船戸与一「大地の牙～満洲国演義6～」読了。昭和13年(1938年)ノモンハン事件、そして第二次欧州大戦勃発を描く。
三郎は抗日連軍に捕らえられるがかつての部下藤里二等兵に助けられる。
四郎は漢口で特殊慰安所の開設とともに手伝わされる。
四郎は次郎と会い過去の全てを打ち明ける。次郎は敷島四兄弟を利用する特務機関の間垣徳蔵に会い、拳銃を突き付けて四郎に付きまとうことを止めさせ、満州映画協会就職を約束させる。
次郎は結局過去の仕事に手を染めることになる。
日本情勢。国家総動員法発令。国家社会主義へと突き進んでいく。
近衛文麿内閣から平沼騏一郎内閣へ。
平沼内閣から阿部信行内閣へ。
阿部内閣から米内光政内閣へと目まぐるしい政権交代が続く。
志那事変。徐州占領。武漢三鎮陥落。
汪兆銘、ハノイへ。徹底抗戦を叫ぶ蔣介石と対立し和平交渉を訴える。
抗日連軍の英雄、楊靖宇軍を殲滅する。
ヨーロッパ情勢。イタリアからファシスト親善使節団来満。イタリアと満州国の修好通商条約が結ばれ、それが発展する形でドイツと修好条約が締結。その返礼として満州国から使節団訪欧。副団長の甘粕正彦はムッソリーニ、ヒトラー、フランコと会見。
アメリカ、ルーズベルト大統領は中立法廃止・軍備拡大・反全体主義国家、ニューディール政策緩和を打ち出す。
スペインはフランコが就任する。
ノモンハン事件。日本軍は徹底的に敗北する。
アメリカ、日米通商条約破棄を通告。
ドイツとソ連が独ソ不可侵条約締結。
ドイツ、ポーランドへ侵攻。イギリスとフランスはドイツに宣戦布告、スペインは中立を宣言。アメリカは不介入を表明、日本は支那事変に邁進すると表明。
ノモンハン事件、停戦協定成立。
ポーランド、ドイツの空爆で首都ワルシャワ陥落。
ソ連軍、フィンランドへ攻撃開始。
気になった出来事として、吉本興業の芸人が満州へ派遣。吉本は関西の芸人を月給制で囲い込み肥大化していく。国家と結びつき軍部も利用した。戦地慰問団＜笑わし隊＞が結成される。
女優の岡田嘉子が演出家の杉本良吉と駆け落ちしソ連へ亡命。
