真保裕一「取引」読了。
面白かったが。。。この前に読んだ「奪取」が面白過ぎたので期待しすぎたかな。
 
この作品は4部構成になっており、
第一部~東京
第二部~マニラ
第三部~スールー
第四部~マニラ~東京
 
個人的には舞台が東南アジアというだけで興味が沸く。
ちなみにスールーは自分も知らなかったので調べてみたが、マニラから南、セブ島やネグロス島より更に南西にある。カリマンタンの方が近い。
 
公正引取委員会の審査官伊田は汚職の嫌疑をかけられ辞職することになる。
この策略はやがて判明するが、伊田はある所からODA(政府開発援助)プロジェクトの談合の内偵を任されフィリピンへ渡ることになる。この内偵対象者のリストに同級生遠山の名前を見る。そしてODAプロジェクトの総元締め大須賀が誘拐され、この事件に遠山の妻子が巻き込まれ、妻は殺され、遠山の娘が行方不明となってしまう。伊田は遠山の娘を救出する為に奔走するが。。。
 
真保さんは日本政府によるODA援助に、群がる商社や建築業界、官僚や政治家の腐敗の構造を暴きつつも、旧友遠山を助けようとする気持ちと、内偵という使命に板挟みになりながらも正義を貫く主人公伊田を描く。
 
あくまで好みですが、「奪取」のようにもっともっと胸を熱くさせる作品を読ませてください~!

 

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