前回「お笑い8年周期説の崩壊への序曲その1」からの続き


見た目のコンビバランスもよく、若さと勢いがあったナイナイ

シュールなネタで天才とまで言われたよゐこ

アドリブを存分に加えたコントで選ばれた極楽とんぼ

などがお笑い界に風穴を開けようと奮闘していった


「新しい波」から8年後…

2000年~2001年に「新しい波8」が始まった

司会は香取慎吾


ナイナイの大成功により、同じコンセプトで

“8年周期説”を実証する為に始まった番組である。

もう10年前の番組なのだが、今の若手と言われる芸人が結構出演している


アップダウン

エレキコミック

ロバート

品川庄司

フットボールアワー

自転車こぐよ(片方は、現・ヒデヨシ)

レイザーラモン

ドランクドラゴン

松田大輔(現・東京ダイナマイト)

佐久間一行

ビーム

ザブングル

北陽

ダイノジ

おぎやはぎ

シャカ

キングコング

森三中

チュートリアル

シュガーライフ(片方は、現・カナリア)

レッドキング

にしおかすみこ

青木さやか

キシモトマイ

カリカ

5GAP

劇団ひとり

ホリ

なかやまきんに君

ニブンノゴ!

チョップリン

ノンストップバス(片方は、現・あれきさんだーおりょう)

ハローバイバイ(現・ハロバイ関とギンナナ金成)


など、今見ても見劣りしない早々たるメンツだ。


ここから選ばれたのが

キングコング、ロバート、インパルス、北陽、ドランクドラゴン。

当時、北陽やドランクドラゴンは、NHKのネタ番組「爆笑オンエアバトル」で

すでに若手の中では実力派と呼ばれていて人気を博していたと思う。

北陽は近年はネタがつまらないという理由から所属事務所の人力舎からネタ禁止令が出ていて

中々地上波ではネタが見れないが

当時はオンバトでもそこそこネタがオンエアされていて有望の若手として扱われていた。

ロバート、インパルスはまだまだほんとうの無名でルミネの舞台に立っていた位で

オンバトはもちろん、他のテレビにも一切出ていなかったと思う。

キングコングは番組に出演した当初は最年少のハタチであった。

見た目も、チビ猿とイケメン風の猿回しという

まさにポストナイナイではないかと言う位のコピーぶりのコンビ

当時大阪などでも徐々にではあるが人気は出てきていたと思う。


ナイナイはよくめちゃイケで、

大阪の大きな賞、ABCお笑い新人グランプリ獲ったとたまに自慢しているが

キングコングものちにではあるがその賞を獲っていたり

どちらのコンビも関西出身だったり、

ナイナイは“天然素材”通称、天素

(ナインティナイン、雨上がり決死隊、FUJIWARA、バッファロー吾郎、

チュパチャップス(ほっしゃん。と宮川大輔のコンビ)、へびいちご)

で構成されたアイドルグループで人気だったし

キンコンも、ロザンやランディーズとウエストサイド、

通称ウエッサイというアイドルグループを組んでいて

女子中高生に人気であった。


見た目だけではなくこういった相違点もある。


のちに放送される「新しい波16」という番組の初回でも

8年周期にスターが生まれると言う説明をした後

たけし→さんま→ダウンタウン→ナイナイ→キンコンという風に

写真が出てきて紹介されていた。

(まぁ、このスタジオ観覧に来ていた客が、

最初はこの説を関心を持って聞いていたらしいが

ナイナイの後キンコンと名前が出た瞬間に一気に微妙な空気に成ったらしいがw)


まぁ、新しい波8は“8年周期説”を実証するために始まった番組なのだが

ここで一つ重大なズレが生じた。


8年周期説

たけし(47年生まれ)→さんま(55年生まれ)→ダウンタウン(63年生まれ)→ナインティナイン(71年生まれ)

と来ているのだが

キングコングはどちらも1980年生まれだったので、

ナイナイ(71年生まれ)→キンコン(80年生まれ)と

肝心の8年周期説からは1年ズレている。


正直、ダウンタウンの次が岡村じゃなくて矢部の方という所で疑問はあったが

ここらへんから8年周期説は雲行きが怪しく成ってきたのではないだろうか。


ちなみにはねるのトびらメンバーで、この矢部の8年後にあたる

1979年生まれはロバート馬場裕之だけである


波8が終わって新しく始まった番組名も

「とぶくすり」に倣って「はねるのトびら」

「とぶ」と来て「はねる」と縁起がいい動詞で揃えて来た。


うーん、流石に矢部の後にロバート馬場では正直首を傾げざるを得ない

だが

番組が始まって、まさかの事態が起こった。


メインであるはずのキングコングを差し置いて

ロバート秋山がコントでメキメキと頭角を現してきたのだ。


「バカボンド」「MUGA様おーたむSAN」「グローバルTPS」

「カワイイ」「黒族」「栞」「徹夜んアソブ」など


“憑依芸”を繰り広げる謎の秋山という人物に「いったいこいつは何者なんだ?」と視聴者は夢中になった


そこには“素”など一切無く、完全にキャラクターになりきる憑依芸があった

(憑依芸というのは内村タイプのコント芸ですね。)


人気コントもほぼ8割秋山の物で、ほとんど秋山の番組と化していた。

視聴者を巻き込んでイベントをすると秋山中心だし

一番最初に出たDVDのパッケージの背表紙部分が

梶原ではなく、秋山の顔のアップというだけでもその人気が分かる。


(のちに、NSCの講師に「NSCを卒業した東京吉本には3人の天才がいる、

一人は努力の天才品川、演技の天才秋山、生粋の天才中田」と言われるほどの物であった。)


当時、ボキャブラブームも過ぎて、お笑い冬の時代であったが

色んな雑誌が秋山を持ち上げたのである。

今の秋山を見ると考えられないかもしれないが、ダウンタウンの松本以来の天才と書きたてる雑誌もあった。


もちろん、安定した演技力の塚地や

“言葉ボケ”のインパルス板倉など、違った魅力で人気もあった。

そんな影に隠れてポスト岡村のポジションだったはずの梶原は一層影が薄くなっていたのだ。


はねるのトびらは月1回くらいしか放送していなかった時期があったり、

打ち切りなどもあった(とぶくすりも打ち切りになった事があるので、それになぞらえている感もあるがw)

紆余曲折あったものの、深夜番組としては異例のDVDの大ヒットなどもあり番組は復活した。


まぁ、ここまでが「新しい波8」までのお話し



次回、最終章

「お笑い8年周期説の崩壊への序曲その3」

新しい波16へと話しは続く