昨日アップした記事にいただいたコメントを見て思いました。ああ、やっぱり探している(私の場合はすでに過去形ですが)のは私だけではなかったのだなと。で、バースイヤーウォッチの魅力とは何なのか、改めて私なりに考えてみました。


1点目は何といってもその稀少性でしょう。これ、探したことがある人はきっと分かると思うけど、本当に出てきません。特に私のようにもうすぐ60にも手が届こうかという人間がコンディションやモデルにまで拘り出すと、絶望的といって良いくらい出てこない。冗談抜きでそれほどまでに珍しい。


そして2点目は、だからこそ味わえる、その時計と出会えたときの、そしてその後の人生をその時計と共に生きることへの喜びです。それは例えていうならば、生まれてすぐに引き離され、別々に生きてきた双子の兄弟と念願かなって再会できたときの気持ちとでもいえば良いでしょうか。いや、もちろん私もそんな経験はしたことないので、実際のところはどうなのか分かりません。でも、決して楽しいことばかりでなく、むしろ辛いこと、苦しいこと、思いどおりにならないことの連続である人生を、歯を食いしばりながら懸命に生きてきて、兎にも角にもここまで無事たどり着くことができた、それだけでもお互い幸運だったといえるのに、更にそんな2人(いや、相手はただの時計だけど)が現世でめぐり逢えたという、その偶然、その奇跡。同じ時代を、同じ年月を生き抜いてきたもの同士だからこそ、語らずとも分かち合える感情。それこそがバースイヤーウォッチに他の時計にはない特別な価値を与えるのではないかと。


うーん、そうやって考えたら物凄く貴重なもののように思えてきた。やっぱりあの時計、いただいておこうかしら?いやいやアカン、それはアカン、絶対にアカン!(笑)