潤くんハピバストーリー
完全妄想のおはなし
BLです











30分位経って、昌にぃが出たきた。






「採用?」




「は?」




「ばぁちゃんの畑!面接してたんじゃないの?手伝ってもいいの?」




「…その話はもうばぁちゃんとできてんだ。俺がどうこう言うことじゃねぇ。」




「そっか…じゃあ何の話を…」




「ま、色々とな…」




「ふ〜ん……で、ケイさんは?」




「ああ、ばぁちゃんち帰った。」




「ぇえっ…どうやって!?」




「歩いて帰れるんだと。」




「けっこうあるよ?ばぁちゃんちまで…俺送って…」




「いいんだって!あいつがそうしたいんだから、自由にさせてやれ。」






そうは言っても心配じゃん…


また途中で倒れたりでもしたら…


けど、昌にぃには逆らえない。


抜け出して様子見に行ったら怒られるだろうし…


ちゃんとばぁちゃんちまで行けるのかな…




そわそわと気にしながらも、仕事して…


土曜日ってこともあって、ロッジは満室、テントエリアも予約でいっぱい。


今はチェックイン前だから暇だけど、これは夜までフル稼働決定だ…



…それにしても気になる。






「ねぇ昌にぃ…」




「あ?」




「ばぁちゃんに電話してみてよ。」




「は?なんでだよ?」




「…ケイさん、ちゃんと帰ってきたか…」




「大丈夫だろ?ガキじゃねぇんだし。」




「そうなんだけど…なんか心配で…」




「へぇ…心配、ねぇ…」




「…な、なに?」




「い〜や?別に。……あとで掛けといてやるよ♪」






あとでじゃなくて今がいいんだけどな…


それになんでニヤニヤしてんの?






「で、掃除は終わってんのか?」




「ロッジも露天風呂も終わってる〜」




「薪割りは?」




「朝のうちにやってる〜」




「ぁんだよ、仕事が早ぇなww」




「ふふっ♪やる時はやるよ〜♪」




「……じゃあ…まぁ、あれだ。チェックインまではやることねぇな……てことで、ばぁちゃんとこ行って、様子見てこい。」




「え?」




「……ケイ?って奴の…」




「いいの!?」




「4時には戻ってこいよ?」




「分かったぁ!!ありがと!昌にぃ!!」






なんだかんだで優しいんだよなぁ、昌にぃ♪



俺は意気揚々と軽トラに乗り込み、ばぁちゃんちを目指した。



まだ少し濁ってる川の水を横目に、小さな橋を渡り、山道を少し走ったら目的地に到着!



真っ先に畑に向かう。



…あれ?



いない…



ばぁちゃんも、ケイさんも…



この時間なら畑に、って思ったんだけど…



納屋…かな?






「あ。いたいた!ばぁちゃん!ケイさん!」





良かった、ちゃんと戻ってきてた!



ばぁちゃんと並んで、なんか作業してる。





[あんれ?潤ちゃん、どうしたんだぁ?忘れもんかぁ?]




「ううん。ちょっと様子見見に来ただけ♪」




[なんの様子をだい?]




「ケイさんの♪ちゃんと戻れたかなぁ、って気になって…」




『…ガキじゃねぇんだ、気にすることねぇのに。』




「や、でもなんか気になっちゃって…」




『なんでだよ…』




「…なんでだろう?」




『んふふっ!オレに聞くなよぉ!』




「ぁ///…だ、だよね、ごめん///」






美人の笑顔は破壊力抜群…///


ドキッとするじゃん///






[潤ちゃんは優しいけんねぇ♪ケイちゃんにとっては初めての土地だから、心配だったんだよねぇ?]




「そ、そう!迷ったりしてないかな、って…」




『ふ〜ん……ま、ありがとな?心配してくれて…』




「うん///」




[そうだ、潤ちゃん、スイカ食べてくかい?]




「スイカ!?食べたい!!」




[ふふっ…じゃあ縁側へおいで〜♪ケイちゃんもな!]





ばぁちゃんは玄関から中へ。


俺らは、外から縁側へと周った。





[ほらよぉ!よ〜く冷えてるよぉ♪]



「ありがとっ!」



『いただきま〜す…』





ばぁちゃんが作るスイカは、小ぶりだけどめちゃくちゃ甘くて美味い。


小ぶりだから、半分に切ったスイカをスプーンで掬って食べる豪快な食べ方。


これがまた贅沢で、より美味しく感じさせる♪





『あ〜うっめぇ〜♪♪』



「ねっ!」





ケイさんと顔を見合わせて笑い合う。





[今年も上等なスイカだよぉ。お天道様と雨神様のおかげじゃね♪]





プラス、ばぁちゃんの愛情こもったお世話のおかげだね♪






[潤ちゃん、ゆっくり休んで行きなね?ばぁちゃん、ちょっとお昼寝するから…ケイちゃん、あとはまかせたよぉ?]


  

『ぁいよっ♪さっきの続き、やっとく!』






昨日出会ったばかりなのに、なんだかもう…






「すっかり馴染んでるね?」




『ん〜…タエさん、優しいから…突然やってきたオレを無下にしないで接してくれて…ありがてぇ…///』




「ばぁちゃん、独りになって寂しかったのかも。だからケイさんが来てくれて嬉しいんだと思う♪」




『役に立ってんのかな…こんなオレでも…』




「ん?畑手伝ってくれてる時点で、めっちゃ助かってると思う!」




『…そっか…///』






誰かの役に立ててることが、凄く嬉しそう…



頼られることが好きなのかな?






『…あ、そうだ!来月誕生日っつったっけ?』



「ぁ、うん……ぇ、突然だね?」



『何日?』



「30…」



『おぉ、ちょうど1ヶ月後か…間に合うかな…』



「え、なんかくれるの?」



『んふふ♪助けてくれたお礼も兼ねて♪』



「マジ?」



『おう♪』






なんか誕生日プレゼントをくれることになったぞ?






『あ、リクエストは受け付けねぇから。オレがあげたいもん、やる。』



「あははっ♪何それ、逆に楽しみだよww」



『んふふふ♪楽しみにしててなぁ♪』



「(ドキッ…)…ぅん…///」






俺…ほんと、ケイさんの笑顔に弱い…///


…ドキドキして、直視できなくなる…


でも見たい…と思ってしまう。


これ、多分きっと…


俺、ケイさんのこと、意識してるんだ…///