1月5日(いちごの日)に書いたお話。
『追憶8』のその後のお話。
付き合いたての2人のあるある的な問題…
俺が、歌番組でつい言ってしまった一言で、
あなたを傷つけちゃった事件から一転、実はあなたも俺と同じ気持ちだったってこと、教えてくれて、、、
俺たちは晴れて恋人同士になれた。
・・・なれたんだけど、、、
なったからって、べつに何が変わるわけでもなくて。
この1ヶ月、特に変わったこともなくて。
相変わらず、ニノとの距離は近いし。
相葉さんや翔さんにも、優しく微笑みかけてるし。・・・自覚、あるのか、不安になる。
「リーダー!!・・・ちょっと、いい?」
ニノとの密着具合にイラついて、
思わず声をかけた。
「まつじゅん?・・・どうした?」
・・・どうした?と聞かれても、特に用事はなくて、、、ただニノと離れてほしかっただけ・・・
だから、
「えっと、、、教えてほしいことが、、、」
苦し紛れに、
最もらしいことを言ってみたり。
「おいらに分かるかな。・・・なに?」
・・・楽屋じゃちょっと話しづらい。
「あの、、、レッスン室が、いい、かな。」
「ああ!振り付け?いいよ。行こっか。」
みんなにレッスン室にいるから、と声をかけてから、楽屋を出て行った。
「どこらへん?教えて欲しいとこって。」
中に入るなり、すかさず曲を流し、カウントを取りはじめる。自然と体が動いてる。
曲の頭から踊りだす。・・・しかも、俺のパートのとこ。この人、全員の振り、覚えてんのかな。
しなやかだけど、キレもあって。
いつ見ても、何度見ても、見とれてしまう。
「サビんとこかな?まつじゅんのここ、見かけより複雑だもんね?」
なんて言いつつも、俺よりカンペキに踊ってる・・・やっぱ敵わねぇな。置いてかれないように、俺も必死に踊った。
・・・振り付けの確認、しにきたわけじゃないんだけど。それでも、あなたと二人っきりになれたことが嬉しくて。
・・・だってさ?
恋人になったって言っても、デートらしいこともしてないし。お互いの家に行って、ご飯食べるくらいで。しかもまだ2~3回しか、行き来してない。
恋人になってから、恋人らしいこと、何もしてない。
デートするとか。
オシャレな店で食事するとか。
・・・キス、するとか。
正直、キスに関しては、困ってる。
恋人同士なんだから、遠慮なくすればいいじゃん?て、思うんだけど、いざってなると、俺、恥ずかしすぎて、、、顔を見れない。・・・近づけない。
「まつじゅん?大丈夫か?少し飛ばし過ぎたかな。休憩しよっか。」
「あ、うん。そうする・・・」
曲を止めて、床に座り込む。
その隣りに、俺も座った・・・
「・・・ふふっ。」
不意に、あなたが笑いだした・・・
「・・・?なに?どしたの?」
「ん?・・・まつじゅんと二人っきりだなぁって。最近、なかなか二人で会えなかったから・・・ちょっと嬉しい。」
「大野さんでもそんなこと思うんだ?・・・あんまり気にしてないのかと思ってた。」
「・・・ひどいなぁ。おいらはいつだってまつじゅんのこと、考えてんのに。」
「・・・その割には、ニノとの距離、変わんないし。相葉さんや翔さんにだって、、、」
「・・・メンバーなんだからしょうがないじゃん。・・・まつじゅんこそ、おいらと付き合ってるって、自覚あんの?」
「あるし!!だからヤキモチ妬いてんの!分かんない!?」
思いがけないあなたの言葉に落胆した。
あなたからそんな追及されるなんて。
「・・・だってさ、まつじゅん、、、してくれないんだもん。」
「・・・な、にを?」
「・・・もう1ヶ月経つのに、、、キス、してくれないんだもん。」
「・・・え?・・・キ、ス?」
思いがけないあなたの言葉に動揺した。
「おいらとはキス、できない?やっぱり恋人もムリ??」
「んなわけないしっ!俺だってしたいって思ってるよ!・・・でも、タイミングっつうか、、、その、分かんなくて・・・」
「したいと思ったら、すればいいんじゃないの?」
「そうしたいけど!・・・いざとなると、恥ずかしくて、、、その、ごめん。意気地なしで・・・」
「恥ずかしいんなら、目ぇ閉じてりゃいいじゃん!はい、目、閉じるっ!!」
え?今?
・・・今から瞑るの!?
それって、、、
戸惑いながら目を瞑ると同時に、
柔らかい感触が俺の唇に・・・触れた。
そっと重なるだけの、優しいキス・・・
ゆっくりと離れたあなたは、めちゃくちゃ照れてて。真っ赤な顔を俺の胸にうずめてる。
「おいら、ずっとまつじゅんとキスしたいって、思ってて、、、その、ごめん。突然・・・」
なんで謝るの?
謝る必要、ないでしょ?
だって俺ら、恋人同士なんだから。
「大野さん・・・も1回・・・」
次は俺から。
とびっきり甘くて優しいやつを。
一度味わえば、もう、平気かも。
次からは、したくなったら遠慮なくしちゃうから。・・・覚悟しといてよ。