*いちごの妄想話〜*










・・・智って、顔、重視するタイプなんだ?


そ、そうか、、、じゃ、じゃあ、この顔に産んでくれた親に感謝、しなきゃな・・・




『・・・顔も、だけどさ、気遣いっていうか他人のことも考えられる優しい所、かな。』




「・・・え?」




『・・・見てるとね、スマートなんだ〜潤くんの優しさ♪恩着せがましくなくて、さり気な〜くやってるから、見てるボクまで優しくされてる気分になって。』




「・・・俺、べつに誰かに優しくした覚えはないんだけど?」




『ほら!それは無意識にやってるからだよ!

ん〜とねぇ、、、うちのコンビニって、自動ドアじゃないでしょ?』




「・・・ん?あぁ・・・」




『ある日ね、杖をついたおばあちゃんが、お店に入ってこようとしてたら、コーヒー淹れてた潤くんが、すかさずドアを開けてあげてたの。ほら、ドリップのマシンてドアの近くでしょ?コーヒーが出来上がるのを待ってる間、外、見てたのかな。』




「そんなこと、、、してた?」




『ふふっ!うん!してた!!・・・あとね、一人でお使いに来た男の子がね、冷蔵庫を開けれなくて困ってたのかな。潤くん、自分が取るついでを装って、冷蔵庫開けてあげて。炭酸飲料をその子に取ってあげてたの。・・・潤くんが買うのは常温の水なのにね。』




「そんなことも、、、あったっけ?」




『あとねぇ、、、』




「まだあんのかよっ!」




『ふふっ!あるよ〜?潤くん、優しいから。

ゴミ箱の下に落ちてるゴミを拾って捨てたり飼い主の買い物を、外でじっと待つプードルの相手してあげてたり。』




「そんなことも、してたな・・・」




『・・・だいたいの人ってさ、気付いてはいると思うんだ・・・でも、行動にはうつせない。・・・多分、ボクもそう。

でも潤くんは、自然とそれをやってて。羨ましいって、思ったんだ。』




「・・・羨ましい?」




『うん。・・・スマートにそれができることに。

ボクもそうなりたいなって。そう思って、潤くんのこと目で追ってるうちに、、、いつの間にか、好きになってた。・・・優しい潤くんと、ずっと一緒にいたいなって、思うようになってた・・・』





そんなに見てたんだ、俺のこと・・・


・・・智は外見だけで人を好きになるようなやつじゃなかった!!


ちゃんと内側も見てくれてる!!


良かったよ。

顔だけ好き、とか言われなくて。



それに、智だって、、、



「智だって、優しいじゃん。・・・コーヒーぶちまけた時、真っ先に俺の手、冷たいタオルで冷やしてくれた。」




『そ、それは///・・・だって、潤くんの綺麗な手、、、火傷してたらやだなって、思って、、、』




「・・・もしかして、その頃には俺のこと、、、」




『もう、好きになってました///』





マジかっ!!

俺が一目惚れするより前に、

智は俺のこと、、、




「・・・っ智〜っ!!」



『わっ!・・・もぉ、またぁ、、、』





しょうがないじゃん。嬉しいんだからさ。


3回目、抱きしめた・・・

智の腕も、俺の身体に絡めてきた。




「・・・智?」



『・・・ん〜?』



「離れ難いな。」



『・・・ん。・・・そう、だね///』





あ〜・・・このまま時が止まってくれたら。


このままずっと、智を腕の中に閉じ込めておけたら。


そう思ったのも束の間・・・俺らの甘い時間を終わらせる、厄介者が現われたんだ・・・