地震対策は予想される震度が6弱~5強の地震に、如何にして命を守るかを、今までの経験から考え出されている。これはとても大切なツールだ。

しかし、6強以上の地震に対しては、なすすべが無い。全くのお手上げです。

誰もが新しい年の平穏と多幸を願う元日に石川県の能登半島を大地震が襲った。1日午後4時10分頃、能登地方を震源とするマグニチュード7.6、最大震度7の地震が発生した。この地震により震源に近い石川県輪島市西部で最大4mの隆起と最大1mの西向きの地殻変動が観測された。震源断層は150k、地震加速度は東日本大震災にほぼ匹敵する。今まで海底であった場所が隆起して一瞬にして陸地に変わっている。

津波測定器は衝撃で破壊され全く作用せず、情報は津波が地震直後に3mの津波が押し寄せているにもかかわらず、テレビの字幕には1,2m以上と書かれたままで、まったく、信頼性がゼロであった。一番正確な情報を知りたい時に何の役にも立たなかった。暗くなると新しい情報は入らず、昼間のビデオの繰り返しである。

翌朝になって漸く、無数の亀裂が入った道路や、転倒したビル、落下した橋、無残につぶれるように倒壊した家屋など、大地震の爪痕や大規模被害実態が分かる。

その後に必ず大規模火災が発生するがなすすべがなく、成り行きのままである。マグニチュード7.6と大きく、かつ震源の深さが16kmと浅い地震の怖さをまざまざと見せつけられた。

私達は元日から地震列島に住んでいることを思い知らされた。いつも、大地震は不意打ちだ。大地震に対する国や自治体の公助の充実も大切だが、自分たちができる範囲の自助も必要だ。家具の固定や就寝場所の落下物対策、備品、避難路、避難場所の確認などが大切だ。

私達も次はここが大きく揺れるかも知れないという危機感を持ちたい。とにかく、自然の力は巨大である。自然の脅威にさらされている事を一時も忘れることなく過ごしたい。