『サブトロピカル サステナビリティ』が終わりました。

2年くらい稽古したような
一瞬で通り過ぎたような

なんとも不思議な公演でした。


それにしても。
こんなにも本番中に写真を撮らなかった公演はない。

一人一人キャストについて語ろうと
打ち上げでキャストの写真を撮っていたのだが、
1人は寝起きゆえ遠慮して機を逃し、
1人はびっくりカミングアウトをして早めにお帰りになり、
結局願い叶わず、キャスト紹介もできず。

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唯一の全員写ってる写真。
千秋楽の開演直前の儀式の写真。

集合写真撮っておけばよかったと悔やんでももう遅い。
後悔しちゃうところもまた演劇のいいところなのかもしれない。



たまには、作品を振り返ってみたいと思います。
実は各シーンに全部タイトルがついてたんですの。

○アロハ食品のサステナビリティ
本題と結論を一気に語ってしまいました。
ケラケラ笑いながら書いたのですが、
「あれ、これただリアルなだけなのかも」と思ったり。
お客様からも「あの会社はうちです」と反響も多かった。
個人的には一番好きなシーン。

○新人を逃がすな
演劇の世界だと新人不足みたいなものをあまり感じませんが
一般社会からすると死活問題なんだろうなと。
芳賀さんの各務君は絶妙だった。
こちらも反響が大きかったシーンです。

○PTA訪問
兼好師匠とPTAの落語を製作していたころから
自分でもPTAのシーンをずっと書きたいなと思ってた。
満を持してのPTAコラボ、感無量です。

○代用教員の修学旅行
ツラツラと書きあがったシュール系シーン。
3人が達者なのですぐ立ち上がりました。
友人が11歳のお子様を連れてきて
「秘宝館って何?」と聞いたそうです。

○引き継げない!
「東京へ行きたい」というセリフを書くのは初めてでした。
荒威ばるのおかげですね(でも、ほんとはシティギャル)
多感すぎる思春期を描くのは楽しかった。また描いてみたい。

○著作権相続
某詩人の著作権を遺族が分け合っているという話から立案。
横溝正史チックに遺産争いを描くというベタなシーンでした。
オモシロで書いてはいますけど、実際大変なんだろうな。

○競馬場にて
短いシーンですけれどもガールズトークもの。
この歳になるとどういう男をチョイスするかは
人生を左右する最重要課題だと思う訳です。
特にダメンズに惹かれちゃう致命的なタチの女性は
ほんとに考えていかなくちゃいけませんよ。マジで。

○九代目片桐蓮之助
ピクニックさんのライブへ行ったとき、
「なんて女形の歌舞伎役者に似てるんだろう」と思った。
という訳でこのシーンはピクニックさんへのラブレターでもあります。
植本さんに女形指導に来ていただき、その稽古風景はまさに眼福。
個人的には主役の演出家の葛藤に身につまされておりました。
わかりやすくて一番人気のシーンでした。

○サステナブルに生きる
2番目のシーンで登場した会社の3年後という設定。
奥村演じる田島は部長なのにとても奥ゆかしくて
こういう人が上に立つと下は伸び伸びと自由にそこにいる。
私のような我の強いリーダーではこうはいかない。
田島への嫉妬とリスペクトで涙が出そうになりました。


今のリアルを毒を持って描き、
大いに笑えて、大いに身につまされる。
自分らしい短編集だったと思ってます。


亜熱帯は私のホームグラウンド。
またやりたい。すぐにでも。


関係者の皆様
ご来場いただいた皆様
お気にかけていただいた皆様

ありがとうございました。


次回、熱帯は秋になります。
たぶんアレ、やります。