本日はコークに見られる文字板と裏蓋の防水表記の変遷について。おいおい、まだ書く気か?そろそろ終わりにした方が良いんじゃないか?多分だけど、もう誰も読んでねーぞ。


いや、それは分かっているのです。でも最後にこれだけは書いておかないと、死んでも死に切れないので。


さて、セイコー好きな方なら恐らくアンティークセイコーの防水表記にはWATERPROOFとWATER RESISTANTの2種類があることをご存じだと思います。コークの裏蓋を例に見てみましょう。


これがWATERPROOFで…


こっちがWATER RESISTANT。

これ、元々WATERPROOF(毎回書くのが面倒なので以下「プルーフ」)という表記だったのが途中からWATER RESIRTANT(同じく「レジスタント」)に変更されたのだけど、これがいつ、どのタイミングで変更されたのかをコークを題材にして見ていきましょうというのが本日のテーマ。


でもその前に、そもそもプルーフとレジスタントって何が違うの?という話を先にしておきましょう。少なくとも私はこの記事を書くにあたって調べるまでは知らなかったので。


プルーフもレジスタントも英語ですが(まさか違うとか?)、これを日本語にすると、前者は「防水」、後者は「耐水」になるそうです。その意味は正に読んで字の如くで、前者は完全に水を防ぐこと、後者はある程度までは水に耐えられること。へー、同じ意味かと思っていたけど違うんだ。ん?だとすると…です。もうお分かりだと思いますけど、プルーフって書いちゃマズいですよね。性能を偽って表記していることになるわけだから。


そこでセイコーさん、慌てて表記をプルーフからレジスタントに改めたわけだけど、じゃあそれはいつからだったの?という点を次に見ていきましょう。


今回私が調べた203本のサンプルのうち、裏蓋シリアルの頭3桁116の6031コークの裏蓋にはプルーフの刻印が、127の6032コークにはレジスタントの刻印がありました。更に言うと、116の6031コークよりシリアルが古い個体124本(ペプシも含む)全ての裏蓋刻印がプルーフで、127の6032コークよりシリアルが新しい個体77本(同上)のうち76本は裏蓋刻印がレジスタントでした。残り1本の裏蓋刻印はプルーフだったけど、これはそもそも別のモデル(6119-6020)の裏蓋が装着されていたので無視して良い。そして大事な点がもう1つ。私が見た中で最も新しい6031コークは上に書いた116で、最も古い6032コークは127だったのです。


ということで、もう明らかですよね?コークは1971年2月に6031から6032へとマイナーチェンジされたが、その際の変更点の1つが裏蓋刻印のプルーフからレジスタントへの変更だった、これはもうそう言い切って良いと思います。


そして変更の内容からすると、この時期にマイナーチェンジされたのはコークだけではないでしょう。当然ペプシも、セイコーのそれ以外のモデルも…と思って過去にロードマーベル36000について書いた記事を読み返してみたら、こっちについては当時の私は1970年の8月から11月までのどこかと結論づけていますね。微妙にズレてはいるけれど、まぁこれくらいなら誤差の範囲内ということで。

さて、話はこれで終わり…ではありません。まだダイヤルが残っていますので。でも、それはまた明日に続きます。