私は、70歳の誕生日に実施した大腸内視鏡検査で、S状結腸にステージ1の大腸癌が見つかった。

一ヶ月後の5月30日に大腸癌の摘出手術を受けました。術後、手術は成功したと聴いて安堵しました。数日後、膀胱留置カテーテルを抜いた数時間後に、事件が起きました。

トイレで排尿しようとしたが、排尿出来ません。時間が経つに従って膀胱がパンパンになり、大変な事になりました。

看護師さんが慌てて、カテーテルを使って排尿してくれました。その後も自分の意思で排尿を試みましたが、全く駄目でした。

それから尿閉の苦しみと屈辱の日々が始まりました。数時間ごとに膀胱に尿が一杯になります。カテーテルで排尿させるために、ベッドに寝かされ、ペニスを看護師さんにさらけ出して、尿道にカテーテルを差し込む作業が始まります。

生きる為には、恥ずかしいなんて、言っておれません。この様な状況が続いて10日後に、自分でカテーテルの操作が出来る様に教わり、退院が決まった。

術後の尿閉は滅多に発生しないが、たまにあるようです。手術中に排尿をつかさどる神経を傷つけた事が原因です。

手術で事故を完全になくす事は無理と理解しているが、この怒りを我慢しなければならないのは辛かった。

退院してから、尿意がある度にトイレで、ペニスにカテーテルを差し込んで、排尿する日々が昼夜続きました。

時間が経つに従って、少しの量だが、自分の意思で排尿できるようになり、一日のカテーテル挿入回数が減ってきました。

そして、忘れもしない、7月14日にトイレで自然排尿が出来るようになり、カテーテルの挿入は必要なくなりました。神経が完全に回復した証拠です。

その瞬間は絶対に忘れることが出来ません。自分の意思で排尿できる事が、なんと素晴らしい事かと思いました。

もう、他人にペニスをさらけ出す屈辱を味わう事はありません。

健康は素晴らしいと本当に思いました。これから普通の生活が出来ることに、神様に感謝しました。と、同時に術後の後遺症がなくなるように祈りました。