バレンタインのお話を〜と思いついて書き始めたのですが…
とっくにバレンタインは終わってるし(^_^;)
そして1話完結の短編にするはずが…
2、3話続きそうですがどうなるか分かりません(笑)









2月14日。
1年の中で、いっちばんオレとは無縁な日。


…大野智、16歳。
生まれてこのかた、“バレンタインデーにチョコを貰う”ということに遭遇したことがない。


たまに女の子と間違われる、この顔立ちのせいなのか、女子に言い寄られたことなんて一度もない。


クラスの奴らは朝から浮き足立ってる。
女子からの呼び出しを心待ちにしてるんだろう…
すでに彼女がいる奴は、どんなチョコを貰えるのか、ワクワクしている感じだ。


いいなぁ。
ワクワクする感じ、羨ましい。
でもオレはもう、そういうの期待してないから。
これから先も、オレには無縁な日なんだろうな…


高校生になったから、もしかしたら…なんて思ってたけど、そんなに甘くねぇや。


昼休みになると、案の定、呼び出される奴らがたくさんいて。
女子は女子で、渡す渡さない、でソワソワしてる。



…さてと。
オレは弁当でも食うか。




『雅紀〜メシ食おうぜ〜……て、すげぇな、これ…』



同じマンションに住んでて、幼稚園の頃からの幼なじみ。小・中・高とずっと一緒で、もう腐れ縁的な。




「あ、さっくん!ちょっと手伝って〜」




机の上やら中やら、もう溢れんばかりのチョコたち…
カバンの中に詰め込んでるけど、全然入りきってない。




『…モテモテじゃん。これ全部食うの?』



……半分以上はさっくんのだし…



『ん?なんて?』



「いやっ…食べるっ…けど…さっくんも手伝ってよ!」



『雅紀宛だろ?オレが食ったら意味ないじゃん。一人でがんばりな♪』



…だからほとんどさっくん宛……ったく、あいつ俺の苦労も知らないで…



『んあ?』



「ううんっ…なんでもないっ!!」




なんか様子が変だけど。
…雅紀がおかしいのはいつものことだからな。
気にすることないか。




「あ、ねぇさっくん?今日俺部活ないからさ、一緒に帰ろ?」



『あ〜でもオレ、委員会あるし。先帰っててよ。』



「えっ…待つよ!待つ待つ!…放課後1人にさせたなんて知られたらあいつに何言われるかっ…



『…?…さては荷物を持たせる気だな?』



「ぇ…あ、うん、そう!!重いからさぁ、手伝って欲しくて!あははっ!」



『…ったく……』




なんでおまえのチョコを持ってやらなきゃ…
…まぁいっか。



そして放課後になり、オレは委員会へ。
ラクそうだな、と選んで入った環境文化委員会。
まぁ、ラクはラクなんだけど、月イチで集まって、リサイクルで回収してるペットボトルのキャップを集計しなきゃなんないのが、ちょっと面倒…
1時間くらいでその作業は終了。
よっしゃ、帰るか!


ドアを開けたら、廊下に雅紀がいた。




『ここで待ってたの?教室で待ってればいいのに!』



「な、なんとなく?終わったらすぐ帰りたいかな〜って…教室よりこっちのほうが下駄箱近いし!」



『そうだけど…』




…やっぱり、今日は一段と変だなぁ、雅紀…
なんかあったのかなぁ…




『…えっ…えっ…ウソ…これって…』




オレの下駄箱の中に…




『な、なぁ!これって絶対…』



「…チョコ……」



『だよな!?そうだよな!!』




うっわぁ…///
初めてだよっ…こんなカワイイ箱で、しかもなんか…て、手紙!?
も、もしかしてラブレター…とか!?
マジか!!
ついにオレにも!!

くっそぉ…こんなにテンション上がるんだ!?
バレンタイン、最高だな!!




「マジかぁ…ココに入れちゃうかぁ…ヤバいよねぇ…あいつにバレたら…」



『んふふふ♪嬉しいなぁ♪帰ったらあいつに自慢しちゃろ♪』



「えっ…それはやめといたほうがっ…」



『なんでぇ?毎っ年さ、イジってくるじゃん!オレが1個も貰えなかったことに!だからさ、今年は違うぞ〜って!』



「や、でもさっ……てか、さっくん、その子と付き合ったりするの?」



『…へ?』



「その子の気持ちに、応えてあげるの?」



『……応えてあげたい、かも…』




だって初めてなんだぜ?
こんなチャンス、もう二度と来ないかもしれないし…




「……そうだよなぁ…もういい加減、解放してやらなきゃだよ………潤ちゃん…




学校からマンションまでは歩いて20分くらい。
ウキウキだからか、今日はいつもより早く帰り着いた気がする。




『潤は帰って来てっかなぁ♪』




こいつも、同じマンション、しかも隣り同士。
そして雅紀と同じく、幼稚園からの幼なじみ。
高校は、専門的なことを学びたいからって、別のとこに行っちゃったけど。


あ〜早く報告したい。
オレにだって春は来るんだ。


マンションのオートロックを解錠して中へと入ると…




『お〜!』




ちょうどエレベーター待ちしてる潤と会った。




「…おかえり。2人とも。」



『たでぇまぁ♪』
「た、ただいまっ…」



「……なんか…智、ご機嫌じゃん?」



『んふふ♪分かる〜?実はさぁ……オレ、はじ…』
「あぁ〜っそういえばさっ、潤ちゃんはさ、チョコ貰った??」



「いや?貰ってないよ?」



『え〜貰ってないんだぁ?珍しいなぁ?去年まであ〜んなに貰ってたのにぃ…』



…ほとんどは智宛だったっつうのっ…



『今年は立場逆転だな♪』



「……は?…どういう意味だよ…………っ!?まさかっ……おい雅紀っ!」



「わぁぁ〜ゴメンっ…でも不可抗力っ!!まさか下駄箱に入ってるなんて思わなくてっ…だけどさっ、他は死守したんだよ!?」



『ちょっ…どうしたんだよ!?潤、なんで怒ってんの!?んで雅紀はなんで怒られてんの!?』



「……はぁ。……とりあえず、上がろうぜ…」




呼びっぱなしだったエレベーターに乗り込む。

雅紀は7階。

オレらは5階。

5階に到着し、エレベーターのドアが開く。





『じゃあね、雅紀…また明日…』



「…うん……あ、ねぇ潤ちゃん…どうなったか…あとで教えてね?」



「……分かった。」



『……?』




なんの話をしてるんだ?




「…智、今日おばさん達は?」



『ん?まだ帰ってきてないと思うけど…』



「じゃあ部屋、行っていい?」



『うん…着替えてくる?』



「いや…直行する…」



『そ?…んじゃ、どうぞ〜…』




鍵を開け、ドアをオープン。
玄関から1番近い、廊下を挟んで左側の部屋がオレの部屋。




『飲みもん取ってくるから、適当に座ってて〜…って、言われなくても座るかww勝手知ったる幼なじみだもんな♪』




もう10年以上の付き合いだ。
泊まり合いも何度だってやってるし。




『はいよっ!パイナップルジュース!』



「…サンキュ。」




潤が座るのは、決まってベッドの上。




『んで?さっきなんで雅紀に怒ってたん?』



「…任務に失敗したから。」



『任務って…ww何させてたんだよ…』



「…去年まではさ、俺が任務遂行してたわけ。」



『……?』



「でも今年は…学校違うから出来なくて…だから代わりに雅紀に頼んだ。」



『だからその任務ってなに?』



「…智にはチョコを受け取らせるな大作戦…」



『はぁぁ!?』



「…なのに雅紀のやつ…あっさり受け取らせやがって…」



『受け取ったっていうか、下駄箱に入ってたんだから断りようもないし……そんなことよりっ!!なんだよ今の話!!』



「…そのまんまだよ?…智にチョコが渡らないように、俺たちが受け取って留めてたってわけ。」



『なんでそんなことっ……嫌がらせかよ…』



「違ぇよ……誰とも付き合ってほしくなかったから…」



『やっぱ嫌がらせじゃん…』



「違うって……智が誰かのもんになるなんて…絶対嫌だったから…」



『……なんで潤が嫌がんなきゃなんねぇの?』



「…分かんない?」



『から聞いてんだけど。』



「はぁ…鈍感すぎて頭痛ぇ…あのな?ストレートに言うけど…」



『うん?』



「……好きだからに決まってんだろ///」



『……ぇ?…す、好き?…誰が誰を?』



「もぅ!!だ〜か〜らっ!俺がっ!!おまえをっ!!」



『ぅえぇ〜っ!?マジで言ってんの!?てか、オレとおまえは幼なじみで親友で……そもそもオレ、男なんだけどっ!?』



「そんなの、百も承知。でも俺は、智が好き…///」




いつもは、クールで落ち着いてて、感情なんてあまり出さない潤が…




「…だから…智を俺のもんにしたくて……智、昔から人気者だったから……女子と付き合ってほしくなくて…智に言い寄ろうとしてた奴らに接触されないように、俺、阻止してた。」




顔、赤くして、オレに好き、って…

初めて見る顔…

しかもなんか…




「…智は俺のこと、嫌いか?」




とか聞いてくるしっ…

んで聞き方ズルい!!

…嫌いなわけ、ない。

けど…





『…嫌いじゃ、ない。けど……』



「……分かってるよ。…好き、とか考えたことないから分かんない、だろ?」



『お、おぉ…よく分かったな…』



「何年一緒に居ると思ってんの。智の考えてる事くらい、お見通し。…だからさ、告白する決心も着いた。」



『そ、そうなのか?』



「智なら絶対、軽蔑とかしないし、真剣に考えてくれると思ったから。……ていうか、智がチョコを貰ってなかったらまだ告白するつもりじゃなかったんだけどな。…でも、その子の気持ちに応えられたら困るから…」





ヤバい。
思考回路、止まったかも…

落ち着いて考えろ?

…え〜っとつまり?


今まで、バレンタインと無縁と思ってたのは、全部潤のせいで…

それはオレのことが好きだったからで…


…え?

ていうか、オレって……




『…な、なぁ、オレってモテんの?』



「…気付いてないの?……まぁ、気付かせないようにはしてたけど。凄いよ?智の人気は。」



『へ、へぇ〜…』





潤や雅紀が人気なのは分かるけど…

オレなんて2人のオマケ、くらいな感じだと思ってた…




「……で、どうする?」



『ほぇ?どうするって…』



「どっちの気持ちに応えてくれんの?チョコくれたその子?それとも……俺?」



『急にそんなっ…すぐには返事できねぇよぉ!』



「だろうね。…じゃあ1ヶ月待つよ。1ヶ月後のホワイトデー。その日に返事もらうから。よ〜く考えておきなよ?…じゃ、俺そろそろ帰るわ…」



『ぁ、うん……じゃあ…』





考えて、って言われても…なぁ…

初めてのことで頭パンクしそうww

バレンタインって、頭使うんだぁ…







続きます〜