夫が頭痛を訴えた時のこと | りぼんの日記

りぼんの日記

ある日夫が突然失踪。その原因は脳腫瘍(悪性リンパ腫)でした。わずか2ヶ月の闘病生活を経て2022年9月10日53歳でこの世を去りました。夫の闘病の記録と残された私と3人の娘の今を綴っていきます。

夫が在宅療養中に

激しい頭痛を訴えた時のことを

お話ししたいと思います。








2022.8.19深夜



寝ていた夫が「頭が痛い」と言って起きてきて

トイレに行き大量嘔吐した。




その後も立て続けに嘔吐したため

落ち着いた頃を見計らって

以前よその病院でもらっていた

痛み止めを飲ませた。




が、1時間もしないうちにトイレに起きてきて

また嘔吐した。

ずっと頭痛を訴えて苦しそうにしている夫を見て

怖くなった私はがんセンターへ電話をかけた。




当直の医師は少し気だるそうに

「自分は外科医なので詳しいことは分からないが

痛み止めを飲んだらじきに治るでしょう。それで様子を見てください。」

と言った。




痛み止めって言われても…

そもそも退院処方の中に痛み止めはなかった。

痛み止めにも種類があるだろうし

家にある痛み止めをと言われても

どれを飲ませていいか分からなかった。





がんセンターから痛み止めを処方されていないのに当たり前のように「痛み止めを飲ませて」

と言うこの外科医はなんなんだろう?

と腹立たしく思った。





その後も1時間おきに起きて来て

トイレに行っては嘔吐を繰り返す夫。

飲ませた痛み止めも全く効いていない様子。

あれだけ吐いていれば効かないのかもしれない。

そのうち吐くものもなくなって

緑色の吐物を吐くようになった。

後に調べて胆汁を吐いていたと分かった。





一晩中ずっと頭痛を訴えて

1時間おきに吐いて

段々と弱っていく夫…

痛々しくて可哀想で

不安で怖くて

どうしていいか分からなくて

明け方再度がんセンターへ連絡した。





対応したのは

まだ当直の時間帯なので

深夜に電話に出た同じ外科医。




私は

「痛み止めを飲ませたけど全く効いていません。

頭痛もひどいみたいだし、もう10回以上嘔吐しててとても苦しそうです。

何とかしてもらえませんか?」



必死で訴えた。




「担当医に連絡とってみます。」

と言ってくれたが

折り返し連絡があり

「主治医がその状態では入院適応にはならないので次の診察日まで待って下さいと言ってるのでその時に来てください。」

とのこと。




次の診察日まであと3日もある…

ひどく苦しむ夫を見ていたらそんなに待てない

と思い、必死で食い下がるも

「次の診察日まで待って下さい」の一点張り。




「退院する時痛み止めはもらっていません。

何を飲ませたらいいですか?◯◯と⬜︎⬜︎

はありますが…」と尋ねると

「どっちでもいいです。痛み止めは一日に20錠飲んでも大丈夫です。効かなかったら1時間も開けずに効くまで飲ませて下さい。」

と外科医は言い放った。





そんな話聞いたことない…

ほんとに大丈夫なのか?




全く信じられなかった…




たった一度病院で暴れた為に強制退院になったら

こんなに対応が悪いのか?

何もしてもらえないのか?

こんなに手のひらを返したような対応を

取られるのか?




私は腹立たしくて腹立たしくて仕方なかった…





夫がこんなにもこんなにも苦しんでいるのに

当直の外科医も

主治医も

こんな対応なのか?





もう

どうしていいか分からなかったが





当直がいなくなって外来が始まってから

再度連絡してみよう…




と考え

その時間帯を待つことにした。


   




しかし

私は明け方から体調が悪くなり

発熱してしまったので

事の次第を話して

長女に看病を交代してもらった。


 



折しもコロナ禍の時

万が一の事を考えて

後ろ髪を引かれる思いで

自主隔離を始めた。





本当はずっとそばにいたかったが

そうもいかなかった。







夫の闘病中の中で

私は今でも

頭痛で苦しんでいた夫が明け方に

私を真っ直ぐ見て

(自分の頭を)「取って!!」

と言った時のあの眼が忘れられない。





続きます。