景山民夫「虎口からの脱出」読了。
面白かったが、、、前半で挫折しそうになった。後半の息を吞む展開は夢中になって読んだが、メインの展開に至る迄が長過ぎるかな。昭和3年、所は奉天と<満州事変>が起こる前辺りからこの物語は始まる。時代背景が重要なのは分かるのだが、満州事変における歴史背景の描写が長過ぎて前半は中々入り込めなかった。
 
張作霖を乗せる列車爆破事件を目撃してしまった少女李麗華は関東軍、奉天軍、そして国民党軍と日中全軍から追われる。麗華を守り日本へと送り届ける為、ある人物の命により上海領事館に勤務する陸軍少尉の西真一郎がボディーガード役を務めることに。そして英国アジア石油の極東総支配人フランク・バールの使用人であるアメリカ人のマイケル・オライリー。この3人による大脱出劇。オライリーが愛してやまない車、デューセンバーグが奉天から上海迄の1600キロをひた走る。
 
景山民夫は車も好きなんだろうな。専門的な描写もすごい。そして前に読んだ「パンドラの選択」とは打って変わってハードボイルド調だ。後半は映画にしても面白そうと思えるほど白熱するカーアクション。前半を辛抱強く読めれば最後迄読んで良かったなと思えます!

 

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