2025/11/16方言漢字ウォーキング大会「垳地蔵の歩んだ道」にて撮影
第3回方言漢字ウォーキング大会「垳地蔵の歩んだ道」
380年前「垳」の地(常然寺の近く)にあった、仰願寺は現在の台東区清川へと移転し、祀られていた「垳地蔵」も共に移されました。開催趣旨は「垳地蔵」に焦点を当て、380年前に歩んだ道と想定される「下妻道」を、八潮市垳の常然寺から台東区清川の仰願寺までーー全行程およそ12kmーーをたどるウォーキング大会です。
- 実施日時:2025年11月16日(日)8:30~15:00
- 歩行経路:常然寺(八潮市垳)~八潮市浮塚~足立区花畑~六町・五反野・千住~荒川区南千住~仰願寺(台東区清川)
※垳(がけ)、常然寺(じょうねんじ)、仰願寺(こうがんじ)、下妻道(しもつまどう)
2025/11/16八潮駅にて撮影
つくばエクスプレス八潮駅改札前に8:30集合。参加者は9名。ここから出発地である常然寺に徒歩で移動します(1キロ余り)。
2025/11/16常然寺に向かう途中、新設小学校建設地脇にて撮影
常然寺に向かう途中の新設小学校建設地ですが、この場所には「垳」の意味が分かる場所があるといいます。
2025/11/16常然寺に向かう途中、新設小学校建設地脇にて撮影
秘密はこの傾斜です! 垳川に向かって水が”ハケル”ように傾斜のある地形です。
川に囲まれた平坦な地形は水害に見舞われることが多く、垳川に向かう緩やかな傾斜によって水が流れて行く。また「土」も流されて「行」く。このような地理的条件から地域由来の漢字「垳」(土+行)が生まれたという伝承があります。
方言漢字ウォーキング大会「垳地蔵の歩んだ道」常然寺からスタート

2025/11/16常然寺前にて撮影
スタート地の常然寺では、企画を主催する「八潮の名前から学ぶ会」の長谷田会長が出迎えてくれました。

2025/11/16常然寺本堂にて撮影
過去2回のウォーキング大会に参加された会長から、垳への深い想いと愛情が込められた激励の挨拶をいただきました。

2025/11/16常然寺本堂にて撮影
ご住職からのありがたいお話に耳を傾け、また道中の安全祈願を受けて心も清められました。いよいよ旅の始まりです。

2025/11/16垳川排水機場にて撮影
まずは常然寺からわずか300m、地域を水害から守る垳川排水機場を見学。川と人の暮らしを支える施設に触れたあと、常然寺の脇を抜け、昔日の情景に思いをはせながら垳地蔵の歩んだ道へと歩みを進めます。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~垳稲荷神社にて撮影
常然寺から150mほどの場所にある垳稲荷神社を右手に見ながら進みます。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~垳川沿いにて撮影(右上:遠景は平成泉橋)
秋色に染まった木々が川面に映え、良く晴れた秋の日の爽快感が私たちの背中を押してくれるーー絶好のウォーキング大会日和! 先導役の昼間さんより、道々貴重なお話しをうかがうことが出来るのも、このウォーキング大会の大きな魅力です。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~垳川沿いにて撮影(平成泉橋)
平成泉橋は、上から見ると中央に円を描くユニークな造形の橋です。かつては橋の円形部の両脇から水が放出され、印象深い光景だったようです。現在はその仕組みは止まっていますが、橋の中心部が円形の造形美は健在で、垳川沿いを歩く人々にとって大切なフォトスポットになっています。
2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~垳川沿いにて撮影(平成泉橋)
昼間さんが指差している場所は、地図上の”ココ”平成泉橋上の八潮市と足立区の境界線上に位置しています。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~垳川沿いにて撮影
垳川の八潮市側は「垳川親水通り」です。中川から約2kmほどで綾瀬川まで到着。
足立区側は神明・六木遊歩道、いくつもの広場や公園が整備されています。
浮塚(うきづか)の交差点を左に折れ、内匠橋まで南下します。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~綾瀬川に架かる内匠橋より撮影
綾瀬川に架かる内匠橋(たくみばし)を渡ったあたりは、足立区花畑(はなはた)。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~綾瀬川沿いの道、右側は護岸工事中の様子
綾瀬川の上に架かる”首都高速6号線”を左に見つつ南下します。護岸工事による通行止め区間があり、本来の下妻道の手前を”つくばエクスプレス六町駅”に向かいます。その後六町の先、西加平(にしかへい)のあたりで再び下妻道に戻ります。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~環七通り・西加平町交差点
下妻道に戻って環七通りまで来ました。西加平町交差点を渡って五反野に向かいます。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~東武スカイツリーライン五反野駅
五反野駅を左に見つつ南下し、首都高速・中央環状線を越えると荒川の堤防になります。この間、15分ほどでしょうか。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~荒川・千住新橋近くの堤防上より北側を撮影
荒川の堤防に上がり、少し場所を移動すると、中央環状線越しにまっすぐ伸びる下妻道を望むことができます。かつて垳地蔵が歩んだ時代には荒川(荒川放水路)はなく、大正期から昭和5年(1930年)に河川・土木工事によって開削されました。現在は少し迂回して千住新橋を渡り、荒川を越えて再び下妻道へと歩みを進めます。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~荒川・千住新橋近くの堤防上より南方向を撮影
荒川・千住新橋近くの堤防より目的地の南岸方面を撮影。東京スカイツリーも垳川排水機場から見た時よりぐっと近づいて見えます。その後、千住新橋を渡り、南岸にある学びピア21(足立区立中央図書館)あたりで昼食休憩。ここまでで全行程の概ね2/3というところ。
ウォーキング大会のルートをご紹介します。
2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~常然寺から五反野駅~荒川へ
地図上の赤色の線がウォーキング大会のルートになります。
集合は八潮駅~出発地点の常然寺~垳川排水機場を見学して、垳川沿いの親水通りを通ります。ここに平成泉橋があります。浮塚で垳川は終点。しばらく綾瀬川沿いを南下し、その後六町を経て環七通りを越えて五反野駅まで来ました。
垳川排水機場~垳川終点(綾瀬川)までおよそ2km、ここから荒川までは5kmほど。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~荒川~仰願寺・垳地蔵尊
荒川に架かる千住新橋を渡り”千住宿”へ。足立区と荒川区にまたがる宿場町は、隅田川を越えて続きます。泪橋・山谷を抜ければ、ゴールの台東区清川・仰願寺に到着です。
荒川を越えて~隅田川を渡り~仰願寺までは5kmほどの道のりです。
荒川 ~ ゴールの仰願寺・垳地蔵尊に向かいます。
2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~荒川に架かる千住新橋を歩く
荒川に架かる千住新橋を渡ると、”千住宿” に入って行きます。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~下妻道・日光道中石標
足立区千住5丁目付近、荒川から100mほど歩いた三叉路に石標があります。そこには「右 旧下妻道」「左 旧日光道中」と刻まれています。私たちは八潮市垳・常然寺から辿ってきた下妻道で、ここで初めて文字として目にすることができました。中世(室町時代)の古道であることを実感し、茨城県下妻市へと続いていた道に思いを馳せました。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~足立区・千住宿を歩く
宿場通り商店街の街灯に掲げられた千住宿400年の旗(写真左)。歴史と風情の漂う通りを進むと、第1回千住宿阿波踊りの開催日に重なり、華やかな踊りに迎えられて重くなった足取りも軽くなります。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~足立区・やっちゃば跡、芭蕉の句碑
隅田川の手前、千住大橋に至る道沿いには、やっちゃば跡や芭蕉句碑などが整備され、往時の面影を伝えています。史跡を眺めつつ歩き、やがて千住大橋に到着します。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~隅田川に架かる千住大橋より
千住宿は江戸日本橋を出て最初の宿場として栄え、隅田川をはさんで現在の足立区と荒川区に広がる大宿場町でした。江戸近郊でも最大規模を誇り、その範囲は「千住八ヶ町」と呼ばれるほど広大だったと言われています。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~仰願寺に併設された幼稚園
仰願寺に到着です!! 併設された幼稚園は昭和28年創設、今も仏教保育の心を受け継ぐ歴史ある園です。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~仰願寺にて
ウォーキング大会のゴール地点である仰願寺。12kmの道を歩き仰願寺に到着しました。そしてご住職より「垳地蔵」の由来、また小さな蝋燭「仰願寺蝋燭」の起源についてお話しを伺いました。
垳の地から移された垳地蔵は諸病平癒や大願成就に霊験あらたかとされ、参詣人が絶えることがありませんでした。祈願の燈明が灯りきることで願いが届くと信じられていましたが、参詣人が多く太く長い蝋燭を待ちきれずに消すこともありました。そこで小型の蝋燭が作られました。それが「仰願寺蝋燭」の始まりで、今も家庭の仏壇やお盆のほうずき提灯に欠かせない灯りとして親しまれています。
八潮市垳の常然寺・台東区清川の仰願寺
常然寺および仰願寺にて「垳っぷちまんじゅう」を奉納。参加者、歌手 永江理奈さんの楽曲「崖っぷち」ヒット祈願
常然寺での出発前の安全祈願、そしてゴール地点の仰願寺では、垳を楽しむ大切なアイテム「垳っぷちまんじゅう」を奉納しました。その後、ご住職のご厚意により、全員でいただきながら和やかな時間を過ごすことができました。
相模原から参加の歌手 永江理奈さんは、皆さんのためにCDなどをご持参くださり、
常然寺と仰願寺それぞれのご住職に、CDとポスターを手渡してヒット祈願も行いました。デビュー曲「崖っぷち」は、まさにウォーキング大会にぴったりの一曲です。

常然寺および仰願寺にて御朱印をいただきました
常然寺は応永3年(1396年)開創の八潮市域で最古の寺です。
仰願寺は1623年に垳の地で開山され、1648年に浅草新鳥越町(現在の台東区清川)へと移転しました。
常然寺と仰願寺の御朱印は、垳地蔵が歩んだ道を歩ききった私たちにとって、何にも代えがたい大切なしるしであり、ウォーキング大会の一日を鮮やかに思い出させてくれるご縁の証です。
380年前、垳村から浅草新鳥越町に遷座された「垳地蔵尊」

仰願寺の垳地蔵尊
常然寺から仰願寺までおよそ12km、駅までの距離を含めて大まかに14km、脚に自信が無くなって久しい私にとっては完歩が奇跡! 常然寺において安全祈願をしていただき、「垳地蔵」の歩んだ往時の街道「下妻道」を辿り、道中の想いや風情を偲びながらの道筋の楽しさと、長く台東区清川の地で信仰を集めている、尊像に導かれたおかげだと思います。
垳という地名への興味から、このウォーキング大会に参加しましたが、歩いてみてわかる距離感や、街道という古来の道の興味深さに出会うことが出来ました。
行程上の地域においては、史跡が地域の宝として見える形で大切に守られていました。
八潮市にも日本唯一の地名「垳」などの、興味深い地域文化や史跡・伝承が沢山あるはずです。大切に守っていきたいとの思いを強くしました。

2025/11/16「垳地蔵の歩んだ道」~垳川沿いにて撮影(平成泉橋)
2025年12月13日 第8回方言漢字サミットのお知らせ
地名とまちづくりを考える
「第8回方言漢字サミットー地域文化を支える漢字と言葉 ー」
話し言葉と同様に、書き言葉にも方言があることを知っていますか。文字、ことに漢字においても地域による差があり、「地域漢字」や「地域音訓」が実在しますが、ほとんど気付かれません。例えば、茨城県に多い「圷」(あくつ)、広島・山口県にある「垰」(たお)、宮城県の「閖」(ゆり)などです。
方言漢字は漢字学・日本語学・方言学の各学界でも注目されるようになり、漢検の漢字ミュージアムで常設展示となりました。さらに、待望の『方言漢字事典』(研究社)が刊行され、注目の度は増すばかりです。
ところが、方言漢字の宝庫である地名は、市町村合併や区画整理を理由に急速に消えつつあります。八潮市の「垳」についても、その7割にあたる区域で区画整理事業が進行し、4年後には工事完了する予定であり、地名が存続するか不透明です。
そこで、珍しい漢字を使う地域とそこに暮らす人々の生活、風土について一緒に考える機会として、全国唯一の方言漢字をテーマにすえた会を設けます。当イベントは8回目を迎え、内容は拡がりを見せ、参加者は全国規模です。個性溢れる漢字について考え、文字を創り出し、受け継いで郷土の人々やそれを支える文化、生活、歴史や自然についても学びます。
今回で4回目になる「『方言漢字』書道展」を同時開催します。方言漢字ウォーキング大会「垳地蔵の歩んだ道」(11月16日)もあります。文字、漢字を考える絶好の機会になるでしょう。
関心のある方は、どうぞ奮ってご参加ください。「方言漢字」この機会に、一緒に考えてみませんか?
・日 時:2025年12月13日(土)午後2時~5時(受付は開始15分前より)
・場 所:八潮メセナ・アネックス(八潮市民文化会館 駅前分館)
・内 容:1)基調報告「ガケと地名 ―改めて『垳』の字について考える― 」
笹原 宏之 (早稲田大学 教授)
2)報告「宮城県北部の方言漢字『埣・𡉻』(ソネ)の分布状況と字体について」
菊地 恵太 (東北大学 准教授)
3)報告「日本橋蛎殻町の表記」
佐々木 絵美(東京都江戸川区 在住)
4)報告「八潮市の新設小学校の校名決定を振り返る」
昼間 良次 (埼玉県八潮市 在住)
5)「方言漢字」(ウォーキング大会/書道展)報告、質疑応答&意見交換、
「方言漢字」に関する地域伝承・故郷自慢、総括、その他
・参加費:なし(入場自由)◎カンパ制(会場費、資料代 他)
・交 通:駐車スペースがありませんので、公共交通機関をご利用ください。
・備 考:会場での開催と同時に、オンライン配信(Zoomウェビナー利用)します。
<オンライン参加・申込方法> 事前の参加申込(登録)が必要です。
クリック ⇒「垳」を守る会ブログをご参照下さい。
協 賛:「おもしろ消しゴム」株式会社 イワコー、ポテトチップ 有限会社 菊水堂、菓子道楽 杵屋、三矢製菓 株式会社、株式会社 加賀屋米菓
協 力:株式会社 研究社、株式会社 大修館書店、浄土宗 常然寺 (垳)、浄土宗 仰願寺 (台東区清川)
後 援:文化庁、埼玉県・埼玉県教育委員会、八潮市・八潮市教育委員会、大東文化大学書道研究所
<主催・問合せ:八潮の地名から学ぶ会>
TEL:090-4389-4895 FAX:048-998-4451
E-mail:gake840@yahoo.co.jp
ここでは開催予定の告知のみを書かせていただきました。
詳細は、⇒。「垳」を守る会 詳細決定/第8回 方言漢字サミット。







