☆S☆








《うっそ…大野くんって21!?年上じゃん!》



『来月22になるけどね〜♪ふふっ♪実は斗真さんより年上だったんだよ〜♪』





午後…控え室で、斗真さんと衣装のチェックをしつつ、色んな話をしていた。


そしたら年齢の話になって。


オレを年下って思ってた斗真さんは、すごく驚いて。





《絶対年下だと思ってた…てか、どう見ても未成年じゃん!》



『…オレ…そんなに童顔?』



《…だね♪》



『え〜…そぉかなぁ…ていうか、斗真さんが大人っぽすぎんだよ!』



《いやいや!てか、その呼び方!大野くんが俺のこと、さん付けで呼ぶからさぁ、年下だと思ったのもあるんだって!》



『…だって初対面じゃん…馴れ馴れしく呼べないし。』



《…もう!馴れ馴れしく呼んでいいのに…俺が年下なんだからさ♪》



『え〜…でも…キャリア的には先輩じゃん…』



《……そうだけど…でも…俺たち友達になったんだよね?》



『…ぅん…』



《…じゃ、斗真、って呼んでよ♪》



『……うん…じゃあ……斗真…///』




…呼び慣れないから…なんか照れるな…




《へへっ///いいね♪…じゃ、俺は…智♪って呼んでいい?》




いいんじゃん?

友達っぽいし!





『いぃ…』「だ〜めっ!」



『あ、花沢さん…』



「ルイさん!」




いいよ、って言おうとしたら、被せるように花沢さんがダメ!って…





「俺でさえ、智くん、なんだから。年上なんだから、そこは呼び捨てしちゃダメだよ?」



《えぇ〜…》



『オレはべつに…気にしないですけど…』



《ほらっ!本人良いって言ってんだから!》



「……ほんとにいいの?智くん。……潤が知ったら怒るんじゃない?俺以外の男に呼び捨てさせてんじゃねぇよ!って。」



『え〜…そんぐらいで怒るかな…潤くん…』



「…怒ると怖いからねぇ…潤は。」





…そういえばそうかも…

昨日も…オレが花沢さんにハグされてたら…

すんごい剣幕で花沢さんのこと、怒ってた…


潤くんって、けっこうなヤキモチ妬き?





「そういう訳だからさ、斗真…智くんの彼氏にド突かれたくなかったら、呼び捨てはやめときな?」



《…ちぇっ…分かったよ……智さん、ならいい?》



「おっけ。…ところで斗真?時間、大丈夫なの?」



《え?》



「雑誌の取材!マネさん待たしてんじゃない?」



《おわぁっ!そうだった!!今何時!?やばっ…お疲れっした!智さん、また明日!!》



『あ、うん…お疲れさまぁ…』





ドタバタと控え室を出て行った…





「売れっ子モデルだからねぇ…雑誌にテレビに引っ張りだこだよ。」




…なのにオレってば、全然知らなかった…




『…みたいですね……そんなすごい人がオレの友だちに…』




よく考えればすごい事かも…




「ふふっ……珍しいんだよ?斗真がこんなに懐くの。」



『…へ?』



「………職業柄?カベ作ること多いんだけどね、智くんには必要なかったみたい。斗真のこと知らなかったっていうのがポイントかな。」



『……?』




…どういう意味だろ…




「ふふ……こういう業界って、売名目的で近づいてくる人が多いから……」



『……オレのことは…そう思わなかったってこと?』



「そうなんだろうね。純粋に、斗真は友だちになりたかったんだと思うよ?」



『…実はすっごい腹黒い奴だったらどうするんですか?』



「あはは♪ないない!智くんは素直で真っ直ぐな人だよ。腹黒さなんか微塵も感じない♪」



『…やっぱ、そういう人って分かるもんなんですか?』



「なんとなくね。場数踏めば分かってくるもんだよ?…智くんも将来のために、今から培っておいたほうがいいよ?人を見る眼!」



『…はぁい…』





…とは言ってもなぁ…

人の内側までそう分かるもんじゃないよ…

やっぱ経験、なのかなぁ…





「さてと。…斗真いないんじゃ仕事出来ないね。今日はもうあがろうか。」



『え…そんな感じで…良いんですか?…まだ4時半ですけど…』



「良いの良いの。…会社勤めではあるけどね、かなり自由なんだよ?この会社。やるべき事をしっかりやれば、誰も何も文句は言わない。」




その方針、オレ向きかも……




「と、いうことで♪今日はもう終わりね♪
…行こっか!」



『…ほえ?…どこへ??』



「着替えとかないでしょ?急遽決まったことだから…俺も調達しに行くからさ、一緒に行こうよ♪」





それは有難いし助かるけど…

オレ、構われ過ぎじゃないか?


専務の花沢さんにこんなことまで…頼っていいのかな…




「…5日間同じ服着るならいいけど?」



『う……』




それは…さすがにヤダな…




『…お願い…してもいいですか?』



「ふふ…俺から誘ってるのに!
よし、決まりね。車出してくるから、ロビーで待ってて?」



『…はい!』



「あ、この部屋の鍵、掛けといてくれる?」



『はぁい!』



「鍵はフロントね〜!」



『はぁい!』




控え室の戸締りをして、鍵も掛けて。

フロントに鍵を預ける。




『あ…』




最初に挨拶した人だ…

えっと……




『……風見さん!お疲れ様です!…これ、お願いします!』



〈大野様!…今日はもう終業ですか?〉



『はい!…今からちょっと買い出しに…』



〈それではタクシーを…〉



『ぁ、いえ…花沢さんと…行くので…大丈夫です!』



〈左様でございますか…ルイ様と…お噂通り、かなり熱をあげてらっしゃるようで…〉




…ルイ…様?

お得意様だと下の名前で呼んだりするのかな…

…それよりも…




『…熱?…花沢さん、風邪引いてるんですか?』



〈……(…クスクス)いえ、そういうことではなくて…ルイ様が大野様のことを……〉



「…風見さ〜ん…ホテルマンがお客様のことペラペラ喋っていいんですかぁ?」



〈ルイ様っ……失礼いたしました…〉



「……うっかり口を滑らすんじゃなかった…まさか風見さんに告げ口されるとは思わなかったよ…」



〈申し訳ございません…ルイ様が嬉しそうに話されてた方とお会いできて私も嬉しくて…つい口が滑って…」



「…余計なこと言わないでよ…恥ずかしいなぁ…もういいでしょ?行こ?智くん…」



〈…行ってらっしゃいませ。〉





花沢さんと風見さんて……

ただの客とホテルマンじゃ…ないのかな…









GMの風見さん…
年齢は30歳を想定してます。
なので、花沢さんより3つ年上。
かなりのキレ者。黒縁メガネ掛けてます。
あるアニメに出てくる人をイメージしてる(*´艸`)
きっと誰も分からない( *¯ ꒳¯*)♪

花沢さんと風見さんの関係は次話で。
…で、ようやく次話で潤くん登場予定♪
…電話で、だけど^^;