前回の記事まで何回かに分けて僕自身の離婚の事について書いたが、こちらの記事はその後日談的な話としたいと思う。
家庭裁判所での審判離婚が成立した数日後、元妻側から慰謝料が無事に振り込まれていた。
とは言っても元妻は専業主婦だったので自力で多額の慰謝料を用意する経済力もなく、元妻の両親が全額肩代わりしたようだった。
元妻の不倫相手に関しては、僕への慰謝料の振り込みが完了するや否や、
「俺には家庭がある!もうこれ以上俺を巻き込まないでくれ!」
と言い放ち、元妻を捨てて逃げてしまったという。
そして、僕との離婚が成立し、不倫相手にも捨てられた元妻は、自身で生活するだけの経済力もないので、実家に戻り身を寄せる他なく…
しかし、元妻の実家は田舎の小さな集落…
不倫して離婚して戻って来た…との噂が立ってしまうのにも時間はかからず…
離婚から数年経った今も、独身で親の脛をかじりながら実家で身を隠すようにひっそりと暮らしているという…
そして、一連の離婚の経緯を知った元妻の友人たちのうち一部は、元妻のもとを次々と去って行ったという。
ちなみに、これらの後日談も、元妻のもとを去った元友人の1人が、僕を案じて連絡をくれて知らせてくれた事だった…
何が言いたいかというと…
この、不倫という行為に端を発する一連の経緯の中で、一体、誰が幸せになっただろうか?
当事者である僕、元妻、不倫相手…
そこが不幸になるのはある意味仕方がない事だと思う。
僕が不倫相手の家に乗り込んだ際にその場に居合わせた、不倫相手の奥さんと娘さん…特に、娘さんにとってはトラウマだったと思う。その表情を思い出して今でも時々僕は苦悩することがある。
大切な老後資金の中から僕への慰謝料を捻出する事になった元妻の両親…
元妻を軽蔑し元妻のもとを去って行った元友人達…
そう、程度の差はあれど、最後は皆不幸になった。
僕は、不倫という関係には必ず終わりが来るという現実も、そしてその末路へと向かうその中で皆が不幸になってゆく過程を…
そして、その末路を…
そう、僕はその過程全てを、当事者として全て見て来た人間だ。
だからこそ、誰よりも不倫になんて手を染めてはならない人間だった筈。
そんな他ならぬ僕自身が、不倫に身を投じてしまった今…
この関係が終わる時には、不幸になるのは僕自身と彼女だけでいい…
せめてそんな終わりにする事こそが、
僕自身に出来る唯一の最後の償いだとすら思わざるを得ない。