(咲き始めた花桃と葉の花、2024年3月2日撮影)

1月の花桃園のわきに白い房咲き水仙が可憐な姿でたたずんでいました。2月になると菜の花畑が鮮やかな黄色に染まっていきます。3月になればピンク色の花桃が開花し、八潮市に春一番の花桃まつりの季節が訪れます。


花桃園脇の房咲き水仙、2025年1月25日撮影

この日の気温は9度、昼過ぎに雲が切れて差し込んだ日差しに、愛らしい花の姿が際立ち、静かに早春の優しい香りを運んでくれます。

「中川やしおフラワーパークの歴史を知ろうの会」


八潮市生涯楽習館にて、種家さん(左)織田さん(右)にお話を伺いました。2025年1月7日撮影

2024年1月7日「中川やしおフラワーパーク」を整備された方々にお話をうかがう事ができました。山本商店の田中さんに、この場をご準備いただいたことを心から感謝いたします。
種家さんは寿産業の代表取締役です。
織田さんは織田興業の代表取締役。現在、八潮市観光協会の会長を務めておられます。

八潮市観光協会のホームページに1997年(平成9年)にフラワーパーク開園とあります。何も無かった河川敷に最初に作られたのは、フラワーパーク・マリーナです。また現在は散策する方も多く、トイレやしだれ桜も植えられている堤防ですが、その堤防自体も無かったそうです。現在私たちが目にしているフラワーパークのイメージとは大きく異なる風景だったようです。


フラワーパークの駐車場の奥がフラワーパーク・マリーナです。2025年1月25日撮影

この場所は個人所有の土地でもあったことから、当時の県議会議員であった大山敏夫さんからの依頼もあり国交省に相談に行きましたが、はじめは何も出来ないと言われたそうです。そのころ中川と川口の芝川には不法係留が700艇あったそうです。その対策として土屋知事の頃に埼玉県営マリーナが2ヶ所、八潮市の大場川マリーナと川口市の芝川マリーナがオープンしています。2ヶ所のマリーナがオープンしても係留場所が大きく不足している状況が続きました。その対策を役所を交えて話してゆく中で民間でマリーナの建設を!という事になり、その頃には役所も協力的になっていて、国交省に何度も通って交渉を続けた結果「フラワーパーク・マリーナ」の建設が決まりました。

※ 2001年の中央省庁等改革に伴い、運輸省・建設省・国土庁・北海道開発庁を母体として国土交通省が新設されています。マリーナ及びフラワーパークオープンの時点では建設省ですが、現在の通称としての「国交省」で記載させていただきます。


フラワーパークの駐車場とフラワーパーク・マリーナの間の木は桜です。2025年1月25日撮影

その場所は草が生い茂り不法投棄のひどい場所。まず取り掛かったのはゴミの片付けでした。大量のゴミの処理を行政に負担して頂くことは出来ずに、結局、織田さんが私費を投じて片付けられたようです。

この場所に不法投棄されていたのは、マイクロバス・乗用車など車7台と、他に4トン車で7台分の粗大ゴミだったそうです。

県営大場川マリーナの工事をされていた織田さんが、その土地を整地して私費で造られたのがフラワーパーク・マリーナ!!その後、会社組織の必要からマリーナ会社を設立。


駐車場ではデイキャンプを楽しむ方々も。
マリーナは海の無い八潮市の水辺を楽しむ場。2025年1月25日撮影

このマリーナ事業に対して、残念なことに八潮市では金儲けのためでは?などという抵抗もあったと言います。

この事について、お話の最後に「マリーナは儲かるのですか?」とお聞きしたところ、「儲かれば大手がやるでしょう!」 フラワーパーク・マリーナは有名なマリーナとは比べ物にならないお手軽な価格設定で、問い合わせが多いけれど空きがない状態のようです。

 


駐車場・マリーナの奥がフラワーパークです。2025年1月25日撮影

マリーナが出来て1~2年たったころ、ロータリーの会長だった川澄吉夫さん(以降川澄さん)が「ここに花を植えたい!関東の桃源郷を作りたい!」5000坪以上あったフラワーパークの場所を「全部貸してくれないか」と!!
川澄さんは、ロータリーでのご自分の事業としてフラワーパークを計画され、設計は齋藤 勝さんに依頼されました。「齋藤さんが川から見た絵を描いてくれて、その通りにフラワーパークを作ったんだよ!」

当初はフラワーパークの草苅・トイレの掃除、後の水辺の楽校の草苅もロータリーがボランティアで行っていたようです。このころ、ボランティアを募って「草苅大作戦」を行う事になりましたが、広大な場所が草ぼうぼう!二度とボランティアが集まらなくなってしまってはと、織田さん・川澄さんの会社の社員が事前に草刈りを行い、当日は一時間程度で終わるように準備されたとか!!当日はたくさんのボランティアが集まったようです。
その後のフラワーパーク・水辺の楽校がきれいに保たれているのは、毎日のように通い、作業を続けているボランティアの方々の力によるものです。


フラワーパークからマリーナを望む。2024年3月7日撮影

ここからは、川澄さんが中心となり、ロータリーのメンバーがねじり鉢巻きで、菜の花を植えられるようにスコップを持ち石を片付けて開墾し、地元のボランティアも募り、若手農業者の青耕会は耕運機も自前で持ち込んで、すべてボランティアの手によって耕して、花を植えてフラワーパークを整備されたと言います。近くにお住いの佐藤貞年さんは育てる会を作って、現在も日常的に維持管理をして下さっています。園内の彼岸花が増えていることにお気づきでしょうか?(彼岸花など様々な花を植えて下さっているようです。)

1997年(平成9年)にフラワーパーク開園!!


マリーナ側の駐車場脇は桜並木です。2025年1月25日撮影

織田さんは一段落したところでマリーナ事業から手を引こうとされたようです。その時、国交省は全国的な見本として河川敷に建設許可を出しており、また包括的な遷移を考えている時でもあり、織田さんに手を引かれたら計画が台無しになってしまうと引き留められたといいます。市に対して考えられていたようですが断られ、商工会もお金を扱う事が出来ない事から、この時に観光協会を営利目的の事業も行えるように、5人が名義人になって法人化されています。現在もマリーナ事業は一般社団法人八潮市観光協会の中に組み込まれています。

堤防の上の「水洗トイレ」と「しだれ桜」


木曽根排水樋管の向こうがフラワーパーク。新堤上のトイレにも注目!!2025年1月25日撮影

新堤は、織田さん・川澄さんが数えきれないほどに足しげく国交省に通い、マリーナやフラワーパークも完成したことから、国交省が整備してくれたものだそうです。
織田さんが当時の江戸川河川事務所の所長に、トイレを造ってほしいと話したところ、簡易トイレの意で快諾されたようです。「新堤防の上で”見晴らしトイレ”っていう名前をつけるから、水洗のしっかりしたトイレを作ってくれ」と要請。国交省は堤防の上に水洗トイレと桜の木を植えるなどということは出来ない。堤防の上のトイレなど日本全国に無いと!!


新堤上の「見晴らしトイレ」両側には「三春の滝桜」 2025年1月25日撮影

堤防上のトイレのある場所は、堤防の幅が広いことに気付かれていますか?これは腹付け(はらづけ)と言って堤防の斜面に水害防止のために別途に土を盛って作っているという事です。トイレの下には浄化槽があり、国交省がしっかりした設備にして下さったようですが、かなりの額の費用がかかっているようです。トイレの両側のしだれ桜をご存知ですか?これは「三春の滝桜」の子どもを分けていただいたものです。八潮市のロータリーは福島県の三春と友好関係にあることから分けていただいたそうです。一度枯れてしまい、再び植え直しました。車で二度、三春まで足を運ばれたようです。

これからは是非トイレにも注目して下さい!!
ペーパーなども補充され清掃が行き届いてきれいでした。また手洗い場の窓からはマリーナやフラワーパークが見晴らせます。

「水辺の楽校」


水鳥が遊ぶ水辺の楽校。 2025年1月25日撮影

水辺の楽校を計画していた頃の国交省は、住民の要望について予算を付ける方向に変わって来ており、国交省が全ての工事を行って完成されました。

<国交省・江戸川河川事務所、E-na(い~な)だより2015年5月17日開校より>

八潮市木曽根地先の中川やしお水辺の楽校において5月17日(日)、開校式を含む開校イベント(中川やしお子供の水辺運営協議会=事務局八潮市主催)が実施されました。
中川やしお水辺の楽校は地域の熱い思いにより地元有志、行政協力の下、子供達の自然体験活動や環境学習拠点として、十年近くかけてこの3月にようやく完成しました。

<水辺の楽校とは>

子どもたちの地域の身近な水辺における環境学習や自然体験活動を推進することを目的として、国土交通省、文部科学省、環境省の連携により進められているプロジェクトです。

 


銀杏の紅葉が美しい水辺の楽校。2024年11月22日撮影

現在は八潮市が中心となり「中川やしお子どもの水辺運営協議会」が運営や管理を担っています。

*水辺の楽校の隠れた秘密*

当時の国交省の所長がとても協力的な方で、満月の夜「月が綺麗に映って、十五夜が綺麗に見える」そんな設計をして下さったといいます。また、木は屋敷林という名前で残して下さった!(新たに木を植えることは出来ないという事です。)大きな銀杏などの木は貴重な木陰や美しい風景を作り上げています。
*いつか「観月の会」が企画されることを期待いたします!!

「八潮市に桃源郷を!!」

首都圏で桃源郷は八潮市にしかありません!!
豊かな自然の中では花桃の害虫を食べる虫がいるといいます。川澄さんが大学などに行って勉強し、大学からも興味を持って来てくれたそうですが、首都圏では無理との結論。
「無理なのをやるから良いんじゃない!桜や梅じゃどこでもやってる」そんな強い想いで頑固に花桃にこだわって創ったのが八潮市の桃源郷「中川やしおフラワーパーク」です。
※ 現在、桃の木の管理はグリーン建設に委託されています。

「中川やしおフラワーパークの四季」


花桃は3分咲きです。2024年3月および2025年1月撮影

1月25日(日)のフラワーパークには、房咲き水仙が咲き始め、菜の花も少しずつ花を付け始めていました。あと1ヶ月もすると花桃の蕾がピンク色に染まり、菜の花も咲き揃ってくる頃でしょうか。フラワーパークに春がやってきます。


2024年5月撮影

菜の花とネモフィラは、パッチワークのように植えられています。菜の花が満開のころにはまだ頼りなげなネモフィラも、4月中旬~5月上旬に満開を迎えます。水辺の楽校の中川べりの「おおむらさきつつじ・水辺の回廊」は、2024年は連休前が満開。連休の終わりまでは綺麗な花を楽しむことが出来ました。5月は、ヒナゲシや水辺の楽校の緑も際立つ季節です。


2024年5月2日撮影。※平日でしたが特別に飾られていました

この季節に忘れてはいけないのが「鯉のぼり」です。連休中の日中だけの風情です。
荒天・強風などの場合は、泳がせることが出来ないのでお休みになります。ほどよい風が吹く、日の高い時間がおすすめです。


2024年、5月および10月撮影

5月は、多種多様な花々を楽しむことが出来る季節です。矢車草やヒルザキツキミソウも目を楽しませてくれました。
9月下旬~10月上旬は「彼岸花」の真紅が見事!白や黄の彼岸花も楽しみです。
花桃の木の下やお花畑の脇など、園内のあちらこちらを散策しながら楽しむことが出来ます。──  ボランティアの方々は、お花畑を囲むように広げていました。
「コキア」は独特のふんわりした姿が印象的です。列を作って並んでいる様子は綺麗なだけでなく、可愛らしく楽し気に見えました。


2024年11月に撮影

11月になるとコスモスが可憐な花を付けます。2024年は、時期をずらせて植えられていて、11月下旬にもきれいな花を楽しむことが出来ました。また、コスモスは摘み取りの出来る期間がありました。堤防の斜面の一部ですがススキが綺麗でした。この時期に際立っていたのは、水辺の楽校の銀杏の紅葉です。この日は澄んだ青空と風のない静かな水面に映った様が見事でした。鮮やかな小菊にも目が留まりました。フラワーパークには市民の方々が管理されている花壇があります。花の少ない季節にも、いくつもの”素敵”を見つけられる場所だと思います。


フラワーパークの文字がパンジーの花で描かれています。2025年1月25日撮影

30年前に大量の不法投棄を片付けてマリーナを建設し、ボランティアの力で花を植え、八潮市に桃源郷を!!そんな先人たちの夢が強い想いで創りあげた!!
そのスタートから現在に至るまで、フラワーパークはボランティアによって創られ、ボランティアによって美しい姿を見せてくれます。
お話をうかがって、八潮市に住む私たちがこれからのフラワーパークを大切に守って行きたいと思いました。


2025年2月16日、八潮市役所 商工観光課との合同開催の清掃活動に大集合

「花桃の季節」を迎える前に、フラワーパークをきれいにしようという企画「中川やしお子どもの水辺運営協議会清掃活動」に賛同して集まったメンバーです。水辺の楽校~駐車場は大きなゴミは少ないのですが、協和橋を過ぎる辺りは大きなゴミが目立ちました。
先人たちがつくり、残して下さった「中川やしおフラワーパーク」「水辺の楽校」みんなが気持ちよく憩える場であり続けるように守っていきたいと思います。
山本商店さん主催で毎月行っている「夢拾い」も合流し、そのメンバーの一人として「ゴミ:夢拾い」たくさんの夢を拾い集めてきました。

今年の花桃まつりは2月18日の会議において中止になることが決定したようです。八潮市では1月28日にあった陥没事故による影響が続いています、節水が解除されてもトラック運転手さんの救出には3ヶ月もの時間がかかるといいます。流れてしまう水を考えると安心して使うことは出来ずにいます。全国の方々が気にかけて下さっていますが、地元八潮に住む私たちも、やり切れない思いをかかえて生きています。花桃まつりは中止になりましたが、菜の花の開花が進み、花桃のつぼみも膨らんできました。市民が手入れをしている花壇も様々なお花を咲かせています。時にはお花を見ながらの散策でリフレッシュしませんか!!

中川やしおフラワーパーク水辺の楽校

埼玉県八潮市大字木曽根1009-1

営業時間:6:00~18:00

駐車場:400台

お問い合わせ
<中川やしおフラワーパーク>
一般社団法人八潮市観光協会
電話:048-951-0323

<水辺の楽校>
市民活力推進部 商工観光課 観光推進係
電話:048-996-2111(内線202)

 

 

Yahoo!ニュースエキスパート(八潮市)地域クリエーター  yuko.N

2025/02/19(火) 22:30投稿記事