一旦、回想シーンから現在に戻りま〜す♪
☆J☆
「…ねぇ、あん時さぁ…
結局、泊まったんだっけ〜?」
『え〜?なに〜?』
キッチンから大きめな声で返事が返ってくる…
サイフォンを洗いに行ってそのまま、
智は何かを作り始めてて…
「……あの日は泊まったんだっけ、って話…
てか、何作ってんの?晩ご飯にしては早くない?」
様子を見に、キッチンに入る…
『ん〜?とりあえず、ソースだけでも作っとこっかなぁ…って♪……今日はパスタだよ♪しかもミートソース♪』
「……え///?」
『…なんか…ふと思い出しちゃって……あの時のこと…』
「…やっぱり智も思い出してたんだ…」
『ん〜…///』
「ミートソース…初めて一緒に作った料理だもんね?」
『ぅん///…料理もだけど……初めて尽くしな日だったからなぁ…///』
「…ぁ…てことは……初お泊まりしたんだよね?」
『…覚えてねぇのぉ?』
「いやっ……確認っていうかっ……夢じゃなかったよな?…って……」
『……あの日もそんなこと言ってた〜……よし…そろそろいっかなぁ♪……松本さん?味付けお願いしまぁす♪』
「え?…ぁ…松本さん…て……///」
『んふっ♪なんか呼んでみたくなった♪』
「ぁ…そう///……じゃぁ…あとは俺に任せて…智はゆっくり寛いでてよ。」
『はぁい♪♪』
ソファまで行くとポスンと座って……
こっちを見てる…///
あの時は確か…スマホをイジってたんだよな…
んで…出来上がったミートソースパスタを、2人で向かい合って食べて…
『…出来たぁ??』
「!!…ぃや…もうちょい!」
…食べ終わって智が食器を洗ってくれて……
洗い終わったところで、
やっぱり帰る、って言い出して…
俺、必死に引き止めたんだ…
「……ょしっ…あとは塩とコショウで味を整えてと。……ん!今日もいい出来だ♪」
…今思えば…あの時の俺、必死過ぎて…ちょっと引かれてたんじゃないかと思う…
…あの時はもっと一緒に居たいって…ただそれだけだったんだけど…
フライパンにフタをして、使った調理器具たちを洗ってからリビングへ…
『あんがと♪潤の味付け、最高だからなぁ♪何作っても美味いからすげぇ♪』
「褒めすぎ///…それに、智が作るのだって…俺は最高に美味いと思ってるよ?」
『ぇへへっ///そりゃどぉもっ♪』
照れて笑う顔、相変わらず可愛い……
『潤、仕事の続きしなきゃだろ?急ぎなんだよね?』
…そうなんだけど…
早く仕上げなきゃいけないんだけど……
なんだろ…
あの時のこと思い出したからかな…
なんか…今すごく…智に触れたい…///
「…待って…智…」
部屋に戻ろうとする智を、また引き止めた。
『ん?』
「…もう少しだけ……そばに居て?」
『……んふふ///…どぉしたんだよ……あん時と一緒じゃん///』
「……え///?…そうだっけ…?」
『あん時も…帰ろうとするオレを、必死に引き止めてた!』
「…ぁ…」
やっぱ…必死さが伝わってたか…///
「…ごめん///」
『謝ることじゃないし♪…あれでオレ……さらにハマってったんだもん///…潤に♪』
「……?」
智はソファに座り直すと、
ゆっくりと話し始めた。
『……なんかさ…仕事ん時はさ、めっちゃかっこよかったんだよ。テキパキこなすし、車の運転も上手いし…だから内覧も安心して回れたし…けどさ、オフになった時の潤ってさ……』
「……ぅん?」
『…なんつーか……年下のオレが言うのも…アレなんだけど…オフってる潤は…可愛かった///!』
「…は///?…なんで…どこらへんが!?」
『ゃ…だから……なんか、寂しがり屋の甘えん坊みたいで……仕事ん時とは全然違くて……ギャップ萌えっつうの?……それにヤラれたねぇ///』
「…なんだそれ///」
『ふふっ…だってさぁ…あ〜思い出してもきゅんとするっ♪……潤さぁ、やっぱり帰る、っていうオレの腕を掴んでさぁ、帰っちゃヤダ…///って…照れながら言うだもん。その顔がもう…可愛くてさぁ…』
「…///」
鮮明に思い出される恥ずかしい記憶…///
そう言えば言ったな…俺……
帰ってほしくなかったから、ハッキリと帰っちゃヤダ、って。
言ったあとにめっちゃ恥ずかしくなって…
もっとなんか…こう……
かっこよくさ、
帰さないって言ったじゃん。
…みたいなことで引き止めればよかった…と思ってさ…
…でも、そうか……
それで良かったんだ…
『……そんな可愛い顔、見せられたからさ、オレ…もっと潤の甘えたとこ、見てみたいと思ってさ…泊まる覚悟を決めたんだ。』
…覚悟って…
でもまぁ、そんな感じだよね。
初めてのお泊まり…勇気いるよね…
今さらながら…
無理強いさせたみたいで悪かったな…
『…けどさぁ…泊まる、って言ってからあとは…カッコイイ潤に戻っちゃってさぁ…まぁ結果どっちもいいんだけどさ///…でも甘えん坊潤が見れなくて残念だったな、って記憶がある!』
…それは多分アレだな。
しっかり気を引き締めておかないと……
うっかり襲ってしまいそうで…
…ソレ目的だったんだ…
って思われたくなくて…
…必死に堪えてたんだよ……