船戸与一「群狼の舞~満洲国演義3~」読了。昭和7年(1932年)満州国建国から熱河侵攻を描く。
国内では三井財閥の理事長で男爵の団琢磨暗殺、そして五・一五事件勃発と、青年将校達による決起が激しくなっていく。
そして日本は国際連盟を脱退する。
支那では、満州国の要職に就いた馬占山が早々に反旗を翻す。
馬賊の徒が集結し東北抗日義勇軍を結成。
蒋介石の国民党は、関東軍の攻撃には沈黙を貫き毛沢東共産党との殲滅に注ぐ。
また、パラス・ジャフル、ナラヤン・アリによるインド独立の動きも興味深い。
関東軍に反目しながらも国家建設にのめり込んでいく太郎。
「国家を作り上げるのは男の最高の浪漫だ!」
かつては部下であった少年と敵対することになる次郎。その後の次郎の行動はカッコよすぎる!
三郎は婚約し、数々の任務をこなし憲兵隊で名を轟かせていく。
上海を離れ満州を彷徨う四郎。ついに犯罪を犯してしまい、その後はハルビン特務機関からの命により満州武装移民が移住してきた弥栄村(チャムス近くの永豊鎮)で通訳として働くことになる。
昭和史を学び、かつ国内の声にも触れつつ、小説としても敷島四兄弟の動向に目が離せない。