2021年11月にジュネーブで開催されたフィリップスのオークションに出品され、エスティメートを遥かに上回る約3億8600万円で落札されたオメガの初代スピマスが実はガッチャだったことが分かりました。当初からあれはガッチャではないかという噂はあったところ、その噂が本当だったと分かった上に、落札者が他ならぬオメガ自身だったこと、更にオメガの(元)従業員3名が事件に関与していたことが明らかになって、一時は界隈がこの話題で持ちきりとなりました。


まぁそれはそれとして、問題は…です。この個体、ブリッジ以外は本物のスピマスのパーツをあっちゃこっちゃから集めてきて組み上げたものらしいのです。1番の売りは美しいトロピカルダイヤルで、これを中心に据え、それに合う年代、雰囲気のパーツを組み合わせていって、最後に夜光も昔っぽい色に塗り直して、見た目最高のビンテージを作り上げたというわけ。当然、オリジナルか否かという観点からいくと大いに問題ありということになり、だからこそオメガもフィリップスも自分たちは詐欺の被害者だといって大騒ぎしているのだけど、でも果たしてそうなのですかね?…というのが今回のテーマ。


因みにガッチャの時計のことをガイジンはフランケンシュタイン・ウォッチと呼ぶそうです。へ〜、そうなんだあ。続きはまた明日以降に。