先日、息子の幼稚園時代のお友だちのお宅に家族でお邪魔したときのこと、そこの奥様から時計修理の相談を受けました。モノはシチズンのクオーツ、もちろん女性物。なんでも電池交換しても動かず、時計屋では修理不可といわれたとか。いやいや、時計屋に無理なものが素人の私に直せるはずないじゃないですか。そもそも私、クオーツなんて電池交換以外したことありませんし。でも大切な思い出の品だというので、仕方ないから預かるだけ預かって、中を見てみることにしました。

 

まずは定石どおり電池交換から。なるほど、新品の電池を入れても動きませんな。これはやはり私の手には負えないか…と思ってシゲシゲと眺めていたら、んっ?秒針がピクピクしてる。ということは、回路は生きている?ならば…ということで、思い切ってバラしました。この状態から…


ここまで。


因みに取り出した部品がこれ。


さて、こいつらをどうするか。よく分からないから歯車だけ洗浄して、受けと地板はチリ吹きでホコリを飛ばす程度にとどめ、あえて油は差さずに組み直して電池を入れたら、あら不思議、動き出したじゃありませんか。それから1晩おいてみたけれど、朝になっても元気に動いてるし、カレンダーもきちんと切り替わっている。ををーっ、何か知らんけど直った!多分ですけど、微細なゴミだかホコリだかが入り込んで、それが運針の邪魔をしていただけなのではないでしょうか。クオーツはトルクが弱いと聞くので。それにしても良かった。やっぱり駄目でしたといってお返しするのは嫌だなあと思っていたので。何事もやってみるものですね。