それでは今日から中身の話をしていきます。先ずは基本のおさらいから。

 

61スピードタイマーはセイコーが世界で最初に開発に成功した自動巻クロノグラフです。流郷貞夫さんの著書によると1968年10月には早くも完成して量産が開始され、初期不良への対策も終えて1969年5月21日に晴れて国内で正式発売されました(海外での発売はその数ヶ月後)。

 

最初に市場投入されたのは6139-6000(ペプシ)と6139-6010(ブルース・リー)の2モデル。ダイヤルカラーはペプシが濃紺、ブルース・リーは黒。ペプシには最初から濃紺だけでなく黄色もラインナップされていたという説もあるけれど、当時のセイコーの社内報にはその旨の記載がなく、どちらが正しいのかは正直私には分からない(プラスあまり興味もない)。

 

分かりやすいように画像をあげておきます。これがペプシで…

これがブルース・リー…

…じゃなくて、時計はこっちか(いずれもネットから拝借しました)。

ペプシという愛称は、見て分かるとおりベゼルカラーから来ています(多分)。そしてブルース・リーは、生前ご本人がこのモデルを愛用していたところから来ています。4桁-4桁の最初の4つの数字が示すとおり、いずれもムーブはセイコーが誇るcal.6139。ハイフンの後に続く4つの数字の最初の数字の6はダイヤル外径の末尾(26ミリってことはないだろうから36ミリ?)、続く2つの数字がモデル番号、最後の数字がマイナーチェンジを意味するから(全て受け売り)、モデル番号でいうとペプシは00、ブルース・リーは01、そのファーストモデルだから最後の数字はいずれも0となります。ヤフオクで22万1000円という高値をつけた例のペプシもファーストモデルで、そのシリアルの頭2桁は92(1969年2月製造)でした。

 

上述のとおり1968年10月から量産が開始されていたなら80とか8Nがあってもおかしくはない。でも市場で見かけるのは何故か92から後のものばかり。但しクロノス編集長の広田雅将さんとどこかのガイジンによると91も存在するらしい。私は未見だけど、もしかしたらペプシではなくブルース・リーの方にあるのかも?でも今回はそこまでは調べていないので、この点は引き続きの課題としておきます。

 

あまり飛ばすと後が続かないので、今日はここまで。