分解の途中までを記事にしたシチズンデラックス・セコンドセッティング、その後裏側もバラしてパーツを洗浄し、乾燥の上、組立に入って、もうあとは文字板と針を取り付けるだけというところまで来たのだけど、ここに来てこの機械の致命的ともいえる欠点が浮かび上がりました。その欠点とは何か。下の写真を見てお分かりいただけるとおり、これ、機械を組み上げた状態だと4番車が3番受けにスッポリ隠れて見えないのです。針を取り付けるにはこの状態でリューズを引き出して4番車の動きを止める必要があるのだけど、それは要するに、4番車に取り付けられたピンが今どの位置にあるか分からないままリューズを引き出して停止レバーを動かすことを意味します。これってもうやってることは完全にロシアンルーレットですよね。リューズを引き出したタイミングで偶々停止レバーの先にピンがあった場合、停止レバーが思いっきりピンをなぎ倒して問答無用で機械を壊してくれるわけですから。これはちょっと怖すぎるよなあ。この機構が短命に終わった理由は、ユーザーよりむしろ時計の修理、メンテナンスに当たる街の時計屋さんからのクレームが多かったからかもしれませんね。それはともかく…いま下の画像を見ていて初めて気がついたのだけど、1番受けのネジを3本とも締め忘れているではありませんか!まったく、これだから素人は…。