☆S☆








『…それで…名古屋に行くって話…』




夜ごはんを食べながら、潤くんの出張のことを詳しく聞く…





「あ、ぅん…今日、昼から設計事務所に行ったんだけど…」




『ぅん…』




「…明後日名古屋でコンペがあるらしくて。どういったものか勉強がてら同行するか?って話になって。」




『ぅん…』




「それと、岐阜のほうで、クライアントと打ち合わせもあるらしくて。それが明日でさ、ついでだからそれにもついておいで、って言ってくださって。」




『ぅん…』




「それで明日…前のりで名古屋まで行くことになったんだ。」




『そっかぁ…』





それってやっぱり、
期待されてるってことだよね?


すごいなぁ…





『…それでさ、帰ってくるのって…いつ?』




「…コンペの後、特に寄る所とか何も聞いてないから…多分、明後日?」




『あ…そうなんだ!?』





コンペって、何日もかけてやるんじゃないんだ?

その日のうちに終わっちゃうんだ?

なんだぁ…オレてっきり…

4~5日、帰ってこれないのかと思ってた…





「うん…だと思うよ?……てか何?その反応…明後日帰ってきちゃダメなの?」




『違うって!逆だよぉ……4~5日とか…長い期間だとやだなぁ…って思ったから…1日だけなら…ぅん、堪えられるな、って思って///』




「ふっ…1日だけなら堪えられる?…ってことは…1日会えなくても寂しいって、思ってくれるんだ?」




『…あっ…当たり前じゃんっ///』





だって…そうだもん。

できることなら、毎日でも一緒に居たいもん…





「ふふっ///……そっかそっか♪」





嬉しそうに笑って、潤くんが立ち上がった。

…どこ行くんだろ?…って思ってたら、オレのほうにやってきて…

広げた足の間にオレを挟んで座っちゃった…





『えっ…///……なにしてんのっ…///』




「ん?…嬉しいこと言ってくれたからね、ハグしてあげようと思って♪……もうごはん食べた?」




『ぁ…ぅん……食べ終わったけど…』




「なら遠慮なく♪」





そう言って、潤くんはオレを後ろから…


優しく包み込んだ…


そして肩んとこに顎を乗せてる…///


息が耳にかかって…擽ってぇ…///





「はぁ…♪
なんで智は…こうも可愛いのかな…///」




『ほえぇ?何がっ…どこがっ!?』





潤くんは…よくオレに可愛いとか言うけど…

オレに可愛い要素なんて1つもないって!





「ん〜?…智のすべてが。…かな♪」




『…んなわけっ…あるわけないじゃん///』




「あるんだって。……なんかね、言動の端々に可愛らしさを感じるというか。…男心を擽る…って言うのかもしんないけど。」




『え〜…??』




「あ〜!甘え方が上手ってのもあるかな♪」




『ぇえっ?…オレ、甘えてるつもりは…全然ないんだけど…』




どっちかってぇと、甘え方が分かんなくて困ってんだけど…




「…ベタベタする甘えじゃなくてさ。今みたいに1日会えないだけでも寂しいって素直に言ってくれるとことか。さり気ない感じがね、俺にはちょうどいい♪」




『……そぉなんだ///?』





…何も考えなくていいってこと…かな…


オレはオレのまんまで…


べつに深く考えないで、ありのまんまのオレが潤くんにはちょうど良くて…





「……俺も…寂しいな。…明日の夜は会えないんだもんね…」





お腹に回されてた腕がさらにぎゅっとなって…

より力強く抱きしめられてる…///

…オレは、
潤くんに身を委ねるように寄りかかった。





『……明日の夜…電話していい?』




「もちろん♪…明日はクライアントとの打ち合わせだけだから、そんなに遅くならないと思う。」




『ぅん…じゃ、仕事終わったら電話する!』




「ん!…待ってる♪」




『…ぅん///』




「……智…?」




『な〜に〜?』




「……今日は泊まってってくれる?」




『ぁ///…っと……ぅん…泊まり…たい///』




明日は会えないから…

今日のうちに充電しとかないと///




「やった♪…ありがと///…おかげでたっぷり充電できそうだ♪」




『…ぁ///』




オレとおんなじこと…考えてる…///




『……オレも…充電…する///』




だから素直に伝えた。

お腹に回された潤くんの腕をそっと掴んで、緩めてもらって…

オレは向きを変えた。

…潤くんと向かい合うように座って……

少し俯き、
どうやって充電しようか考えた……




「…どうした?」




…ぁ…考えないほうがいいのか…


…オレが今、やりたいこと……




『……充電っ……』




潤くんの、シャツの胸元を掴んでグッと引き寄せて…




『…(ちゅっ)…///』




「……っ///」




…オレからのキスに、
潤くんは目を見開いて驚いてる…


けど、すぐに両手で顔を固定されて…




「…そんなんじゃ…充電できないって…」




そう目の前で囁かれて……

オレからのとは比べものにならないほどの…

熱く濃厚な…

キスが…たくさん……///

はぁぁ…///

充たされてく……