技能実習(じっすう)制度が去年の四月がら特定技能制度になったのは皆も()ってっぺ(知っているでしょう)。実習生(じっすうせい)とす(し)て五年たったら特定技能者二号になって更に五年日本に居だら永住権が確保できる、家族を呼ぶことが出来んだ。政府はあいまいな言い(がだ)をすてっ(している)けど、実習生(じっすうせい)は在留期間の更新(こうすん)が何回でも出来るようになった。家族同伴が出来る。実質、移民施策だ。農村地帯(つたい)外国人(がいこくずん)一杯(いっぺャ)見られるようになっぺ(なるでしょう)。また外国人(がいこくずん)が農業経営者にもなりうる。今がらそれを理解す(し)て置かねばなんねャ(ならない)。

 相互理解のために今の今がら実習生(じっすうせい)の趣味、娯楽、カラオケだって音楽だって(みど)めで尊重す(し)なければなんねャ(ならない)。一緒にバーべキューをする機会を持づどが家族的な付き合いが必要だす、まだ相手の郷土料理を学ぶ機会を持つごども大切だべ(よ)。また地域との交流の機会を制限す(し)てはなんねャ(ならない)。今の実習生(じっすうせい)受け入れに当だって日本人(にほんずん)と交際す(し)てはなんねャ(ならない)ど馬鹿げだ規則を設げだ地域(ついぎ)もあるど聞いだごどが有っ(る)けど、御神楽でも祭りでも葬儀でも伝統的な日本文化を学ぶごどを手伝うべきだす(し)、時には彼らの国の踊りや生活習慣的なものに触れる機会を持づ必要がある。異文化と日本文化の融合が見られるようになっぺ。十年、二十年後には今よりも立派な仲間とす(し)て受け入れで行くべ。その(どぎ)になって人種(じんす)差別になるような騒ぎを起ごす(し)てはなんねャ(ならない)。

 ところで、〇〇で有名な岩手、〇〇が特産の岩手、何てインパクトのある言葉が無かんべ(無いでしょう)。それこそ皆さんの宿題の一つだべ(でしょう)。生産量では負げでも他県に負けない独自(どくず)のブランド米を造るどが、徹底す(し)て名のある焼酎米を造るどが、健康志向の求めに応ず(じ)て五穀米、十穀米をブランド品にするどが、農地転換をす(し)てこの野菜なら岩手と言われるような野菜の生産に(つから)を入れるどが、果樹のこれだけは外の県にも負けず劣らずの生産だどいう特産品を持つべきだべ(でしょう)。また、山まだ山の地形(つけい)を生がす(し)て、前沢(・・)()いわい牛(・・・・)は日本の誰でも知るブランド品の牛肉だと(くず)に乗るように酪農に力を入れるどが、まだまだ考えるごども周りの環境を変えでいぐごども宿題とす(し)て有っぺ(有るでしょう)。

 今日はこんなどご(ところ)で私の(はなす)コは終わりにすっペ(しましょう)。よもやま話はこの(あど)、皆ど酒コ飲みながら歌コでも歌いながらの楽しみにすっぺ(ましょう)」。先生の(はなす)コを閉ず(じ)る言葉に合わせで畠山さんがまた立った。

「有難うごぜャーますた(ございました)。貴重な(はなす)コ聞かせで貰って大いに反省す(し)なければなんねャ(ならない)どつくづく実感す(し)ました。毎日(まいにづ)の農作業に追われで自分(ずぶん)(つぐ)っている米が当たり前だと思っています(し)た。

 宮城の米と言われでそう言えばそうだなと気づがされます(し)た。また人手不足や後継者問題の解決に魅力ある農業とす(し)ていかねばなんねャ(ならない)、働く環境の改善が何よりも重要なんだと明確にご指摘(すてき)いただいで皆が取り組むべき宿題が分がったと思います。本当に有難うごぜャーますた(ございました)。最後に一つ、先生にご質問させでもらっていいべが?」。

先生の頷く顔を見で質問す(し)た。

農地(のうづ)集約化(すうやくか)、大型化と外国人(がいこくずん)労働者が多くなるどいう関係が今一つ分かんねャ(分からない)んですげども、どういう関係だべ?」

俺達(おらだづ)(づぐ)り農家は年に一人二人の実習生(じっすうせい)を入れでるぐらいのもんだべ。だども野菜(づぐ)りや酪農の方では人手不足解消に俺達(おらだづ)よりはるがに実習生(じっすうせい)を多ぐ入れでいる。野菜(づぐ)り農家に一年目三人でも、二年目にまた三人、三年目に三人と実習生(じっすうせい)を入れるごどができる仕組(すぐ)みになっていたべ。つまり農家一つが三年目には九人の実習生(じっすうせい)を抱えるごどが出来る仕組(すぐ)みになっていだべ(よ)。また逆に言えばそれが限度だった。だ(けれ)どもそれが去年の四月(すがづ)の技能実習(じっすう)制度の改正で今度は一年目に五人、二年目に五人、三年目に五人、三年目には十五人の外国人実習生(じっすうせい)を一遍に(かが)えるごどが出来るようになった。

 それが個人農家から会社、公社等になっても野菜(づぐ)り部門に十五人、酪農部門に十五人を雇うことが出来ん(るん)だ。米作(こめづぐ)り部門に数人でも経営主体(すたい)が組織化されで大きくなるど外国人労働者を多く(かが)えるごどが出来るようになる。その人手をある(どぎ)(こめ)(づぐ)りにある(どぎ)は野菜(づぐ)り、果樹栽培に、ある(どぎ)は酪農に効率よく回せるんだ。農地(のうつ)、農家等の集約化(すうやくか)、大型化と外国人労働者が多ぐなると言う関係が分かるべ(でしょう)。おまげに家族同伴が可能どなったんだもの農村地帯(つたい)外国人(がいこくずん)が多ぐ成る道理だべ(でしょ)」。

「なるほど、そういう訳が」。

畠山さんが(くづ)にするど、(おら)の目の前の八重樫さんも由利さんご夫婦も首を縦にニ、三回軽ぐ振っていだ。