど、不安なことがたくさんあります。リリーのように自分の体が自由に動けなくなる前に安楽死を選択するという決断は極端な例ではあるけれど、死は誰にでも避けることが出来ないし、家族と向き合うということは結局自分の問題とも向き合うことになるんですよね。

 

自分がリリーだったら、自分が家族の立場だったらどんな選択をするのか。正解がないぶん、自分なりの答えを見つけようと逃げずに向き合うことで人生はより豊かになっていくのかもしれません。

 

 

 

 

 

■作品情報『ブラックバード 家族が家族であるうちに』

監督:ロジャー・ミッチェル

脚本:クリスチャン・トーブ

出演:スーザン・サランドン、ケイト・ウィンスレット、ミア・ワシコウスカ、サム・ニール、

リンジー・ダンカン、レイン・ウィルソン、ベックス・テイラー=クラウス、アンソン・ブーン

配給:プレシディオ、彩プロ

公式HP:blackbird.ayapro.ne.jp