私も生まれて初めてアンビリバボーを体験しました。海水温度はまだ11℃と冷たく釣果が全く期待出来ない状況である。去年の釣り収めから既に5か月が経過している。

今回の出船は釣れることは期待できず、今年の釣りのオープニングアップの気持ちで、気楽に釣り場の長崎グリに到着した。

案の定GPS魚探には、魚影は全くなく、グリの周辺を探索しても魚は一匹も映らない。あんなに沢山いた魚たちは何処に隠れたのだろうと不思議に思った。月曜日ということもあって他船は全くいない。私は全く無駄な行為をしているのではないかと心配さえした。

魚がいない所に釣り糸を垂れても、アタリがあるはずがありません。私はグリを隈なく探して、海底が35mの辺りで一匹の小さな魚を見つけ、ここなら魚がいるかも知れないと思い、新品のハリスと釣り針にオキアミを2匹抱き合わせで付けて、一投目を投入した。

釣り針が海底すれすれにいくように、仕掛けを30m付近で止めて、長さ9mのハリスを漂わせるようにセットした。大物が釣れても大丈夫の様にラインの強さも適度に調整した。

アタリを期待する事なく、ぼんやりと竿先を眺めていた。その時信じられない事が突然訪れた。竿先が海中に深く潜り込み、リールは唸り声を上げて反回転し始め、ラインはどんどん海中に引き込まれていく。私は咄嗟に大物がヒットしたと確信した。

ロッドを手に持ち替え、ライン調整しながら、大物の魚とやり取りを開始した。時々凄い引き込みがあり、いなすのが大変であった。5分位やり取りをしながら、漸く海面まで魚を引き上げた。

大きな鯛の魚影が目に入った。私は有頂天でした。何とかタモに大物の鯛をいれた時に、ヤッタと大声を挙げました。まだ、海水温度が低く魚影が全く映らない場所で、一投目でこんな大鯛に出くわすなんて、アンビリバボー以外には言葉が思いつきません。

こんなことって現実に起きるんだと奇跡に感謝しています。人生は何が起きるかは分かりません。ただ嘆きながら過ごすより、何時も何かを期待しながら過ごすほうが、人間らしく生きれるように思いました。