
2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会、メセナ・アネックスにて
2025年6月29日(日)14:00よりメセナ・アネックス(TX八潮駅前)において、48 年振りに新設される、小学校の名前を考える緊急集会が開催されました。
新設小学校の名前が決まろうとしています。このことは市民にとって大切な内容にもかかわらず、市報(広報やしお)に「花桃小学校」案は一度も掲載されていません。ですから市民のほとんどは、このことを知らずにいます。決定してしまう前に、この新設小学校で学び巣立って行く子供たちの未来のために、大人たちが集まって真剣に考える集会になりました。
(2027年4 月/48 年振り)八潮市立小学校 新設記念
地名とまちづくりを考える
「垳」を学ぶ緊急集会
基調講演「地名を学校名に活かす意義」
今尾 恵介 氏
一般財団法人 日本地図センター客員研究員/エッセイスト

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/基調講演:今尾 恵介 氏
お住いの地域周辺での実例を中心にお話しいただきました
明治期に創立された東京都日野市の豊田小学校は、1955年に市立日野第二小学校と改称されましたが、2015年に豊田小学校に戻しています。これは豊田小学校のOBが集まった時に「番号では場所が分からない」という意見が出たことによる復活だったといいます。
その後、1971年創立の滝合小学校以降は固有地名を用いるようになりましたが、逆に統合されて旧地名が消え、校歌や校章まで失われたケースもあります。

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/基調講演:今尾 恵介 氏
八潮市では1994年に、それまで番号制だった小・中学校の校名を地名や地域の特色を生かしたものに変えています。
広報「やしお」(1994年1月25日付)に掲載された校名変更の経緯

広報「やしお」(1994年1月25日付)
本市は、八條・潮止・八幡(やわた)の3村が合併して八潮村となった後の昭和37年に「旧村意識をなくそう」との理由で、市内の小中学校の校名を番号制にし、以後すでに30年も経過しています。
ところが、昭和51年ごろから「番号のついた校名では学校の位置がわかいにくい」「旧地名が消えつつある現状から旧地名の保存を考えるべき」などの意見が、市民の皆さんや市議会から多数寄せられはじめました。
このため教育委員会では、市制20周年を契機に平成3年5月に「校名変更審議会」を設置し、慎重に検討を重ねてきました。昨年の6月、同審議会から最終答申を受け、その答申どおり変更することを決定しました。
元来、校名は学校そのものであり、地域の文化、教育の発祥地として古くから親しまれ、多くの卒業生を輩出してきました。また、校名は、個人の経歴のうえでも生涯にわたって固く結びついています。校名にその地名をとどめることや地域の特色を生かした校名に変えることは、校名に由来した地域の歴史や文化等を児童・生徒が学び、ふれることにより教育的効果が高まるという期待がもたれ、ひいては郷土愛にもつながることと考えられます。
全国的に見て新設の学校名を地名にする方向になっていますが、全てを変更するケースはまず無く、当時の八潮市の見識の高さは研究者の間でも高く評価されています。
1994年の校名変更にいたる決定を振り返るとき、なぜ「花桃?」と思ってしまいます。歴史や文化的な背景がなく、この時の校名変更の経緯に反するように思います。
<花桃について>
花桃は2016年11月に八潮市の花として追加指定されていますが、花桃からこの新設小学校の地域を連想するのには無理があります。また花桃は枯れやすく都市部では育ちにくい木といわれます。様々な害虫や病気などに弱く、一般に木の寿命が短いようです。寄付により駅前ロータリーなどに植えられた花桃が、短期間のうちに枯れてしまった、枯死が目立つという点からもうかがい知ることが出来ます。

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/基調講演:今尾 恵介 氏
金沢市に始まった町名の復活から百万石の加賀を残しましょう! の流れが印象に残りました。そのはじまりは主計町(かずえまち)です。1970年に尾張町の一部となり消滅しましたが、1999年に復活しています。
金沢市のホームページを見ると、旧町名復活のページがあり、まちの歴史・特色が丁寧に掲載されていたり、復活されていない旧地名についても由来などを一覧で見る事ができ、その町に行って見てみたい!そんな気持ちになりました。
地名は、その土地の歴史や文化の象徴であり、地域の記憶装置です。文化資源としても見直され、旧地名の復活は金沢に始まり、全国に広まっています。
近隣では、埼玉県鴻巣市「本一町・鞠子・新屋敷・防山」などがあります。
鴻巣市では、2008年以降段階的に旧町名を復活し、鴻巣駅前や小学校敷地、公園などに旧町名が再登場しています。その結果、教育・地域活動と連動した文化継承の試みも行われているといいます。
「校名に由来した地域の歴史や文化等を児童・生徒が学び、触れることにより教育的効果が高まるという期待がもたれ、ひいては郷土愛にもつながる」
子供たちの学びの場としての小学校の校名、もう一度真剣に考えてみませんか!
報告
「地名・学校名と郷土愛 ― 新座市立の小・中学校と「野火止」―」
宮瀧 交二 氏
大東文化大学文学部 教授・図書館長

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/報告:宮瀧 交二 氏
新座市の地名・学校名を挙げての説明です。「新座市」の由来は古代「武蔵国新羅郡」で、奈良時代に新羅からの渡来人定住のための行政区画です。この辺り「武蔵野」は見渡す限りのススキ野原で、農耕はわずかに焼き畑が行われる程度でした。1655年に野火止用水が完成し、新田・耕地の開発が進み、村が増加します。また入植者たちは落葉樹を植林し、防風林・家庭用の燃料・たい肥として利用していったことから、美しい武蔵野の雑木林の景観ができてきました。
「野火止」は用水が完成する以前の、焼き畑の「火の延焼をコントロールするための施設が存在した」ことからの地名とも言われています。新座市では、この15世紀にさかのぼる地名を大切にされていて、地名・学校名にとどまらず、多くの学校の校歌に「野火止」が登場しています。

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/報告:宮瀧 交二 氏
「地名は、その地域の歴史そのものであり、地域を代表する公立の公共施設・機関である小学校や中学校の校名には、伝統的な地名を冠することが望ましいと考える。」
文化財などについても詳しい先生によると、文化庁の進める「文化財保存活用地域計画」の中で、近年無形文化財に力を入れているといいます。「垳」という地名からは、垳~八潮市の歴史を辿ることが出来ます。また、八潮市内に残る多くの地名も、文字や響きは独自性があり面白いと思います。「垳」は日本唯一の地名であり水とともに生活してきた地理や地形にもとづいています。地域の歴史や伝承を大切に伝え残すことで、貴重な無形文化財に指定され、八潮市の地名や歴史、貴重な建造物、これらが一つになって文化財であり、地域の資源になる! 考えるだけでもワクワクしませんか。
報告「方言漢字『垳』の意義を考える」
昼間 良次 氏
八潮の地名から学ぶ会 事務局長

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/報告:昼間 良次 氏
「方言漢字」(何らかの地域性を帯びた漢字)は、地域文化の象徴です。その代表例が、八潮市の「垳」です。由緒ある地名は、まちづくりの資産に成り得ます。2012年に「垳」を守る会を結成し、様々な活動を重ねる中で、2021年「方言漢字マップ」(埼玉県編)が多数のメディアで紹介されました。

リーフレット「方言漢字マップ」(埼玉県編)
「垳」この場所は交通の要衝でした。千住から下妻までを結ぶ中世の古道であり、江戸時代に整備された日光街道よりも古い、奥州古道・下妻道の本道。また陸上交通と舟運(水上交通)、および文化圏の交差点でした。応永3(1396)年開創、市域最古の寺、垳・常然寺(浄土宗)があり、万人塔に刻まれた人々の数が8700名に上ることでも裏付けられています。

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/報告:昼間 良次 氏
郷土愛の源泉となる地名、教材としての「垳」
2021年3月に八條中学校 国語科教諭2名が「方言漢字」の授業をされています。
・「垳」という漢字がなくなってしまうのは悲しいので、守れたらいいなと思いました。
・埼玉や八潮から出来た漢字があるなんて、初めて知りました。
・「垳」は八潮だけの漢字なので誇れる。
・「絶滅危惧方言漢字」があることに驚いた。
・「方言」と聞くと、北海道や沖縄・関西の東京から離れてたイメージでしたが、私たちの身近なところにあると知って驚いた。
・自分の「蓜島」姓の由来を知り、家族の疑問が解けてとても嬉しいです。
・漢字が絶滅すると聞いて驚いた。
・埼玉県の「埼」が方言漢字と知らなかった。
これはごく一部ですが、学んだことによる驚きに満ちた生徒の感想です。
指導された教諭からは「郷土愛を育む為に、教科の枠を越えて道徳や総合学習の観点からも『方言漢字』を学ばせたい」という感想があったということです。
「方言漢字」(何らかの地域性を帯びた漢字)は地域文化の象徴です。その代表例が八潮市の「垳」です。由緒ある地名はまちづくりの資産に成り得ます。地名を残して学び、まちづくりの資産として活用して行きたい。
子供たちのために、もう一度考えてみませんか!

八潮市より公開されたデータを表にしたものです
予告記事にも掲載した、2023年11月10日~12月11日に行われた市民アンケート(校名公募)の集計です。このアンケート結果が八潮市のホームページに校名集計表(理由、説明)として公開されたのは2025年6月18日です。これは6月20日の定例教育委員会で校名案を決定し、後は7月の議会での審議を経て決定するのみという最終段階です。市議が一般質問においてこの件を質問した後です。1994年に番号制→地名や地域の特性を生かした校名に変更した経緯を・・・思い出して下さい。
子どもまん中社会 = 子供に決めさせることでしょうか?
ゲームの時間やおやつの食べ方に対して、子供が決めたから良いと考える方は多くは無いと思います。子供たちの意見を聞くのは大切ですが、そのまま決定では、その答えを出した子供たちに結果として責任を負わせてしまうことにならないでしょうか。本当に子供たちをまん中にするためには、最後には経験のある大人たちの責任ある行動が必要になるように思います。
<読みやすい漢字をという声があります>
戦後の「当用漢字」の時代? ご存じですか? 1946年に内閣告示された「当用漢字表」は、日常生活で使う漢字を1850字に限定し、公文書・新聞・雑誌などでの使用を原則としました。また、当用漢字に含まれない漢字は、原則として新たな地名に使えないとされために、町名変更や土地区画整理の際に、読みやすい漢字に置き換えられる例が多発したようです。
様々な理由で失われていった旧地名には、その土地の歴史や文化・地域の記憶が凝縮されており、文化資源として見直されています。旧地名の復活は金沢に始まり、全国に広まっています。
日本中でここにしかない地名「垳」という場所に新設される小学校です。郷土愛を育み、子供たちの誇れる校名を、もう一度考えてみませんか!
声明文
私たちは、本日の集会を通じて、八潮市に現存するこの「垳」という地名が、先人たちの手によって大切に受け継がれてきた、かけがえのない文化遺産であるということを再確認しました。
また、学校名は地域の人々の思いや営みの象徴であり、学校名が 果たす役割も理解できました。有意義で先進的な教育を行うからと いって、地域の歴史・文化と無関係な根拠のない学校名にする理由 はどこにもありません。
そして、歴史・文化的背景を持つ地名を学校名にすることこそ、そこで学ぶ子どもたちにとっても意義深いことです。なぜなら、地名の由来や変遷と地域の歴史を学ぶことで、地域への愛着や心豊かな生き方が養われるからです。それこそが郷土愛と市民としての誇りの源です。
本日の集会参加者一同は、この八潮市に残されてきた美しい自然 や数多くの文化財とともに、「垳」をはじめとする数々の地名もまた大切な文化遺産であると考え、次代を担う子どもたちのため、「垳小学校」の誕生を命「垳」(?) で求めここに声明します。
令和7(2025)年6月29日
「垳」を学ぶ緊急集会 参加者一同
企画展示「八潮市の地名を味わう」

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/企画展示「八潮市の地名を味わう」
三つの曽根(自然堤防の最高地点)~ ボウ:崩、吠、坊(ガケ地形)にかけた言葉遊びです。市内メーカーのお菓子を味わいながら地名を味わって下さい!!
三矢製菓株式会社 …「レモネード」(ラムネ)
株式会社やおきん … うまい棒
「垳」アイテムの新作発表

2025年6月29日「垳」を学ぶ緊急集会/企画展示「八潮市の地名を味わう」、「垳」新作アイテム
「垳っぷちまんじゅう」
(こし餡に加え、小松菜餡「美味しすぎて、小松ゃう菜!」が仲間入り)
〇菓子道楽 杵屋(八潮市八潮 6-4-10 TEL048-996-5498)にて、1ヶ100円で販売中
ごま塩「垳」赤飯おにぎり1ヶ170円、「垳」いなり寿し1ヶ110円
〇鶴見製菓(八潮市中央2-17-7 TEL048-996-7937)にて、各販売中
※ 八潮市内のお店で販売中!
菓子道楽 杵屋さんの「垳っぷちまんじゅう」は、黒砂糖や八潮産白玉粉入りの生地はしっとりモチモチ。やさしい甘さのこし餡に小松菜餡が加わり、美味しすぎて小松ゃう菜!
鶴見製菓さんの ごま塩「垳」赤飯おにぎりは正統派のお赤飯、「垳」いなり寿し のしっかりした味わいは、暑い季節にも嬉しい美味しさです。
※ オンラインによる署名活動を行っています。
電子署名は、こちらをクリックして下さい。
主催・問合せ:八潮の地名から学ぶ会
TEL:090-4389-4895 FAX:048-998-4451
E-mail:gake840@yahoo.co.jp
関連項目
● 29日(日)メセナ・アネックス/48年ぶりの新設小学校の名前を考える緊急集会が開かれます。
● ご存知ですか?「垳」は日本で唯一の地名であり文字の文化遺産。その地名が消えてしまうかも!!
Yahoo!ニュースエキスパート(八潮市)地域クリエーター yuko.N
2025/7/7(月) 5:00 投稿記事