☆S☆
正直…びっくりした。
…潤くん、今はすっごく落ち着いて、大人な男の人って感じなのに…
学生ん時は、相当……遊んでたんだ…
それで潤くんの恋愛が成り立ってたんなら…別にいいけどさっ……取っかえ引っ変えできるくらい、潤くんはモテたってことで……
若気の至り、ってやつ?
それで誰にも迷惑かけてないなら……
オレが色々考えても…過去のことだから仕方ない。
…過去のことなら…ね?
…それが今も、ってなると……ちょっと…いや、かなり不安……
オレもそのうち…
他にいい人見つけたんだ。
…もう終わりにしよう。
…なんて言われて…オレ、捨てられるの?
「…!!…違っ……そんなことしない!」
すぐに潤くんは否定した。
…でも……本当に?
今はそう思ってても…いつかは……
「…俺……初めてなんだ…」
ゆっくりと話し始めた潤くん…
…初めてって…
散々遊んでた、ってさっき……
『……でも…だっていっぱい……居たじゃん…取っかえ引っ変え……』
「…っ…たしかに…そうなんだけど……それは…その…ほとんど受け身だったっていうか……」
『………。』
「…俺から!っていうのは…無くて…」
『……ゼミの子…は?』
「…その子も…声掛けてくれたのが始まりだから…」
『…ふぅ〜ん……』
……って、なんかオレ…尋問みたいなことしてる…
「……だから智が初めてなんだ…自分から能動的に行動を起こしたのは…」
『………。』
「プライベートの番号を知らせるために、私用のスマホから電話かけたり……次会った時に告白しようって決心したり……」
…それはどうして?
どうしてそう思ったの?
「…結果的に…智が俺んちに押しかけて来てくれて…智のほうから言ってくれた形で…俺が受け身の立場だったけど……智から言ってくれてなかったら、俺が言ってた。……から…」
『……なんで?……今までの人たちとオレと…どう違うの?』
「……どこがどう違うか、ってハッキリは分かんない。…だけど…俺…智の前だと…すっげぇドキドキして…フワフワして…智のことすっげぇ可愛いと思うし、愛おしいと思うし…こんなこと、今までの奴らには感じなかったし…」
…なんか、恥ずいな///
そんな真っ直ぐに…か、可愛い…とかっ…言わないでよ///
「……なんつーか、心が求めてるっていうか……もう理屈じゃ分かんない……ただただ、智が好きってことだけ。…手離したくない、ずっと側にいてほしい……自分から相手をこんなに好きになったのは、智が初めてなんだよ…」
つまり、それって……
『…オレは…特別?』
自分で言うなんて、自惚れかな…
でも、そういうこと…だよね?
「…ん///……そういうこと!」
『…そっか///じゃあ、しばらくはオレのこと手離さない?』
「しばらくじゃない!ずっとだよ!もう絶対に…」
潤くんが、オレの手をそっと握った…
『…ぁ///』
「絶対に離したくない…離さないからっ…」
その手にぎゅっと力が込められた。
…そして真っ直ぐにオレを見つめる……
その力強い眼差し…
潤くんの本気が伝わってくる…
……信じよう。
潤くんの、取っかえ引っ変えの恋愛はもう終わってるんだ。
不安になることなんて…ない!!
「…ずっとずっと…俺だけを見ていて…」
潤くんが言ってた、心が求めてる、って…
分かる気がする。
オレも…そうだもん。
ただただ潤くんが好き…
もう潤くん以外、目に入んない。
『…ぁい///』
潤くんに真っ直ぐ見つめられて…
照れながら返事をした…///
「ふっ…照れてる?」
『……ん///』
照れ隠しにそっぽ向いた…のに…
「ふふっ…ほんとにもぉ…///」
『……!?』
潤くんは、そっとオレを抱きしめた…
「…可愛いすぎて困る///」
ドクドクドクドクドクドク……
潤くんの鼓動……めっちゃ速ぇ…///
オレを抱きしめてるから、こんなに速くなってんの?
……相当だね///?
オレのこと、相当好きなんだ///
ふふっ///
そっかぁ♪
じゃあ、オレも…もう1回伝えよう…
『……潤くん?』
「…ん?」
呼びかけると、身体が離された。
「なに?」
優しく問いかけてくれる。
オレは潤くんに負けないくらい、力強く潤くんを見つめて……
『……潤くんっ…大好きっ///』
伝えたっ!
けどっ///
…ぉわぁっ…めっちゃ恥ずいっ///
言ったあとから心臓バクバクしてきたっ…
…だけどオレ以上に……
潤くんの心臓はバクバクしていたってこと、またすぐに抱きしめられたから、気付いちゃったよ///