長い人生の中で、働きすぎたり、遊びすぎたり、高い山に登ったりした時に、疲れ切って動けなくなった事も何度か経験した。その原因が体内に活性酸素が溜まる事で生じる疲れである。これを効率よく取り除くことが出来たら、疲労は解消する。

若い時は重労働をすると疲れが残ったが、よく睡眠を取るとすぐに回復した。高齢になると、ちょっとした動作でも疲れがたまり、なかなか睡眠だけでは疲れが取れない。

体内に活性酸素が発生すると、人は疲れを感ずる。これらの症状を取り除く作用のあるすぐれた食材があればとても助かる。抗疲労成分とは、疲労の原因である活性酸素の発生を抑え解消する栄養素の事である。

イミダゾールペプチドは鶏のむね肉やカツオに多く含まれ、抗酸化作用がある成分で、老化を遅らせたり、慢性疾患のリスクを低減する事が知られている。

コエンザイム10はほうれん草やしそに多く含まれ、ミトコンドリアのエネルギー生成に中心的な役割を果たし、老化プロセスを遅らせる効果がある。

トリプトファンは桜エビに多く含まれ幸福感を生み出す神経伝達物質であるセロトニンの生成に必須で、睡眠にも効果がある。

この様に多くの食材があるが、とりわけ重要なのは鶏のむね肉、ほうれん草、桜エビだそうだ。

イミダゾールペプチドには抗酸化作用があり、疲れをとる上で完璧な栄養素である。イミダゾールペプチドの一日の摂取目安量は200㎎で、これは鶏むね肉なら、22g位で簡単に摂取できる。

イミダゾールペプチドやコエンザイム10はサプリメントで市販されている。特にコエンザイム10は私がエーザイに勤めていた頃のヒット商品で、商品名はノイキノンとして販売されていた。循環器内科で心臓の拍動の手助けをする薬剤として良く使用されていた。思い出の深いサプリメントである。

この二種類のサプリメントは、我々の疲れを癒す薬剤として服用する価値がある気がする。勿論食材から摂取するのがベストだと思うがサプリメントも、我々が元気で過ごすには手放すことが出来ない一つかも知れない。