夫は病が分かってから亡くなるまでの間
医療関係者、家族以外の誰にも会わずに
亡くなりました。
友人、知人、お世話になった方々など
誰にも会わずに…
です。
脳腫瘍になったことすら
ほとんどの方に知らせていませんでした。
知らせたのは三女の所属するチームの監督と
次女が以前所属していたチームの監督と
その監督が話したであろう数人の競技関係者のみでした。
それはなぜか？
夫の病が分かった経緯を
他人に話したくなかったこと。
分かった時には
もう夫の様子が変わり果てていて
知り合いの人に会わせるのを
ためらうほどだったこと。
夫の脳腫瘍（中枢神経系原発悪性リンパ腫）は
分かった時点でステージⅣの悪性脳腫瘍であり
治療を早く開始しないと
いつ急変するか分からないとのことで
入院、手術、抗がん剤治療
など慌しく始まった為
そちらに集中したかったこと。
最初はそのような理由で
誰にも連絡しませんでした。
また、連絡する余裕もありませんでした。
余命宣告を受けたものの
治療すればもっと延命できると信じていたので
治療が落ち着いたら、夫の意思を聞いて
夫が会いたいと思う人に連絡を取って
会わせてあげようと思っていました。
治療が思うように進まず
容体がどんどん悪くなっていく中で
夫の事を友人に伝えた方がいいのだろうか？
夫に会いたいと言ってくれる人は
いるかもしれないが
夫は会いたい人がいるだろうか？
夫の事を知っている人が
今の夫の姿を見たらショックを受けるのでは？
（家族ですらあまりの変わりようにメンタルが
ついて行けてなかったので）
夫は今の姿を見せてもいいと思うのだろうか？
色々と思い巡らせましたが
コロナ禍であり
病院の面会制限もあり
家族ですら会うのが難しかったし
自宅療養した期間も１週間だけだったので
結局誰にも会わせてあげられず
誰にも連絡できないまま
夫は逝ってしまいました。
夫の訃報を聞いた
夫の友人や可愛がってくださった方々の
大変な驚きと涙を見ていると
生前に連絡できなかったことや
会わせてあげられなかったことや
夫の実家の意向もあり
コロナ禍の葬儀で
大々的に来てくださいと言えず
遠慮された方が多数あったこと
など
申し訳なく思ってしまい
本当にこれでよかったのだろうか？
と何度も思いました。
果たして夫は
闘病中に
逝く前に
会っておきたい人がいただろうか…？
夫は脳腫瘍の影響で
ほとんど何も話せないまま亡くなったので
今となっては
本当のことは分かりませんが
夫は
他人に弱味を見せたくない
人前では格好つけたがる
見栄っ張りな人だったので
変わり果てた自分の姿は
見せたくなかったのでは…？
とそれだけは
自信を持って言えます。