靴を脱ぎ、廊下を抜け、リビングへ向かう。
・・・特に変わった様子は、ない。
ドアを開けたら、いるんだろうな。
俺から大野さんを奪おうなんて、一体どんな奴なんだ?
カチャっ!
わざと、勢いよくドアを開けた。
・・・トタトタトタ〜
「わっ!・・・何?なんか足元通った!!」
「あっ!!こら、にゃあ!!おまえ、どうやって出たんだよ〜??」
・・・にゃあ??
玄関で靴をクンクン嗅いでる仔猫をひょいと抱っこして、大野さんが戻ってきた。
「おっかしいなぁ、、、ちゃんとゲージに入れといたのに・・・」
「大野さん、その猫、、、」
「まつじゅんも観ただろ?翔ちゃんから送られた写真。・・・その子だよ。」
・・・本当に仔猫のことだったのか?
でも、それならなんで、俺に内緒にしてたんだろう?
「はっ!!まつじゅん!大丈夫か?」
「・・・な、にが?」
唐突に大丈夫か?って聞かれても。
なんのことか分かんないって・・・
「おまえはまつじゅんに近づけないのっ!
ほら、ちゃんとゲージに入っててよ!」
仔猫に語りかけながら、窓際に置いてあるゲージにそぉっと入れてあげてる。
仔猫は俺に近づけない?
「まつじゅん、
辛いんだったら帰っていいぞ?」
「・・・いや、帰んないし。・・・いや、ツラいってなに?・・・ニノたちが言ってた可愛い子って、あの仔猫?」
同居してたのが別の誰かとかじゃなくて、あの仔猫なら、べつに辛くないし。
でも、ちゃんと説明はしてほしい・・・
「・・・目とか痒くない?鼻水でてない?くしゃみ、出そうじゃない?ブツブツとか、出てない?」
なんかもう、大野さんから出てくる言葉が全部意味不明・・・
「大野さん、、、分かるように説明してくんない?」
「・・・え?えっと、、、まつじゅんはさ、アレルギー持ちじゃん?」
「あ〜まぁ、花粉症ではあるね。」
「・・・ねぇ、今さ、なんともないの?その、、、アレルギー症状とか、出てない?」
「出てないね。今時期そんなに花粉は飛んでないし。俺は春のほうがひどいから。」
「いや、花粉症の話でなくて、猫アレルギー・・・」
「猫アレルギー?・・・誰が?」
「・・・?まつじゅん。」
「・・・?俺が?・・・なんで?」
どこがどうなったら、
俺が猫アレルギーだと思うの?
「・・・だって、花粉症じゃん。」
「そうだけど、、、猫は関係なくない?」
「・・・花粉症の人って、猫アレルギーじゃないの?」
・・・なに、そのイコール!!
アレルギーって点では同じだけど!
反応するものが違うじゃん!!
なんで花粉症だと猫アレルギーになっちゃうんだよ〜・・・
やっぱ、大野さんの考えてること、不思議すぎる〜・・・
「相葉さんは?花粉症だよ?でも、番組であんなに猫と触れ合ってんのに、平気だよ?」
「あ、、、。」
「ふふっ・・・俺のこと、猫アレルギーだと思い込んでたんだ?」
「・・・だって、撮影で猫と撮ってたとき、くしゃみ、ひどかったから・・・」
「あれは、ただ単に風邪引いてたんだよ。」
「・・・お、おいら、帰る///」
帰る、って!
あんたの家でしょうがっ!!
穴があったら入りたいって感じ?
「大野さん!・・・喉乾いた!なんかもらっていい?」
「あ、ごめん・・・なんか出すよ。まつじゅん、座ってて。・・・何飲む?ビール?」
「ん!いただきます!」
冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを取りだし、
グラスに注いでくれてる・・・
「・・・はい。」
「ありがと。・・・はぁ!うまい♪」
さてさて。
順番に、説明してもらいましょうかね。
大野さん!!