今回はやっすい雀牌みたいな、不自然極まりないブリッジで、初めて本格的なデンブルに足を取られ、その後の事件で派手にすっ転んだ私のお話です。
雀牌ブリッジのおかげで、私は思いきり笑うことが少なくなりました。高校生活は変わらず、箸が転がっても大爆笑の日々なのに、雀牌ブリッジを見られるのがイヤで仕方なかったんです。
何がつらいって、話してる相手の目線が、雀牌ブリッジに釘付けな瞬間。
凝視しないで〜
鏡を見て、歯を出さない笑い方を研究したり、歯の色を目立たなくするマニキュアみたいな物をソニプラで買ったり、今でも、あの頃無駄な努力に必死だった自分に思いを馳せると、目頭が熱くなります。
そんな哀れな私を、更なる不幸が襲います。
ある日、お煎餅食べてたら、ブリッジの土台の海ぶどうがポキリ!堅焼きじゃなく薄焼きですよ!それなのに、いとも簡単に根元から!そしてポロリと外れたのでした…。
夢であってくれ
ブリッジが折れたとわかった時は、地雷を踏んだくらいの衝撃でした。踏んだことないけど。生まれて初めての、血の気が引くっていう感覚。
ポキリ
ポロリ
ドッカーン
あまりのショックに口あんぐり。もうあの不本意な海ぶどうすら、私の歯茎上にはありません。
歯が4本もない女子高生、お先真っ暗です。
でも、何とかせねば!そして、またまたペンチ歯医者の元へ走りました。
その時のペンチ(もう呼び捨て)の塩対応ときたらしょっぱいにもほどがある!
「どっかにぶつけた?」
「固い物食べたんでしょー」
「歯ぎしりする人?」
そして、さらりとこう言い放ったのでした。
「6本連結のブリッジにするしかないね」
ろ、ろ、6本?
ちなみに、アジアではまぁまぁありますが、北米では”ブリッジは3本が一般的、MAX4本まで”が通説で、「6本となると予後に責任持てません」とドクターから告げられます。土台の歯が負担に耐えられないからです。
4本から6本、6本から8本、そして総入れになるんだ…。
ペシミストな私は、地獄行きの高速バスに乗り込んでしまった気分でした。真剣に思いましたよ。
誰にも会いたくない
無人島に流されてしまいたい
(できたら白い砂浜の
常夏の島に)