早瀬耕「未必のマクベス」読了。
「これほど素晴らしい小説はそうあるものではない」
本屋でこの本の帯にそう書かれていたのが目に留まり、気になって購入。いいタイミングだったなぁ。
この本と出合えて良かった。今後何度も読み返す大切な一冊になるであろう。
 
IT企業に勤める中井優一は同僚の伴とバンコクでの商談を成立させ帰国の途上、香港でのトランジットのはずが飛行機トラブルでマカオへ向かうことを余儀なくされる(飛行機はキャセイ)。マカオに着いた後、沢木耕太郎の「深夜特急」が話題になる。「深夜特急」で作者が滞在したホテルで泊まり、同じくカジノへも向かい一勝負する。
 
いきなり素敵な出だしじゃん~。「深夜特急」で胸をアツくした者としてはいきなり捉まれた。
 
優一はホテルで客引きをする娼婦から占われ「あなたは王として旅を続けなくてはならない」とのお告げを受ける。
と、その後は怒涛の展開で進んでいくのだが。。。

読み終わった後に、甘く切ない気持ちになった。恋愛ものや青春ものを読んでいるかのようだ。しかもこれは犯罪小説でもあるので、きな臭い場面が結構出てくるにも関わらずだ。
「この感じ何かを読んだ時にも感じたなぁ」しばし考え思い出した。マンガの「バナナフィッシュ」だ。ストリートのボス、アッシュと英二の友情を描く。英二と出会ったことによって本当の幸福を感じ、その幸福の為にアッシュは権力に立ち向かう。
 
中井は高校を卒業し企業戦士となったが、20年経っても高校時の甘酸っぱい想いをいつまでも大切に胸に秘めてる。
そして高校生の頃の出来事が今になり鍵となる場面が出てくる。
 
そして、この物語はシェイクスピアの「マクベス」とクロスして進んでいく。
マクベスを知らない方でも大丈夫。ワタクシも読んでません笑い泣きその都度ちゃんとマクベスのシーンを伝えてくれている。
 
これらが絡み合い物語をよりドラマティックにさせる。
 
う~ん、色んな要素がありうまく書けないが、とにかく素晴らしい作品なので是非読んでみてください!

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