昨日の記事をアップした後、見るともなくヤフオクを見ていたら、例の銀パラの最高額入札者の入札が取り消しになっていて、その時点での最高額も340万2000円に変更になっていました。質問欄によると、なんでも最高額入札者が一桁間違って入札してしまったのだとか。そんなアホな話ある?因みに現在の最高額はそこから少し上がって365万1000円。少し?お前さん、気は確かか?25万だぞ?言われてみれば確かに(笑)。


今日はコークの変遷について。コークには初代6139-6030と、それにマイナーチェンジを加えた6139-6031、更にそれにマイナーチェンジを加えた6139-6032の3種類があります(書くのが面倒なので以下では「6139-」の記載を省略)。

 

裏蓋シリアルで確認していったところ、それぞれの製造期間は、まず6030が1970年1月から1970年7月までの7ヶ月間、次に6031が1970年8月から1971年1月までの6ヶ月間、そして6032が1971年2月から1973年1月までの2年間でした(このうち6032は私が見ていないだけで、実際にはもう少し後まで生産されていたのかもしれません)。

 

さて、興味深いのはここからです。まずはノッチについて。ノッチについては既に1度書いているけれど、今日はもう少し丁寧に見ていきます。

 

まずはおさらいから。ノッチとは下の画像でリューズ周り上部に見られるケースの切り欠きのことです。

ペプシにもコークにも製造当初からケースにはこのノッチがありました。では、それはいつごろから姿を消したのか。ちょうどその時期に製造されたと思われるサンプルの裏蓋シリアル(但し頭3桁のみ)を以下に書き出してみます。

 

077(6030コーク)→ノッチあり

078(6000ペプシ)→ノッチあり

080(6031コーク)→ノッチなし

082(6031コーク)→ノッチあり

084(6031コーク)→ノッチなし

 

077のコークより前の個体(数でいうとちょうど100本)を見ると、ペプシを含めてもノッチなしは4本のみ。そして084より後の個体(数でいうと98本)を見ても、ノッチありは全部で4本のみ。この4本+4本の計8本をどう見るかだけど、常識に従うならケース(または裏蓋)が交換されていると考えるべきでしょう。

 

そこで、以上の事実或いは考察を踏まえてノッチに関し私が出した結論。裏蓋シリアルの頭2桁07の個体まで、つまり1970年7月製造分まではノッチありだが、コークについてはそこでマイナーチェンジが実施され、裏蓋シリアルの頭2桁08の個体から、つまり1970年8月製造分からはノッチなしとなった。別の言い方をすると、6030から6031へのマイナーチェンジが1970年8月に実施され、その際の変更点の1つがケースのノッチに関するものだったのです。

 

そして、これは恐らくですけども、ペプシについてもこの時期に同じ内容のマイナーチェンジが実施されたのではないでしょうか。残念ながら078の後は裏蓋シリアルの頭2桁15の6005までサンプルが飛んでしまうので、客観的な根拠を示せるわけではないのですが、ペプシとコークで使用しているケースはきっと同一のものでしょう。そうだとすると、ペプシについても同時にマイナーチェンジが実施されていなければおかしいのです。

 

おい、ちょっと待て。お前さん、周りが黙ってたら見なかったことにするつもりみたいだから言うけれど、上に書き出した5本のうち上から4番目の082の6031コークについてはどう説明するんだよ。マイナーチェンジ後なのにノッチがあるじゃないか。

 

いや、これはですね。当時ケース工場に勤務していてノッチを削る係だったお父さんが、マイナーチェンジしたからもう削らなくても良くなったのに、ついうっかり昔の癖で削ってしまったのです。で、後でそのことに気がついて「やべっ!」って思ったのだけど、上司に報告すると怒られるので、気がつかなかったことにしてそのまま完成品の中に紛れ込ませたのです。ダメですよねー、ミスはミスとして認められる人間にならないと。


…というのは冗談として、真面目な話、端境期の製品にこうして新旧のパーツ(ケース)が混在していても、別に不思議はないでしょう。現に似たような現象は6031から6032へとマイナーチェンジが実施されたときにも見受けられるのです。えっ、本当に?はい、本当に。でも、それについてはまた次回。